宅建士証の交付申請を、宅建業法22条の2・22条の3と施行規則14条の10・14条の13・14条の16、東京都・大阪府の公表ページで整理。法定講習が必要な人(合格から1年を超える場合と更新)、写真の規格、手数料、有効期間5年、氏名・住所が変わったときの書換え、再交付までを確認できます。
目次
結論:宅建士証は、登録を受けた人が、登録をしている都道府県知事に交付を申請して受け取ります(宅建業法22条の2第1項)。申請前6月以内に知事指定の講習(法定講習)を受ける必要があるのは、合格から1年を超えて交付を受けようとする人と、有効期間の更新を受けようとする人です(22条の2第2項・22条の3第2項)。有効期間は5年で、氏名や住所が変わったときは変更の登録と合わせて書換え交付を申請します(施行規則14条の13)。手数料・講習の費用・申込みの窓口は都道府県ごとに違います。
この記事は、宅建業法(e-Gov法令検索)と同法施行規則(e-Gov法令検索)の2026-04-01施行の現行条文、地方公共団体の手数料の標準に関する政令、国土交通省の宅地建物取引士の登録について、例として東京都・大阪府の公表ページをもとに、宅建士証の手続きを整理したものです。宅建士証の前段にあたる資格登録の要件・必要書類・手数料は宅建士の登録申請で扱うので、ここでは登録が済んだあとの手続きに絞ります。合格後の全体の流れは宅建の合格後の流れにあります。本サイトは国土交通省・各都道府県とは関係がありません。
宅建士証とは:登録とは別の手続き
宅建業法2条4号は、宅地建物取引士を「第二十二条の二第一項の宅地建物取引士証の交付を受けた者」と定義しています。登録(18条)をしただけの人は、まだこの定義に当たりません。
宅建士証の交付は、登録を受けている人が「申請することができる」手続きです(22条の2第1項)。申請は登録をしている都道府県知事に行い、登録が完了していることが前提です。東京都の案内は、取引士として宅建業に従事しない方は交付を受けなくてもよく、交付を受けなくても登録が無効になることはないとしています(2026-10-12 時点)。
宅建士証に記載される事項は施行規則14条の11が決めています。氏名・生年月日・住所、登録番号と登録年月日、交付年月日、有効期間の満了する日です。
交付申請の2つのルート:合格から1年以内か、1年を超えているか
宅建士証の交付を受けるまでの道筋は、法定講習が必要かどうかで2つに分かれます。
| 項目 | 合格から1年以内に交付を受ける | 合格から1年を超えて交付を受ける |
|---|---|---|
| 法定講習 | 不要(22条の2第2項ただし書) | 必要(申請前6月以内の知事指定の講習) |
| 申請書の記載 | 試験に合格した後1年を経過しているか否かの別を記載(施行規則14条の10第1項4号) | 同左 |
| 窓口 | 都道府県が案内。東京都は窓口・郵送・電子申請 | 都道府県が案内。東京都は知事が指定した講習の実施団体に、受講申込みと一体で手続き |
どちらのルートでも、先に登録が完了している必要があります。東京都は、法定講習の申込みは登録が完了している人に限ると案内しています(2026-10-12 時点)。
条文の「試験に合格した日から一年以内」の期限日を、実際に何月何日とみるかは、都道府県の案内で確認します。東京都は、法定講習を免除されて交付申請をする場合の期限を、合格した年度ごとにページで案内しています。
東京都の交付申請期限の例:東京都のページには、令和7年10月19日実施試験の合格者が法定講習免除で宅建士証の交付を申請する場合の期限として、窓口は令和8年11月26日(木)17時まで、郵送・電子申請は令和8年11月13日(金)必着までと書かれている。令和8年度試験の合格者向けの期限の記載はありません(2026-10-12 時点)。最終確認日:2026-10-12。出典:東京都住宅政策本部 宅地建物取引士証の交付申請(手続き等)・東京都住宅政策本部 登録申請 提出書類と持参するもの。
