連帯保証と連帯債務の違いを、民法436条〜445条(連帯債務)と446条〜465条の10(保証)の条文で比較します。負担部分、催告・検索の抗弁、一人に生じた事由の効力、求償権の違いを表で整理。
目次
結論:連帯債務は、性質上可分な債務について、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して負担し、債権者がその一人または全員に、全部または一部の履行を請求できる債務です(民法436条)。連帯保証は、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担する保証で、通常の保証人が持つ催告の抗弁・検索の抗弁を持ちません(446条・454条)。一人に生じた事由の効力も、連帯債務は438条・439条1項・440条の場合を除き、他の連帯債務者に及ばず(441条。債権者と他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、その意思に従う)、保証では、主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新が、保証人にも効力を生じます(457条1項)。求償も、連帯債務は支出した財産の額(共同の免責を得た額が上限)のうち各自の負担部分に応じた額(442条1項)、委託を受けた保証人は支出した財産の額(消滅した主たる債務の額が上限)です(459条1項)。
宅建 令和8年度の試験日:令和8年10月18日(日)13時から15時まで(2時間)。登録講習修了者は13時10分から15時まで(1時間50分)。最終確認日:2026-10-08。出典:不動産適正取引推進機構 令和8年度 宅建試験のスケジュール。
この記事は、e-Gov 法令検索の民法(2026年10月8日時点の現行の版)の436条〜465条の10だけをもとに、宅建(宅地建物取引士資格試験)の権利関係で問われる連帯債務と保証の違いを整理したものです。権利関係の全体像は宅建の権利関係の攻略に、債権が消える原因は宅建の債権の消滅に、抵当権などの担保物権は宅建の抵当権にあります。ここでは、連帯債務と保証を条文の言葉で比べることに絞ります。
連帯債務とは:数人が全部の履行を求められる債務(436条)
数人の債務者がいるとき、別段の意思表示がなければ、各債務者はそれぞれ等しい割合で義務を負います(427条)。これが原則の分割債務です。これに対し、連帯債務は、数人が連帯して債務を負担するものです。
民法436条は、債務の目的がその性質上可分である場合に、法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担するときは、「債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる」と定めています。
連帯債務者の間には「負担部分」があります。債権者に対しては全部の履行を求められうる一方で、連帯債務者どうしの関係は、求償の場面(442条)で、各自の負担部分に応じた額として現れます。
連帯保証とは:保証人が主たる債務者と連帯して負担する保証(446条・454条)
保証人は、「主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う」とされます(446条1項)。保証契約は書面でしなければ効力を生じません(同条2項)。電磁的記録でされたときは、書面によってされたものとみなされます(同条3項)。
通常の保証人には、次の2つの抗弁があります。
| 抗弁 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 催告の抗弁 | 452条 | 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない |
| 検索の抗弁 | 453条 | 催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない |
454条は、連帯保証について、「保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない。」と定めています。連帯保証人は、催告の抗弁も検索の抗弁も使えません。
連帯保証と連帯債務の違い(比較表)
| 項目 | 連帯債務 | 連帯保証 |
|---|---|---|
| 中心の条文 | 436条〜445条 | 446条〜465条の10(連帯保証の特則は454条) |
| どうやって生じるか | 法令の規定又は当事者の意思表示によって数人が連帯して債務を負担する(436条) | 保証契約で、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担する(454条)。保証契約は書面(446条2項) |
| 債権者の請求 | 一人に、又は同時若しくは順次に全員に、全部又は一部(436条) | 保証人は、主たる債務者がその債務を履行しないときに履行する責任を負う(446条1項)。連帯保証人は催告・検索の抗弁を有しない(454条) |
