社会福祉士

社会福祉士 第36回 問題39地域福祉の理論と方法

問題

社会福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年2月4日(日)実施・地域福祉の理論と方法

事例を読んで,N市において地域福祉計画の策定を担当しているD職員(社会福祉士)が策定委員会での意見を踏まえて提案したニーズ把握の方法として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 地域福祉計画の改定時期を迎えたN市では,その見直しに向け策定委員会で協議を行った。委員の一人から,「子育て世代に向けた施策や活動が十分ではない」という提起があった。また,これに呼応して,「子育て世代といっても,様々な環境で子育てをしている人がいる」「まずは子育て中の人の生の声を実際に聞いた方がよい」といった意見に賛同が集まった。Dは,こうした声を踏まえて,どのように多様な子育て世代のニーズを把握すれば良いかについて考え,最も有効と思われる方法を策定委員会に提案した。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題39

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 2

策定委員会では「子育て世代といっても様々な環境の人がいる」「まずは子育て中の人の生の声を聞いた方がよい」という意見に賛同が集まりました。この2つの条件を満たすのが、世代や環境の異なる子育て中の親を集めたグループインタビューです。参加者どうしの話し合いから、本人の言葉で多様なニーズを引き出すことができます。

ほかの選択肢は条件に合いません。職員へのインタビューや相談記録の分析は、当事者の「生の声」ではありません。特定の小学校の保護者だけでは多様性が確保できません。全世帯へのアンケートは幅広く数を集められますが、決められた質問への回答になり「生の声」を深く聞くことには向いていません。

なぜ正解か

正解は 2。策定委員会の意見から読み取れる条件は、①多様な環境で子育てをしている人を対象にすること、②子育て中の人の「生の声」を直接聞くこと、の2つ。グループインタビュー(フォーカスグループ・インタビュー)は、テーマに沿って少人数で話し合ってもらい、参加者の経験や意見を言葉のまま集める質的な調査方法で、世代や環境の異なる親を意図的に集めることで多様性も確保できる。

ほかの選択肢

  • 1:子育て支援課の職員(社会福祉士)は支援者であり、子育て中の当事者ではない。支援者から見たニーズは把握できても「生の声」にはならない。
  • 3:相談記録の分析は、すでに相談窓口につながった人の情報に限られ、相談に来ていない人の声は拾えない。また当事者から直接聞く方法でもない。
  • 4:特定の小学校の保護者に限ると、子どもの年齢や地域が偏り、「様々な環境」という条件を満たしにくい。
  • 5:アンケート調査は多くの人の傾向を数量的につかむのに向くが、あらかじめ用意した質問への回答になり、「生の声」を深く聞く方法としては2に劣る。保育所利用世帯に限ると、在宅で子育てしている世帯も抜け落ちる。

正解の根拠と位置づけ

正解は 2。地域福祉計画の策定では、住民の意見を反映させることが求められている(社会福祉法第107条第2項:策定・変更に当たり「あらかじめ、地域住民等の意見を反映させるよう努める」)。ニーズ把握の方法は、目的に合わせて選ぶ必要がある。

| 方法 | 得意なこと | 限界 |

|---|---|---|

| アンケート(量的調査) | 多数の傾向・割合を把握、比較 | 質問の枠外の声は拾いにくい |

| 個別インタビュー | 一人の経験を深く聞く | 対象者が少なく多様性に欠けやすい |

| グループインタビュー | 多様な参加者の相互作用から意見・経験を引き出す | 声の大きい人の意見に偏るおそれ、司会の技術が必要 |

| 既存資料・記録の分析 | 既に把握している情報の整理 | 支援につながっていない人の声が見えない |

| 座談会・住民懇談会 | 住民同士の話し合いと意識づくり | 参加者が固定されやすい |

本事例のキーワードは「様々な環境」と「生の声」。前者から参加者の多様性(世代・就労状況・家族形態などを意図的に変える)、後者から質的な方法(当事者の言葉をそのまま聞く)が求められる。両方を満たすのは選択肢2である。

誤りの肢の掘り下げ

  • 選択肢1:専門職の見立ては「規範的ニード」の把握には役立つが、当事者の「感得されたニード」を聞くという委員会の意図とずれる。
  • 選択肢3:相談記録は「表明されたニード」にとどまる。地域福祉計画では、まだ表明されていない潜在的なニードの把握が重要になる。
  • 選択肢4:座談会自体は生の声を聞く方法だが、対象が特定の学校の保護者に限定され、多様性の条件を満たさない。
  • 選択肢5:量的調査は計画の基礎データとして重要で、実際の策定では質的調査と組み合わせることが多い。ただし本問は「生の声」を重視する意見を踏まえた提案を問うため、最も適切とはいえない。

関連して出る論点

  • フォーカスグループ・インタビューでは、参加者の属性を目的に応じて選ぶ(意図的サンプリング)。
  • 当事者の参加を進める方法として、ワークショップ、住民座談会、パブリックコメントなども出題される。パブリックコメントは計画案への意見募集であり、ニーズ把握の段階の方法とは区別する。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題39です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。