期限を過ぎると法定講習が必要になるため、働く予定のある人は、合格した都道府県が公表する期限日を確認して逆算します。
法定講習:誰が受けるのか
法定講習は、宅建業法22条の2第2項に基づく、登録をしている都道府県知事が指定する講習です。受講が必要な人を、東京都の案内に沿って整理します。
- 宅建試験の合格後1年を経過してから交付を受ける人
- 宅建士証の有効期間を更新したい人(22条の3第2項が22条の2第2項本文を更新に準用)
- 有効期間が切れた宅建士証をもつ人が、改めて交付を受ける人
東京都は、この3つのどれかに当たる人が法定講習を受講しなければならないとし、いずれの場合も宅建業に従事しなければ宅建士証の交付を受ける必要はないとしています。
講習を行う団体の基準は施行規則14条の17にあります。一般社団法人または一般財団法人で、講習を行うのに必要かつ適切な組織及び能力を有すると都道府県知事が認める者が実施する講習か、都道府県知事が自ら実施する講習です。受講を正当な理由なく制限しないこと、国土交通大臣が定める実施要領に従うことも基準です。どの団体が実施しているかは都道府県が案内します。
申込みの窓口は都道府県で違います。東京都は、知事が指定した複数の法定講習実施団体への直接の申込みを案内しています。大阪府は、宅建士証の交付申請と法定講習の申込みを、登録完了後に一般財団法人大阪府宅地建物取引士センターで行うよう案内しています(大阪府 宅地建物取引士の新規登録申請について・2026-10-12 時点)。
東京都の法定講習の費用の例:現金16,500円(内訳:受講料12,000円、取引士証交付申請手数料4,500円。収入証紙ではない)。申込みは先着順で、定員になり次第締め切り。講習団体によって提出する書類に若干の相違がある。最終確認日:2026-10-12。出典:東京都住宅政策本部 宅地建物取引士 法定講習について(ページの最終更新日は令和7年5月2日)。
東京都は、講習日程や受付場所は申込みの際に各講習団体へ確認するよう案内しています。この記事では、東京都のページに書かれた例を示すだけで、他の都道府県の金額は示しません。
写真:規格は施行規則14条の10
交付申請書に添える写真の規格は、施行規則14条の10第1項に書かれています。
宅建士証用写真の規格:交付の申請前6月以内に撮影した、無帽、正面、上三分身、無背景の、縦3センチメートル、横2.4センチメートルの写真で、その裏面に氏名及び撮影年月日を記入したもの。最終確認日:2026-10-12。出典:e-Gov法令検索 宅地建物取引業法施行規則 14条の10第1項。
細かい扱いは、都道府県と手続きの種類で違います。
- 東京都の交付申請(合格から1年以内)は、写真1枚を交付申請書に貼り、申請書に貼った写真をデータ化して宅建士証に使うと案内しています。郵送で申請する場合の項目には、服装や髪型を理由にした再作成は受け付けない旨も書かれています。
- 東京都の法定講習の申込みは、同一の写真3枚(交付申請書用、取引士証用、受講会場用)を求めています。
- 大阪府の書換え交付申請は、顔写真2枚を求めています。
写真の枚数や裏面の記入は、申請する場所の最新の案内に従います。
手数料:標準額と都道府県の案内
宅建士証の手数料は、宅建業法や施行令には書かれていません(2026-10-12 時点)。登録の手数料と同じく、地方公共団体の手数料の標準に関する政令が標準事務として金額を示し、実際の金額は各都道府県が定めます。
宅建士証の手数料の標準額:宅建士証の交付の申請に対する審査は4,500円、宅建士証の有効期間の更新の申請に対する審査も4,500円(地方公共団体の手数料の標準に関する政令に示された標準額。実際の手数料は各都道府県が条例で定める)。東京都の交付申請ページ、大阪府の書換え交付の案内も4,500円。最終確認日:2026-10-12。出典:e-Gov法令検索 地方公共団体の手数料の標準に関する政令・東京都住宅政策本部 宅地建物取引士証の交付申請(手続き等)・大阪府 宅地建物取引士証の書換え。