| 一人に生じた事由 | 438条・439条1項・440条の場合を除き、他の連帯債務者に効力を生じない。債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う(441条) | 連帯保証人に生じた事由には、438条・439条1項・440条・441条を準用する(458条)。主たる債務者に生じた事由は457条 |
| 求償 | 各自の負担部分に応じた額(442条) | 委託を受けた保証人は、支出した財産の額(消滅した額が上限)(459条) |
| 数人いるとき | 連帯債務者間の求償・無資力者の分担(442条〜444条) | 456条は、数人の保証人がある場合には、各別の行為により債務を負担したときであっても427条を適用すると定める。連帯保証人が数人いる場合の扱いは、456条の文言には書かれていない論点で、判例の考え方による。保証人間の求償は465条 |
一人に生じた事由は他の人に及ぶか:連帯債務(437条〜441条)
連帯債務者の一人について何かが起きたとき、他の連帯債務者にどう影響するかを、条文は次のように定めています。
| 一人について生じた事由 | 条文 | 他の連帯債務者・債権への影響 |
|---|---|---|
| 法律行為の無効・取消しの原因 | 437条 | 他の連帯債務者の債務は、その効力を妨げられない |
| 更改 | 438条 | 債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する |
| 相殺の援用 | 439条1項 | 債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する |
| 相殺を援用しない間 | 439条2項 | 債権を有する連帯債務者の負担部分の限度で、他の連帯債務者は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる |
| 混同 | 440条 | その連帯債務者は、弁済をしたものとみなす |
| 上記以外の事由 | 441条 | 他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う |
441条の見出しは「相対的効力の原則」です。438条・439条1項・440条の場合が、原則の例外として挙げられています。当サイトの整理では、たとえば債権者が連帯債務者の一人に履行を請求した場合も、履行の請求は438条(更改)・439条1項(相殺の援用)・440条(混同)のどれにもあたらないので、441条本文により、その効力は他の連帯債務者には生じません。ただし、債権者と他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示していたときは、その連帯債務者に対する効力は、その意思に従います(441条ただし書)。
連帯保証・保証で、事由はどう及ぶか(457条・458条)
保証では、「主たる債務者に生じた事由」と「連帯保証人に生じた事由」を分けて読みます。
| 場面 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新 | 457条1項 | 保証人に対しても、その効力を生ずる |
| 主たる債務者が主張できる抗弁 | 457条2項 | 保証人は、その抗弁をもって債権者に対抗することができる |
| 主たる債務者が債権者に対して相殺権・取消権・解除権を有する | 457条3項 | これらの権利の行使によって主たる債務者がその債務を免れるべき限度において、保証人は、債権者に対して債務の履行を拒むことができる |
| 連帯保証人について生じた事由 | 458条 | 438条(更改)、439条1項(相殺の援用)、440条(混同)、441条(相対的効力の原則)を準用する |
457条と458条は、向きが違います。457条は主たる債務者に生じたことが保証人にどう及ぶか、458条は連帯保証人に生じたことが他方にどう及ぶか、という条文です。
求償:連帯債務者の間(442条〜445条)と、保証人から(459条〜465条)
自分の財産で債務を消滅させた人が、他の人に負担を求める権利が求償権です。
| 項目 | 連帯債務者 | 保証人 |
|---|---|---|
| 基本 | 442条1項:共同の免責を得た連帯債務者は、免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、支出した財産の額(共同の免責を得た額が上限)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を持つ | 459条1項:主たる債務者の委託を受けて保証をした保証人が債務の消滅行為をしたときは、支出した財産の額(消滅した額が上限)の求償権を持つ |
| 利息・費用 | 442条2項:弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償を包含する | 459条2項:442条2項を準用する |
