問題
次の文は,地球の形状及び位置の基準について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
本問は測量の基準(地球の形状・座標系・標高の定義)に関する正誤問題です。正答は4です。
選択肢4が誤り:緯度・経度・ジオイド高からではなく、緯度・経度・楕円体高(楕円体面からの高さ)から地心直交座標系(X,Y,Z)の座標値を計算できます。ジオイド高(N)は楕円体高(h)と標高(H)の関係「h = H + N」で使われますが、X,Y,Z座標を得るには楕円体高が必要です。
他の選択肢(1・2・3・5)はいずれも測量法・世界測地系の正しい記述です。
本問は測量の基準(世界測地系・座標系・標高・測量原点)の知識を問います。
選択肢1(正しい):測量法第11条により、地理学的経緯度は世界測地系に基づく値で示されます。日本では2002年4月の測量法改正でそれまでの日本測地系(ベッセル楕円体基準)から世界測地系(GRS80楕円体基準)に移行しています。
選択肢2(正しい):世界測地系(測量法第2条第1項)では地球を回転楕円体と想定し、長半径a=6,378,137m・扁平率f=1/298.257222101がGRS80として国際測地学協会(IAG)が決定した値(政令で定める値)です。
選択肢3(正しい):標高の定義は「ジオイド(平均海面の陸地内部への仮想延長面)からの高さ」です。正しい記述です。
選択肢4(誤り):緯度(φ)・経度(λ)・楕円体高(h)から地心直交座標(X,Y,Z)への変換公式:
- X = (N + h)cosφcosλ
- Y = (N + h)cosφsinλ
- Z = (N(1−e²) + h)sinφ
(N: 卯酉線曲率半径、e²: 第一離心率の二乗)
入力に必要なのは「楕円体高h」であり、「ジオイド高」では計算できません。ジオイド高Nが与えられるのは、標高H → 楕円体高h(= H + N)の変換が必要な場合です。
選択肢5(正しい):測量法第11条第1項の規定通りです。
本問は測量の基準体系(測地基準系)の深い理解を問う重要問題です。
測地基準系の体系(GRS80・ITRF・JGD2011)
日本の測量基準は2002年の測量法改正で世界測地系(GRS80)に移行し、さらに2011年東日本大震災後の地殻変動を受けて2013年4月にJGD2011(日本測地系2011)が採用されました。JGD2011はITRF2008(国際地球基準座標系)に基づき、電子基準点の観測データから精密に決定されています。
座標変換の体系(楕円体高・標高・ジオイド高の関係)
測量では3種類の「高さ」を区別することが必須です。
- 楕円体高h:GRS80楕円体面からの幾何学的距離。GPSが直接測定する高さ。
- 標高H:ジオイド(平均海面の仮想延長)からの高さ。水準測量・重力測量で決定。日常生活で使う「海抜」。
- ジオイド高N:楕円体面とジオイドの高さの差(N = h − H)。国土地理院が「日本のジオイドモデル」(gsigeoid)を提供。
地心直交座標(X,Y,Z)の計算には楕円体高hが必要であり、標高HとジオイドモデルからNを求めてh = H + Nとします。本問選択肢4の誤りはここを混同させる良質な出題です。
日本の測量原点(測量法第11条)
- 日本経緯度原点:東京・港区麻布台2丁目に設置。世界測地系での座標は北緯35°39′29.1572″、東経139°44′28.8869″。
- 日本水準原点:東京・千代田区永田町1丁目に設置。標高24.3900m(東日本大震災後に改定)。
- 離島等の特例:小笠原諸島・沖縄など電子基準点が少ない地域では国土地理院長の承認を得て独自の原点が設定できます(測量法第11条第2項)。
最新技術との接続(衛星測地・GNSS)
現代の測量ではGNSS測量が主流であり、受信機は3次元の楕円体高を直接出力します。高精度なGNSS測量(VRS-RTK・CORS法)では公共測量作業規程の準則に基づき、電子基準点ネットワーク(GEONET)を活用します。GEONETは国土地理院が管理する約1,300点の電子基準点網であり、日本全国をカバーするITRF基準の三次元座標(X,Y,Z・φ,λ,h)を提供しています。測量士試験では座標変換の行列計算・測地系変換(日本測地系→世界測地系のパラメータ変換)が詳細に問われます。
- 測量法第11条・第2条e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は国土地理院が公表した過去問題を出典明記の上で引用しています(コンテンツ利用規約PDL1.0で出典明記による複製・商用利用を許諾・GREEN判定)。 根拠・出典:出典: 令和4年度 測量士補試験 問4(国土地理院)/国土地理院コンテンツ利用規約・PDL1.0に基づき利用 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)や国土地理院公式(https://www.gsi.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-06-19)。
本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は国土地理院・国土交通省の公式情報をご確認ください。本サイトは国土地理院・国土交通省と一切関係ありません。
執筆・監修:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)。測量法・作業規程の準則・計算式根拠に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。