標準政令には、変更の登録の手数料の項目がありません(2026-10-12 時点)。変更登録の手数料は、都道府県の案内で確認します。
有効期間は5年:更新の手続き
宅建士証の有効期間は5年です(22条の2第3項)。有効期間は申請により更新され(22条の3第1項)、更新後の有効期間も5年です(同条2項が22条の2第3項を準用)。
更新の申請は、新たな宅建士証の交付を申請する形で行い、今の宅建士証と引換えに新しいものが交付されます(施行規則14条の16)。申請書や写真は、最初の交付と同じ施行規則14条の10の規定が準用されます。
東京都は、有効期間満了の案内を都からは出さないので、各自が有効期間を管理して講習を申し込むよう案内しています。有効期間が過ぎた宅建士証は、宅建業法22条の2第6項に基づき速やかに返納します。返納先は、交付を受けた都道府県知事です。大阪府の案内では、失効しても登録はなくならず、必要になったとき新たに交付を受けることができます。
登録の移転があった場合の宅建士証の扱い(22条の2第4項・5項)は、宅建の合格後の流れで整理しています。
住所・氏名が変わったとき:変更の登録と書換え交付
宅建士証に載る氏名・住所が変わったときは、2つの手続きが連動します。
| 手続き | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 変更の登録 | 登録を受けている事項に変更があったとき、遅滞なく申請する | 宅建業法20条・施行規則14条の7 |
| 宅建士証の書換え交付 | 氏名または住所を変更したとき、変更の登録とあわせて申請する | 施行規則14条の13第1項 |
書換え交付の扱いは、氏名の変更と住所のみの変更で違います(施行規則14条の13第2項・3項)。
- 氏名の変更を含む場合は、宅建士証用写真を添えた書換え交付申請書を出し、今の宅建士証と引換えに新しい宅建士証が交付されます。
- 住所のみの変更の場合は、写真の添付は不要で、今の宅建士証の裏面に変更後の住所を記載することで代えることができます。
大阪府の案内も同じ区分です。氏名変更の場合は、変更登録の申請をしたあとで書換え交付を申請し(申請先は一般財団法人大阪府宅地建物取引士センター)、住所のみの変更は変更登録の際に取引士証の裏書をするため、書換え交付の申請は不要としています。
大阪府の書換え交付申請の例:氏名変更の書換え交付の申請には、顔写真2枚(3cm×2.4cm、6か月以内撮影)、現在の取引士証、手数料4,500円が必要。変更登録の申請には、氏名の変更が確認できる戸籍抄本(原本)が必要。最終確認日:2026-10-12。出典:大阪府 宅地建物取引士証の書換え(ページの更新日は2024年5月24日)。
東京都の変更登録のページは、勤務先の宅建業者が専任の宅建士の就任・退任に伴って出す変更届は、宅建業者としての届出であり、それによって宅建士個人の登録簿の内容が自動的に変わることはないと注意しています。勤務先が出す届出と、自分で出す変更の登録は別です。
都道府県によって違うこと:カードの形状と申請方法
宅建士証の形状や申請方法は、都道府県が決めている部分があります。
東京都の宅建士証の形状:東京都が発行する取引士証は、令和7年9月1日以降、プラスチックカードになった。現在有効な宅建士証をプラスチックカードに変更したい場合は、発行手数料4,500円で再発行を受け付け、現在の宅建士証の返納が必要。最終確認日:2026-10-12。出典:東京都住宅政策本部 宅地建物取引士証の交付申請。
ほかにも、電子申請の対象(東京都は、法定講習の受講が必要な交付申請は電子申請の対象外としています)、窓口の混雑、書類の返送方法などは、都道府県ごとに違います。登録している都道府県のページを、手続きの前に必ず確認してください。