| 委託を受けない保証人 | — | 462条1項:459条の2第1項を準用する(主たる債務者がその当時利益を受けた限度で求償権を持つ)。2項:主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度でのみ求償権を持つ。3項:主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をしたときは、459条の2第3項を準用する(弁済期以後でなければ行使できない) |
| 弁済期前の弁済 | — | 459条の2:委託を受けた保証人が主たる債務の弁済期前に債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者が当時利益を受けた限度で求償権を持つ。行使できるのは弁済期以後(同条3項) |
| 事前に通知しなかったとき | 443条1項:他の連帯債務者があることを知りながら、共同の免責を得ることを通知しないで弁済したとき、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもって免責を得た連帯債務者に対抗できる | 463条1項:委託を受けた保証人が、あらかじめ通知しないで債務の消滅行為をしたとき、主たる債務者は、債権者に対抗できた事由をその保証人に対抗できる |
| 資力のない者がいるとき | 444条1項:償還できない部分は、求償者と他の資力のある者の間で、各自の負担部分に応じて分割して負担する。2項:求償者と他の資力のある者がいずれも負担部分を有しない者であるときは、等しい割合で分割して負担する。3項:償還を受けることができないことについて求償者に過失があるときは、他の連帯債務者に分担を請求できない | — |
| 事前の求償 | — | 460条:委託を受けた保証人は、次の場合に、あらかじめ求償権を行使できる。1号 主たる債務者が破産手続開始の決定を受け、かつ、債権者がその破産財団の配当に加入しないとき。2号 債務が弁済期にあるとき(ただし、保証契約の後に債権者が主たる債務者に許与した期限は、保証人に対抗できない)。3号 保証人が過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受けたとき |
作例で確かめる:連帯債務の求償(当サイトの計算)
A・B・Cが3,000万円の連帯債務を負い、負担部分は各1,000万円と定まっているとします(負担部分の割合は、この作例の前提です)。3行目では、Cから償還を受けられないことについて、Aに過失はないものとします(過失があるときは444条3項)。
| 場面 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| Aが3,000万円を全額弁済 | 3,000万円 × 1,000万円 ÷ 3,000万円 = 1,000万円(442条1項) | AはB・Cそれぞれに1,000万円を求償できる |
| Aが600万円だけを弁済して共同の免責を得た | 600万円 × 1,000万円 ÷ 3,000万円 = 200万円(442条1項) | AはB・Cそれぞれに200万円を求償できる |
| Aが3,000万円を弁済し、Cに償還をする資力がない | AがCに求償できるはずの1,000万円を、AとBが負担部分(1,000万円と1,000万円)に応じて分割し、500万円ずつ負担する(444条1項) | BがAに払う額は、1,000万円 + 500万円 = 1,500万円 |
検算します。1行目は、3,000万円を3等分して1,000万円です。2行目は、600万円を3等分して200万円です。3行目は、AがBから受け取る額が1,500万円で、Aの最終的な負担は、3,000万円 − 1,500万円 = 1,500万円です。AとBの負担1,500万円ずつの合計は3,000万円で、弁済額と一致します。
作例:保証人の求償(委託を受けた保証人)
主たる債務者Dの2,000万円の債務を、Dの委託を受けた保証人Gが全額弁済したとします。Gは、Dに対し、支出した財産の額(消滅した額が上限)の求償権を持ちます(459条1項)。この場合の2,000万円は、支出した額と消滅した額が同じです。
この論点の問題を解く
保証だけにある規律:書面・根保証・公正証書・情報提供
保証には、連帯債務にはない規律があります。条文は次のとおりです。
| 規律 | 条文 | 内容 |
|---|---|---|
| 書面 | 446条2項・3項 | 保証契約は、書面でしなければ効力を生じない。電磁的記録は書面とみなす |
| 保証債務の範囲 | 447条1項 | 主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する |
| 主たる債務より重いとき | 448条 | 保証人の負担が債務の目的又は態様において主たる債務より重いときは、主たる債務の限度に減縮する。主たる債務の目的又は態様が保証契約の締結後に加重されても、保証人の負担は加重されない |
| 個人根保証契約 | 465条の2 | 保証人が法人でない根保証契約(一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約)は、極度額を定めなければ、その効力を生じない(2項)。極度額の定めには、446条2項・3項(書面・電磁的記録)を準用する(3項) |
