社会福祉士

社会福祉士 第38回 問題50地域福祉と包括的支援体制

問題

社会福祉士 | 第38回(令和7年度) | 令和8年2月1日(日)実施・地域福祉と包括的支援体制

事例を読んで,次のうち,総合相談窓口のA相談員(社会福祉士)が他機関とともに地域生活支援を検討するために,考えられる会議体として,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 B市では,総合相談窓口を行政直営で運営している。ある時,地域住民から総合相談窓口に対して,近所の家が庭にごみを溜めており,異臭がするので撤去してほしいという相談が入った。Aが当該地区の民生委員に連絡すると,以前は高齢の母親と60 歳代前半の息子Cさんが暮らしていたが,去年,母親が認知症グループホームに入居してからは訪問する機会がなかったとのことだった。Cさんについては,子どもの頃は養護学校に通っていたらしいが,詳しくはわからず,またCさんには妹がおり,母親の入居手続きを行う際,Cさんには一切関わりたくないと言っていたことが分かった。そこでAは,Cさん宅を訪問し,最初は会うこともできなかったが,次第に言葉を交わすようになり,ごみを片付けたいが体調が悪くお金もないので悩んでいることが分かり,Cさんの同意は得られていないが,関係者による情報共有や支援体制構築に向けた会議の開催を検討することとした。 (注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」問題50

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 2・4
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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 2 と 4

Cさんはまだ支援に同意していませんが、ごみや体調、お金の問題など、放っておけない状況です。こうした本人の同意が得られていない段階でも、関係者で情報を共有し支援を話し合える会議が「支援会議」です。生活困窮者自立支援法に基づく支援会議と、社会福祉法に基づく支援会議(重層的支援体制整備事業)は、どちらも参加者に守秘義務を課すことで、本人の同意がなくても情報共有ができる仕組みになっています。

覚え方:同意がない段階=「支援会議」。同意を得た後の支援プランの検討=「重層的支援会議」。

正解は 2 と 4

2 適切。生活困窮者自立支援法9条の支援会議は、生活困窮者への支援に必要な情報交換と支援体制の検討を行う。構成員に守秘義務があり(同条6項)、本人の同意がなくても情報共有ができる。体調不良と経済的困窮を抱えるCさんの検討に適する。

4 適切。社会福祉法106条の6の支援会議も、守秘義務(同条6項)の下で本人同意のないケースの情報共有と支援体制の検討ができ、複合的な課題を持つCさんの世帯の検討に適する。

1 不適切。行政相談委員法に基づく行政相談は、行政への苦情や意見を受け付ける仕組みで、個別の地域生活支援を検討する会議ではない。

3 不適切。障害者総合支援法の地域連携推進会議は、グループホームなどの事業者が、利用者・家族・地域住民などを構成員として運営の透明性を高めるために設ける会議で、個別ケースの検討の場ではない。

5 不適切。重層的支援会議は、本人の同意を得たうえで支援プランなどを協議する会議であり、同意が得られていないCさんの検討には適さない。

正解は 2 と 4

【事例の見立て】

Cさんは60歳代前半で、子どもの頃に養護学校に通っていたらしく、知的障害などのおそれがある。母親の施設入所後に生活が崩れ、ごみの堆積(いわゆるごみ屋敷・セルフネグレクトの疑い)、体調不良、経済的困窮、妹との関係の断絶など、複合的な課題を抱えている。Aは訪問を重ねて関係をつくり始めているが、Cさんの同意はまだ得られていない。この段階で関係者が情報を共有し支援体制を検討するには、守秘義務を法定し本人同意のない情報共有を可能にした会議体を選ぶ必要がある。

【正解の根拠(条文)】

・生活困窮者自立支援法9条:都道府県等は支援会議を組織するよう努める。支援会議は、生活困窮者に対する自立の支援を図るための情報交換と支援体制の検討を行い、必要に応じ関係機関等に資料・情報の提供を求めることができる。事務に従事する者には守秘義務がある(6項)。同条5項は、社会福祉法106条の6の支援会議や生活保護法の調整会議との相互連携に努めると定める。

・社会福祉法106条の6:市町村は支援会議を組織することができる。重層的支援体制整備事業の円滑な実施のための情報交換と、地域住民が日常生活・社会生活を営むのに必要な支援体制の検討を行う。守秘義務(6項)。同条5項は、生活困窮者自立支援法の支援会議などとの相互連携を求める。

どちらも「本人の同意がない段階」で使える点が共通し、B市の総合相談窓口の状況に合致する。

【誤りの選択肢の掘り下げ】

1 行政相談委員は、総務大臣が委嘱する民間有識者で、国の行政などへの苦情や意見を受け付け、関係機関への通知などを行う。行政相談懇談会は行政相談に関する意見交換の場であり、個別の生活支援を検討する会議ではない。

3 地域連携推進会議は、障害福祉サービスの報酬改定・運営基準の見直しにより、共同生活援助(グループホーム)や障害者支援施設などに設置が求められることになった会議で、利用者や家族、地域住民、外部の有識者などが参加し、事業所の運営状況の報告と意見交換を通じて地域との連携と透明性を確保する。個別の困難ケースを検討する場ではない。

5 重層的支援会議は、多機関協働事業として、支援プランの適切性の協議、支援の終結の判断、地域の社会資源の把握・開発の検討などを行う会議であり、本人の同意を得たケースを扱う。同意を得た後の段階では有効だが、現時点のCさんには適さない。

【関連論点】

・本人同意のない情報共有が法律で可能な会議には、ほかに介護保険法の地域ケア会議(115条の48、守秘義務あり)、児童福祉法の要保護児童対策地域協議会(25条の2)、障害者総合支援法の協議会などがある。

・Cさんの支援では、障害福祉サービスの利用、生活困窮者自立支援制度、必要に応じた成年後見制度の利用などが選択肢となる。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回社会福祉士国家試験(令和7年度)」の問題50です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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