電験三種
法令の確認日 2026年9月13日e-Govと照合済み

電験三種 令和4年度下期 理論 問12|電磁気学(磁気回路)

問題

電験三種 | 理論 | 令和8年度(2026年度)試験対応・数値確認日 2026-10-29

図のように,z軸の正の向きに磁束密度B=1.0×10⁻³Tの平等磁界が存在する真空の空間において,電気量e=-4.0×10⁻⁶Cの荷電粒子がyz平面上をy軸から60°の角度で①又は②の向きに速さv[m/s]で発射された。この瞬間,荷電粒子に働くローレンツ力Fの大きさは1.0×10⁻⁸N,その向きはx軸の正の向きであった。荷電粒子の速さvに最も近い値[m/s]とその向きの組合せとして,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。 ただし,重力の影響は無視できるものとする。図中の⊙は,紙面に対して垂直かつ手前の向きを表す。 (図:右向きにy軸,上向きにz軸,x軸は紙面に垂直で手前向き(⊙)。磁束密度B[T]は上向き(z軸の正の向き)。荷電粒子e[C]はyz平面内でy軸から60°傾いた直線上にあり,①は右上向き(原点から遠ざかる向き),②は左下向き(原点に近づく向き)。)

問題の図(出典: 令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論 問12/電気技術者試験センター)

図の出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論 問12

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答え合わせ

正解は 5
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  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

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解説

磁界中を動く荷電粒子が受けるローレンツ力から,速さと向きを求める問題です(令和4年度下期 問12)。

ローレンツ力の大きさは F=|e|vB sinθ で,θは速度と磁界の間の角度です。磁界はz軸方向,速度はy軸から60°なので,z軸とのなす角は30°です。

v=F/(|e|B sin30°)=1.0×10⁻⁸/(4.0×10⁻⁶×1.0×10⁻³×0.5)=5.0m/s

向きは,負の電荷なので正の電荷の場合と逆向きの力を受けます。力がx軸の正の向きになるのは②の向きに発射したときです。正答は(5)です。

【速さv】

ローレンツ力の大きさは F=|e|vB sinθ(θは速度と磁束密度のなす角)です。

速度はyz平面内でy軸から60°なので,z軸(磁界の向き)とのなす角は 90°-60°=30° です。

v=F/(|e|B sin30°)

=1.0×10⁻⁸/(4.0×10⁻⁶×1.0×10⁻³×0.5)

=1.0×10⁻⁸/(2.0×10⁻⁹)=5.0m/s

【向き】

力は F=e(v×B) で表されます。①の向きの速度をy成分とz成分に分けると,z成分は磁界と平行なので力を生じません。y成分(y軸の正の向き)と磁界(z軸の正の向き)について,正の電荷なら v×B の向きは ŷ×ẑ=x̂ で,x軸の正の向きです。この粒子は e<0 なので,①の向きでは力はx軸の負の向きになります。

②の向きは①の逆なので,速度のy成分がy軸の負の向きになり,力はx軸の正の向きになります。問題の条件(力がx軸の正の向き)に合うのは②です。

【誤りの選択肢】

2.9m/s は角度を60°として sin60° を使った値(1.0×10⁻⁸/(4.0×10⁻⁹×0.866)≒2.9),2.5m/s は sinθ を掛けずに直交として計算した値です。①は電荷が負であることを考えずに向きを決めた場合です。

正答は(5)です。

【角度の取り違えに注意】

ローレンツ力の式 F=qvB sinθ の θ は「速度と磁界のなす角」です。図に書かれている60°はy軸からの角度なので,そのまま使うと(2)(4)の2.9m/sになります。磁界と平行な速度成分(v cosθ)は力を生まず,垂直な成分(v sinθ)だけが力を生むと考えると,どの角度を使うべきかがはっきりします。本問では垂直成分は v sin30°=0.5v です。sinθ を掛けないと v=F/(|e|B)=2.5m/s となり(1)の値になります。

【向きの判定の方法】

フレミングの左手の法則は電流の向きで考えるので,負の電荷では「電流の向き=運動の逆向き」として当てはめます。②の向きに運動する負電荷は,①の向き(右上)に流れる電流と同じです。その垂直成分はy軸の正の向き(右向き)で,磁界は上向きなので,中指を右,人差し指を上に向けると親指は紙面の手前(x軸の正の向き)を指します。これは問題の条件と一致します。

ベクトルで書くと,②の速度は v(0, -cos60°, -sin60°),B=(0, 0, B) なので

v×B=(-vB cos60°, 0, 0)

e<0 を掛けると F=(|e|vB cos60°, 0, 0) で,x軸の正の向き,大きさ |e|vB cos60°=|e|vB sin30° です。

【その後の運動】

磁界と垂直な速度成分は円運動を,平行な成分は等速直線運動を続けるので,粒子はz軸方向に軸をもつらせん運動をします。円運動の半径は r=mv⊥/(|e|B) です。ローレンツ力は常に速度と垂直なので仕事をせず,速さは変わりません。

【関連する出題パターン】

・磁界中の荷電粒子の円運動の半径や周期を求める問題

・電界と磁界が同時にある空間で粒子が直進する条件(E=vB)を問う問題

・電子の運動の向きと力の向きを図から選ぶ問題

いずれも,負電荷では力の向きが逆になることと,sinθ のθが磁界とのなす角であることがポイントです。

この問題の根拠出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター)
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は電気技術者試験センター公表の過去問題を出典明記の上で引用しています。同センターは公式サイトの「よくあるご質問」で、教育目的など試験制度の意義に反しない限り、公表された過去問題を問題集やテキストに使用する際の許諾および使用料は不要としています。 根拠・出典:出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論(一般財団法人 電気技術者試験センター) 各根拠条文・規定は「e-Gov法令検索」(https://elaws.e-gov.go.jp/)で原文を確認できます。令和8年度(2026年度)試験基準日時点で施行されている法令・基準の数値を反映(数値確認日 2026-10-29)。

本問・解説は試験対策のための学習コンテンツです。法令・基準は改正されることがあるため、最新の内容は一般財団法人 電気技術者試験センター・経済産業省の公式情報をご確認ください。本サイトは電気技術者試験センターと一切関係ありません。

執筆・監修:合格ナビ運営事務局(運営者情報)。電気事業法・電気工事士法・電気用品安全法・電気設備技術基準・内線規程の根拠条文に基づき、段差のある3段階の解説(初心者・標準・上級)を作成しています。