| 事業のための貸金等債務の保証 | 465条の6 | 事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約(または、主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約)は、契約の締結に先立ち、締結の日前1か月以内に作成された公正証書で、保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、効力を生じない。保証人になろうとする者が法人である場合は、適用しない(同条3項) |
| 適用除外 | 465条の9 | 保証人になろうとする者が、主たる債務者が法人である場合のその理事・取締役・執行役やこれらに準ずる者、主たる債務者が法人である場合の総株主の議決権の過半数を有する者など、または、主たる債務者(法人を除く)と共同して事業を行う者や、その事業に現に従事している主たる債務者の配偶者であるときは、465条の6〜465条の8を適用しない(各号の定めによる) |
| 主たる債務の履行状況の情報提供義務 | 458条の2 | 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合に、保証人の請求があったときは、債権者は、遅滞なく、主たる債務の元本と、利息・違約金・損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無、これらの残額、そのうち弁済期が到来しているものの額を情報提供しなければならない |
| 期限の利益の喪失の通知 | 458条の3 | 主たる債務者が期限の利益を喪失したときは、債権者は、保証人に対し、その利益の喪失を知った時から2箇月以内に通知しなければならない。通知しなかったときは、期限の利益を喪失した時から通知を現にするまでに生じた遅延損害金(期限の利益を喪失しなかったとしても生ずべきものを除く)に係る保証債務の履行を請求できない。保証人が法人である場合は、適用しない(同条3項) |
| 契約締結時の情報提供義務 | 465条の10 | 主たる債務者は、事業のために負担する債務を主たる債務とする保証(または、主たる債務の範囲に事業のために負担する債務が含まれる根保証)の委託をするときは、委託を受ける者に、財産及び収支の状況、主たる債務以外の債務の有無・額・履行状況、主たる債務の担保として提供するものの有無・内容を情報提供しなければならない。保証をする者が法人である場合は、適用しない(同条3項) |
465条の10第2項は、主たる債務者が情報を提供せず、または事実と異なる情報を提供したために委託を受けた者が誤認して保証契約の申込み又は承諾をした場合に、債権者がそのことを知り又は知ることができたときは、保証人が保証契約を取り消すことができると定めています。
「不真正連帯債務」という言葉について
「不真正連帯債務」という言葉は、民法の条文には出てきません。この記事で扱った連帯債務は、民法436条〜445条に書かれているものです。連帯債務の効力(437条〜441条)や求償(442条〜445条)は、これらの条文の言葉で読みます。
試験での問われ方:条文の言葉で結論を分ける
試験では、事例の登場人物と事由を条文に当てはめる形で問われます。この論点で整理しておく型は、次のとおりです。
- 連帯債務か連帯保証かで、一人に生じた事由が他の人に及ぶかを分ける(441条/457条・458条)
- 保証人の持つ抗弁(452条・453条・457条)が、連帯保証で使えるかを見る(454条)
- 求償の額を、負担部分に応じた額(442条)か、支出した財産の額(459条)かで計算する
- 保証契約の書面・極度額・公正証書といった、有効になる要件を見る(446条2項・465条の2・465条の6)
間違えやすいポイント
- 連帯保証人は、催告の抗弁も検索の抗弁も使えない(454条)。通常の保証人は使える(452条・453条)
- 保証契約は書面でしなければ効力を生じない(446条2項)。電磁的記録も書面とみなされる(同条3項)
- 連帯債務では、更改・相殺の援用・混同以外の事由は、他の連帯債務者に効力を生じない(441条本文)。債権者と他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、その意思に従う(同条ただし書)
- 連帯債務の相殺は、援用した連帯債務者の債権が、全ての連帯債務者の利益のために消滅する(439条1項)。援用しない間は、負担部分の限度で他の連帯債務者が履行を拒める(同条2項)
- 連帯債務者の求償は、免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらずできる(442条1項)
- 保証人の負担は、主たる債務より重いときは主たる債務の限度に減縮される(448条1項)。主たる債務が後から重くなっても、保証人の負担は重くならない(同条2項)
- 個人根保証契約は、極度額を定めなければ効力を生じない(465条の2第2項)