まとめ:宅建士証の手続きの順番
- 宅建士証の交付は、登録が済んでから、登録をしている都道府県知事に申請する(宅建業法22条の2第1項)
- 法定講習が必要なのは、合格から1年を超えて交付を受ける人と、有効期間の更新を受ける人。合格から1年以内なら不要
- 写真は、申請前6月以内に撮影した縦3cm×横2.4cmなどの規格(施行規則14条の10)。枚数は手続きと都道府県で違う
- 有効期間は5年。更新は新たな宅建士証の交付申請で、今のものと引換え(施行規則14条の16)
- 氏名・住所が変わったら、変更の登録と書換え交付。住所のみなら写真は不要で、裏面の記載で代えられる場合がある(施行規則14条の13)
- 手数料の標準額は4,500円だが、講習費用・日程・窓口は都道府県と実施団体の案内で確認する
登録の要件と書類は宅建士の登録申請で確認できます。受験の前に受ける5問免除の登録講習との違いは宅建の登録講習に、全体の流れは宅建士になるには(流れと費用)にまとめています。
当サイトの宅建の問題は、過去の出題論点をもとに作成した論点別問題です。各問に初級・標準・上級の3段階の解説がついています。
本サイトは国土交通省・各都道府県とは関係ありません。宅建士証の交付・更新・書換えの手続き、法定講習の費用と日程は、必ず登録している都道府県の公表ページと、講習の実施団体の案内で確認してください。
よくある質問
Q法定講習は、合格から1年を超えたら必ず受けなければなりませんか?
宅建士証の交付を受けようとするときは、受けなければなりません。宅建業法22条の2第2項は、宅建士証の交付を受けようとする者は、登録をしている都道府県知事が指定する講習で交付の申請前6月以内に行われるものを受講しなければならないと定め、ただし書で、試験に合格した日から1年以内に交付を受けようとする者は除いています。宅建士証の交付を申請しない人には、この講習の受講義務は生じません。東京都も、宅建業に従事しなければ取引士証の交付を受ける必要はないとしています(2026-10-12 時点)。
Q宅建士証の有効期間が切れると、登録も消えますか?
消えません。登録の消除の事由を定める宅建業法22条と68条の2には、宅建士証の有効期間の満了は挙がっていません。大阪府の案内も、取引士証は失効しても「登録は無くなりません」ので、必要になったとき新たに交付を受けられるとしています。ただし、失効した宅建士証は速やかに返納する義務があります(宅建業法22条の2第6項)。東京都も、失効した取引士証は速やかに返すよう求め、改めて取引士証が必要になったときは法定講習を申し込んで受講するよう案内しています(2026-10-12 時点)。
Q宅建士証をなくしたり汚したりしたときは、どうしますか?
施行規則14条の15により、亡失、滅失、汚損、破損などの事由で、交付を受けた都道府県知事に再交付を申請できます。再交付申請書には宅建士証用写真を添付し、都道府県が条例で手数料を定めているときは、その手数料を納めます。汚損や破損の場合は、今の宅建士証と引換えに新しいものが交付され、亡失後に再交付を受けた人が元の宅建士証を見つけたときは、速やかに返納します。
Q更新の講習は、有効期間のいつから受けられますか?
法律は、交付の申請前6月以内に行われる知事指定の講習の受講を求めています(宅建業法22条の2第2項。更新には22条の3第2項で準用)。東京都は、更新を希望する人は有効期間満了前6か月以内に法定講習を申し込み、受講するよう案内し、有効期間満了の案内は東京都からは出さないので各自で管理するよう求めています(2026-10-12 時点)。他の都道府県の取扱いは、登録している都道府県の案内で確認します。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月12日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

