社会福祉士

社会福祉士 第38回 問題62刑事司法と福祉

問題

社会福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年2月1日(日)実施・刑事司法と福祉

「医療観察法」及び医療観察制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。 (注) 「医療観察法」とは,「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題62

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ

タップするとすぐ答え合わせ

答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)

解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 5 です。

医療観察法では、裁判所が「入院によらない医療(通院)」を受けさせる決定をした場合、その期間中は保護観察所による「精神保健観察」に付されます(第106条)。社会復帰調整官が本人と接触を保ち、きちんと通院しているかを見守ります。

ほかの選択肢の誤り:対象は、心神喪失や心神耗弱の状態で殺人・放火など重大な他害行為を行い、不起訴や無罪などになった人です(1)。社会復帰調整官は保護観察所に置かれます(2)。法律の目的は刑罰ではなく、医療と観察による社会復帰の促進です(3)。入院の決定をするのは医療機関ではなく裁判所です(4)。

なぜこれが正解か

正解は 5。医療観察法第106条第1項は、第42条第1項第2号(入院によらない医療を受けさせる旨の決定)などの決定を受けた者は、当該決定による入院によらない医療を行う期間中、精神保健観察に付すると定める。

各選択肢の解説

  • 1(誤り)対象者は、殺人・放火・強盗・不同意性交等・傷害などの重大な他害行為を心神喪失または心神耗弱の状態で行い、不起訴処分となった者や、無罪・刑の減軽の確定裁判(実刑を除く)を受けた者である(第2条第2項)。刑の執行停止で釈放された者ではない。
  • 2(誤り)第20条第1項は「保護観察所に、社会復帰調整官を置く」と定める。
  • 3(誤り)第1条は、継続的かつ適切な医療とその確保のための観察・指導により、病状の改善と同様の行為の再発の防止を図り、社会復帰を促進することを目的とする。刑罰の執行が目的ではない。
  • 4(誤り)入院等の決定は、検察官の申立てを受けて裁判所が行う(第42条第1項)。

制度の全体像

正解は 5。医療観察制度は、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った人に、手厚い専門的な医療と地域での継続的な支援を提供し、社会復帰を促す制度である。

対象行為(第2条第1項):放火、不同意わいせつ・不同意性交等、殺人、強盗(いずれも未遂を含む)、傷害。

対象者(第2条第2項):対象行為について、①心神喪失者・心神耗弱者と認められて不起訴処分になった者、②心神喪失で無罪、または心神耗弱で刑を減軽する確定裁判(実刑部分のあるものを除く)を受けた者。

手続き:検察官が地方裁判所に申し立て→裁判官と精神保健審判員(精神科医)の合議体が、鑑定を基礎に、精神保健参与員(精神保健福祉士など)の意見も踏まえて審判→第42条第1項により①入院決定、②入院によらない医療を受けさせる決定(通院決定)、③医療を行わない旨の決定のいずれかを行う。決定するのは裁判所で、指定医療機関はその決定に基づいて医療を担当する(選択肢4の誤り)。

精神保健観察(選択肢5)

通院決定を受けた人や、入院から退院を許可された人は、通院医療の期間中、精神保健観察に付される(第106条第1項)。社会復帰調整官が本人と適当な接触を保ち、指定通院医療機関の管理者や都道府県知事・市町村長から報告を求めるなどして、必要な医療を受けているかを見守り、継続的な医療を受けさせるための指導を行う(同条第2項)。通院期間は原則3年で、裁判所の決定で延長がありうる。

社会復帰調整官(選択肢2)

第20条により保護観察所に置かれ、精神保健福祉士その他の専門的知識を有する者から任用される(第3項)。業務は、審判段階の生活環境の調査、入院中の生活環境の調整、通院中の精神保健観察、関係機関相互の連携の確保など。地方更生保護委員会(仮釈放などの審理機関)とは異なる。

関連して出る論点

  • 指定入院医療機関・指定通院医療機関は厚生労働大臣が指定する(第2条第4項・第5項)。
  • 本制度は刑事司法と精神医療の中間に位置するが、目的規定はあくまで医療と社会復帰であり、「処罰」「保安処分」と表現する選択肢は誤りになる。
  • 通院中の処遇は、保護観察所が作成する処遇の実施計画に基づき、指定通院医療機関、都道府県・市町村(精神保健福祉センター・保健所など)、障害福祉サービス事業者が連携して行う。
この問題の根拠
  • 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律第106条e-Govで原文を読む
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題62です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。