令和8年度試験の法令基準日と、改正への対応
宅建試験の出題の根拠となる法令は、試験を実施する年度の4月1日現在施行されているものです(不動産適正取引推進機構 宅建試験の概要)。令和8年度試験の基準日は2026年4月1日です。この記事で引用した民法の条文は、2026年4月1日現在の版と、2026年10月8日時点の現行の版とで、同じ内容です。次の年度の試験を受ける場合は、その年度の4月1日現在の条文を、e-Gov 法令検索の民法で確認してください。
当サイトの宅建の問題は、過去の出題論点をもとに作成した論点別問題です。各問に初級・標準・上級の3段階の解説がついています。
まとめ
- 連帯債務は、数人が連帯して債務を負担し、債権者が一人または全員に全部または一部の履行を請求できる(民法436条)。連帯保証は、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担する保証(454条)
- 連帯保証人は、催告の抗弁・検索の抗弁を有しない(454条)。保証契約は書面でしなければ効力を生じない(446条2項)
- 連帯債務者の一人に生じた事由は、438条(更改)・439条1項(相殺の援用)・440条(混同)以外は、他の連帯債務者に効力を生じない(441条。別段の意思表示があるときは、その意思に従う)
- 主たる債務者に生じた時効の完成猶予及び更新は、保証人にも効力を生ずる(457条1項)。連帯保証人に生じた事由には、438条・439条1項・440条・441条を準用する(458条)
- 求償は、連帯債務者は各自の負担部分に応じた額(442条1項)、委託を受けた保証人は支出した財産の額(消滅した額が上限)(459条1項)
- 個人根保証契約は極度額を定めなければ効力を生じず(465条の2第2項)、事業のための貸金等債務の保証は公正証書が要る(465条の6。保証人になろうとする者が法人である場合と、465条の9の場合を除く)
本サイトは一般財団法人 不動産適正取引推進機構とは関係ありません。掲載している問題は、機構が公表する出題範囲を参照して合格ナビが作成した論点別問題です。条文は e-Gov 法令検索の民法の現行の条文にもとづきます。日程などは、必ず機構の公式発表で確認してください。
よくある質問
Q連帯保証人は、債権者に「まず主たる債務者に請求して」と言えますか?
言えません。民法452条の催告の抗弁と453条の検索の抗弁は、通常の保証人が持つ権利です。454条は、保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条(452条・453条)の権利を有しないと定めています。
Q保証契約は、口約束でも有効ですか?
有効になりません。民法446条2項は、保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じないと定めています。保証契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によってされたものとみなして、2項が適用されます(同条3項)。
Q連帯債務者の一人に履行を請求すると、他の連帯債務者にも効力が及びますか?
原則として及びません。民法441条は、438条(更改)、439条1項(相殺の援用)、440条(混同)に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じないと定めています(相対的効力の原則)。ただし書で、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従います。
Q連帯債務者の一人が全額を払ったら、他の連帯債務者に何を請求できますか?
民法442条1項は、共同の免責を得た連帯債務者は、その免責を得た額が自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、他の連帯債務者に対し、免責を得るために支出した財産の額(共同の免責を得た額が上限)のうち各自の負担部分に応じた額の求償権を持つと定めています。なお、他の連帯債務者があることを知りながら、共同の免責を得ることを他の連帯債務者に通知しないで弁済したときは、443条1項で、他の連帯債務者は、債権者に対抗することができる事由を有していたときは、その負担部分について、その事由をもって免責を得た連帯債務者に対抗できます。
Q主たる債務者に対する履行の請求などで時効の完成猶予や更新が生じたとき、保証人はどうなりますか?
民法457条1項は、主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の完成猶予及び更新は、保証人に対しても、その効力を生ずると定めています。同条2項は、保証人は、主たる債務者が主張することができる抗弁をもって債権者に対抗することができるとも定めています。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月8日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

