社会福祉士

社会福祉士 第36回 問題41地域福祉の理論と方法

問題

社会福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年2月4日(日)実施・地域福祉の理論と方法

事例を読んで,A市社会福祉協議会のG生活支援コーディネーター(社会福祉士)が提案する支援策等として,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 A市のUボランティアグループのメンバーから地域の空き家を活用した活動をしたいという相談があった。そこでGが「協議体」の会議で地区の民生委員に相談すると,その地区では外出せずに閉じこもりがちな高齢者が多いということであった。 Gはグループのメンバーと相談し,そのような高齢者が自由に話のできる場にすることを目標に,週2 回,通いの場を開設した。1 年後,メンバーからは「顔馴染みの参加者は多くなったが,地域で孤立した高齢者が来ていない」という声が上がった。 (注) ここでいう「協議体」とは,介護保険制度の生活支援・介護予防サービスの体制整備に向けて,市町村が資源開発を推進するために設置するものである。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題41

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 1・3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1 と 3

通いの場は開設から1年たち、顔なじみの参加者は増えましたが、本来の目標だった「地域で孤立した高齢者」が来ていないという課題が見えてきました。そこで必要なのは、孤立した高齢者のニーズを知り、来てもらうための方法を地域で考えることです。

選択肢1は、地域の事情に詳しい民生委員の協力を得て、孤立している高齢者が通いの場に何を望むかを聞き取るものです。選択肢3は、地域の関係者が集まる「協議体」で、孤立した高齢者のための場にするには何が必要かを話し合うものです。どちらも課題の解決に向いています。

2は今の参加者だけの満足度調査、4は目標を下げてしまう対応、5はニーズを確かめないままのプログラム追加で、適切ではありません。

なぜ正解か

正解は 1 と 3。課題は「目標としていた孤立した高齢者が参加していない」こと。

  • 1:孤立している高齢者は自ら声を上げにくい。日頃から地域の高齢者を見守る民生委員の協力を得て、そうした高齢者の希望を聞き取ることは、まだ表明されていないニーズを把握する方法として適切。
  • 3:協議体は、生活支援コーディネーターと地域の多様な関係者が情報を共有し、地域づくりを協議する場。孤立した高齢者が参加できる場にするための方策を地域全体で検討するのに適している。

ほかの選択肢

  • 2:すでに参加している高齢者の満足度調査では、参加していない孤立した高齢者のニーズは分からない。
  • 4:孤立した高齢者が来ないからといって目標を現在の活動に合わせて見直すと、そもそもの目的(孤立した高齢者の居場所づくり)が失われる。
  • 5:孤立した高齢者が何を望んでいるか確かめないまま体操などのプログラムを加えても、参加につながるとは限らない。ニーズの把握が先である。

正解の根拠と位置づけ

正解は 1 と 3。生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)と協議体は、介護保険法の地域支援事業のうち「生活支援体制整備事業」(包括的支援事業の一つ)として市町村が配置・設置するもの。生活支援コーディネーターは、①地域の資源やニーズの把握、②担い手やサービスの開発(資源開発)、③関係者のネットワークづくり、④ニーズと取組のマッチング、を担う。協議体は、多様な主体が参画して情報共有と連携強化を行う場である。

事例の読み取り(評価と再計画)

1. 開設の経緯:ボランティアグループの空き家活用の希望 × 民生委員からの「閉じこもりがちな高齢者が多い」という情報 → 目標「そうした高齢者が自由に話せる場」。

2. 1年後の評価:顔なじみは増えた(一定の成果)が、孤立した高齢者が来ていない(目標未達)。

3. 次の段階:目標を維持したまま、未達の原因を探り、方法を見直す。

これは地域福祉活動におけるPDCAの「評価(Check)→改善(Act)」の場面。原因を探るためには、参加していない人の声を聞くこと(選択肢1)と、地域の関係者で方策を協議すること(選択肢3)が有効である。

誤りの肢の掘り下げ

  • 選択肢2:参加者の満足度は活動の質の評価には使えるが、問われている課題(未参加者へのリーチ)の評価指標ではない。評価では「誰の何を測るか」を目的に合わせて選ぶ。
  • 選択肢4:目標の見直しは、目標自体が不適切だった場合に行うもの。本事例では、地域に孤立した高齢者が多いという根拠にもとづく目標であり、下げる理由はない。
  • 選択肢5:介護予防の体操プログラムは一般的には有効だが、孤立している人が「来ない」理由(情報が届いていない、外出の手段がない、人付き合いへの抵抗など)を確かめずに加えるのは順序が逆。

関連して出る論点

  • 協議体の階層:第1層(市町村全域)と第2層(日常生活圏域・中学校区など)がある。
  • 通いの場は介護予防・日常生活支援総合事業の一般介護予防事業でも推進されている。
  • 孤立した人へのアプローチではアウトリーチが重要。民生委員、地域包括支援センター、配食や新聞配達などの事業者による見守りとの連携も出題される。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題41です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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