電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和4年度下期 理論 問14|電磁気・回路理論

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

データ変換に関する記述として,誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

アナログ信号をディジタル信号に変える手順(標本化・量子化・符号化)と,ディジタルオシロスコープの仕組みを問う問題です(令和4年度下期 問14)。

誤っているのは(5)です。ディジタルオシロスコープは,電圧をA-D変換して得た「時刻ごとの電圧の値」をそのまま時間軸に沿って並べて波形を表示します。FFT(高速フーリエ変換)は信号を周波数成分に分解する計算で,その結果は周波数スペクトルになり,時間の波形にはなりません。

(1)〜(4)はA-D変換とディジタル伝送の性質として正しい内容です。正答は(5)です。

アナログ信号をディジタル化する手順は,標本化→量子化→符号化です。

【(1) 正しい】

標本化定理により,最高周波数f_maxの信号を忠実に再現するには,2f_maxより高い周波数で標本化する必要があります。標本化周期でいえば 1/(2f_max) より短くする必要があり,周期の上限は最高周波数で決まります。

【(2) 正しい】

量子化では,連続した値を決められた段階の値に丸めるため,もとの値との差(量子化誤差)が一般に生じます。

【(3) 正しい】

符号化では,量子化した値を2進数などの符号に置き換えてディジタル信号にします。

【(4) 正しい】

ディジタル信号は「0か1か」を判定できればよいので,伝送中に多少の雑音や減衰があっても,しきい値で判定して元の符号を復元できます。アナログ信号は雑音がそのまま信号に加わってしまいます。

【(5) 誤り】

ディジタルオシロスコープは,入力電圧を一定の時間間隔でA-D変換してメモリに記録し,その値を時間順に画面に描いて波形を表示します。FFT演算は時間波形を周波数成分に分解する処理で,FFT機能付きの機種でも,それは周波数スペクトルを表示するための付加機能です。電圧の時間変化を表示するためにFFTを行うわけではありません。

正答は(5)です。

【A-D変換の三段階】

①標本化(サンプリング):時間的に連続した信号から,一定周期ごとの値を取り出します。

②量子化:取り出した値を,有限の段階(nビットなら2ⁿ段階)のどれかに丸めます。段階の幅をΔとすると,四捨五入で丸めた場合の誤差は最大±Δ/2で,ビット数を1増やすごとに誤差は半分になります。

③符号化:丸めた値を2進数などの符号列に置き換えます。

(1)は①,(2)は②,(3)は③の性質を述べた記述です。

【標本化定理と折り返し】

標本化周波数f_sが信号の最高周波数の2倍以下だと,高い周波数成分が低い周波数の成分と区別できなくなります(エイリアシング,折り返しひずみ)。f_s/2をナイキスト周波数といい,実際の装置ではA-D変換の前に低域通過フィルタでf_s/2以上の成分を除いてから標本化します。(1)の「周期の上限は最高周波数により決まる」はこの関係を述べています。

【ディジタルの耐雑音性】

(4)のディジタル伝送では,受信側で信号を「0か1か」に判定し直すので,雑音が判定のしきい値を超えない限り誤りは生じません。中継のたびに波形を整え直せるので,長距離でも雑音が累積しにくいことが利点です。さらに誤り検出・訂正符号を加えると,多少の誤りも修正できます。

【(5)の誤りの作られ方】

FFTは,時間領域で標本化した有限個のデータを周波数領域に変換する計算(離散フーリエ変換)を高速に行う方法です。ディジタルオシロスコープにはFFT機能が付いている機種が多いため,「波形表示にもFFTを使う」と混同させる記述になっています。時間波形を表示するときは,A-D変換したデータを時間軸上に並べて描画するだけで,周波数への変換は行いません。周波数成分を見たいときにFFT機能やスペクトラムアナライザを使う,と区別して覚えます。

【関連する出題パターン】

・標本化周波数と再現できる最高周波数の関係を問う問題

・量子化ビット数と分解能(2ⁿ段階)を計算する問題

・アナログ計器とディジタル計器の測定原理の違いを問う問題

いずれも「標本化・量子化・符号化」の各段階が何をしているかを押さえれば判断できます。

この問題の根拠出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。