社会福祉士

社会福祉士 第36回 問題40地域福祉の理論と方法

問題

社会福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年2月4日(日)実施・地域福祉の理論と方法

事例を読んで,包括的な支援体制の構築に向けて,社会福祉協議会のE職員(社会福祉士)が行う支援の方針として,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 P地区では,Q国の外国人居住者が増加している。Fさんは,Q国の外国人居住者のまとめ役を担っており,Eのところに相談に訪れた。Fさんは,日常会話程度の日本語は話せるが,日本の慣習に不慣れなために,過去に近隣住民とトラブルが生じてしまい,地域で気軽に相談できる日本人がいない。Fさんを含めて,P地区で暮らす外国人の多くが,地域活動にはあまり参加していない状態で,地域から孤立しているようである。Eは,このような外国人居住者の社会的孤立の問題を解決するための対策を検討した。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題40

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 1・3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1 と 3

この事例の課題は、外国人居住者が地域から孤立していることです。解決には、外国人に日本の慣習を一方的に押し付けるのではなく、外国人と日本人の住民が互いを理解し、ともに地域をつくる関係にしていくことが大切です。

選択肢1は、Fさんたちを講師に招いて、近隣住民が外国人の暮らしや文化を学ぶ機会をつくるもので、住民どうしの相互理解につながります。選択肢3は、外国人居住者が主体的に参加できるよう地域活動のあり方そのものを見直すもので、地域の側が変わる取組です。

ほかの選択肢(2・4・5)は、外国人の側だけに努力や適応を求める一方的な対応で、孤立の解決にはつながりにくいため適切ではありません。

なぜ正解か

正解は 1 と 3。社会的孤立の背景には、外国人居住者の側の言葉や慣習の壁だけでなく、地域の側が外国人を受け入れるしくみを持っていないことがある。包括的な支援体制の構築という観点からは、外国人を「支援される人」だけでなく地域の担い手として位置づけ、双方向の関係をつくる支援が求められる。

  • 1:Fさんらが講師となることで、外国人居住者が力を発揮する役割を得るとともに、近隣住民の理解が深まる。相互理解の場づくりである。
  • 3:これまでの地域活動が日本人住民だけを前提にしていたなら、それ自体を見直し、外国人も参加しやすい形に変えることが必要。地域の側の変化を促す取組である。

ほかの選択肢

  • 2:Fさんは日常会話程度の日本語は話せる。課題は日本語力よりも、慣習の違いと相談相手がいないこと。教材の提供だけでは孤立は解消しない。
  • 4:自治会長に「生活指導」を依頼すると、外国人居住者を指導・管理の対象として扱うことになり、対等な関係づくりに反する。
  • 5:日本の文化や慣習を「遵守させる」ルールは、一方的な同化を求めるもので、多文化共生の考え方に合わない。

正解の根拠と位置づけ

正解は 1 と 3。社会福祉法第4条は、地域住民等が相互に人格と個性を尊重し合いながら参加し、共生する地域社会の実現を目指して地域福祉の推進に努めることを定めている。また第106条の3は、市町村が地域住民等の地域福祉活動への参加を促す環境整備などを通じて包括的な支援体制を整備することを求めている。社会福祉協議会の職員はこの体制づくりの中心的な担い手であり、外国人居住者の孤立という地域生活課題に、地域全体で取り組む方向の支援を選ぶ必要がある。

事例の読み取り

  • Fさんは外国人居住者のまとめ役であり、地域とつなぐキーパーソンになりうる人材(ストレングス)。
  • 日本語は日常会話程度話せる → 課題の中心は言葉ではなく、慣習の違い、過去のトラブル、相談できる日本人がいないこと。
  • 外国人の多くが地域活動に参加していない → 活動の側に参加の壁がある可能性。

ここから、①外国人居住者の力を活かす(エンパワメント)、②日本人住民の理解を促す、③地域活動のしくみを変える、という3方向の支援が導かれる。選択肢1は①②、選択肢3は③に当たる。

誤りの肢の掘り下げ

  • 選択肢2:日本語学習の支援自体は意味があるが、事例のアセスメントに合っていない。支援は本人の状況の正確な把握にもとづいて選ぶ。
  • 選択肢4:トラブルの再発防止を名目に「指導」を依頼すると、外国人居住者は監視・管理される側となり、さらに地域から距離を置くことになりかねない。
  • 選択肢5:地域のルールを作ること自体は否定されないが、外国人居住者が参加せずに作り、一方的に「遵守させる」のは同化主義的な対応。ルールが必要な場合も、外国人居住者とともに話し合って作るのが地域福祉の進め方である。

関連して出る論点

  • 「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」でも、外国人を社会の一員として受け入れ、相互に尊重し合う共生社会がビジョンとされる(同じ回の問題27と関連)。
  • コミュニティワークの視点:住民の「福祉教育」や「当事者参加」は、地域の排除の構造を変える手法として頻出。
  • ゴミ出しや騒音などの生活ルールについては、多言語・やさしい日本語での情報提供や、外国人住民と一緒に説明会を開くといった方法が用いられる。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題40です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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