第二種電工

職業訓練で電気工事士になれる?ハロートレーニングと養成施設の違い免状までの流れ

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

職業訓練(ハロートレーニング)を受けても電気工事士の免状は自動では交付されません。免状の3つの取得ルート(法4条4項)、指定養成施設の課程(施行規則3条)、ポリテクセンターの訓練の位置づけ、訓練後から免状交付までの流れを公的資料で整理します。

目次
  1. ハロートレーニング(公共職業訓練・求職者支援訓練)とは
  2. 免状の取得ルートは3つ(電気工事士法4条4項)
  3. 指定養成施設を卒業すると何が得られるか
  4. 社会人が学ぶ場所を選ぶときの事実
  5. ポリテクセンターの訓練の位置づけと選考
  6. 訓練後から免状交付までの流れ
  7. 免状を受けたあとに確認すること
  8. まとめ
結論:職業訓練(ハロートレーニング)を受けても、電気工事士の免状は自動では交付されません。第二種電気工事士免状の取得ルートは、電気工事士法4条4項で、試験合格・経済産業大臣が指定する養成施設の課程修了・都道府県知事の認定の3つです。ハロートレーニングは「しごとをお探しの方を対象とした無料の職業訓練制度」で、免状の取得ルートとは別の制度です。訓練で学んだうえで、電気技術者試験センターの試験を受けるのが基本の道筋になります。
比べる点試験に合格するルート指定養成施設を修了するルートハロートレーニング(職業訓練)
根拠電気工事士法4条4項1号同項2号厚生労働省の制度(雇用保険・求職者支援)
免状が出る条件第二種電気工事士試験に合格経済産業大臣が指定する養成施設で所定の課程を修了訓練の修了だけでは要件にならない
受けられる人制限や条件なし(受験案内)施設ごとの募集案内で確認ハローワークの受講あっせんが必要
費用受験手数料など(受験案内で確認)施設ごとの募集案内で確認受講料は原則無料・テキスト代は自己負担

合格ナビの第二種電気工事士の問題382問のうち、「養成施設」「職業訓練」「ポリテク」を問題文か選択肢に含む問題は0問です(2026-10-04 集計)。訓練や養成施設の制度そのものは試験に出ません。一方、「電気工事士法」を含む問題は13問あり、免状と従事範囲の考え方は出題されます。

条文は e-Gov 法令検索で確認(2026-10-04 時点の現行条文):電気工事士法・電気工事士法施行令・電気工事士法施行規則。

ハロートレーニング(公共職業訓練・求職者支援訓練)とは

厚生労働省のハロトレ特設サイトは、ハロートレーニングを次のように説明しています(ハロートレーニングについて知る)。

「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)は、しごとをお探しの方を対象とした「無料※の職業訓練制度」です。」(※テキスト代は自己負担)
種類主な対象(厚生労働省の案内)補足
公共職業訓練(離職者訓練)主に雇用保険を受給している求職者就職に必要な職業スキルや知識を習得する訓練
求職者支援訓練主に雇用保険を受給できない求職者民間教育訓練機関が厚生労働大臣の認定を受けて実施(JEED)

受講には、訓練の必要性をハローワークが認めて出す「受講あっせん」が必要です。厚生労働省の案内する手順は、①ハローワークで求職申込み・職業相談、②訓練の受講申込み、③面接・筆記試験等を受験、④合格したら受講あっせん、の順です。

ハロートレーニングの受講料:原則無料。テキスト代は自己負担。最終確認日:2026-10-04。出典:厚生労働省 ハロトレ特設サイト。

求職者支援訓練を受けるときに支給される給付金の要件や金額は、年度や本人の状況で変わるため、この記事では扱いません。住所地を管轄するハローワークで確認してください(JEEDも同じ案内をしています)。

免状の取得ルートは3つ(電気工事士法4条4項)

第二種電気工事士免状の交付要件は、電気工事士法4条4項が次のように定めています。

「第二種電気工事士免状は、次の各号の一に該当する者でなければ、その交付を受けることができない。一 第二種電気工事士試験に合格した者/二 経済産業大臣が指定する養成施設において、経済産業省令で定める第二種電気工事士たるに必要な知識及び技能に関する課程を修了した者/三 経済産業省令で定めるところにより、前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有していると都道府県知事が認定した者」

ここで押さえるのは2点です。

  • 免状を交付するのは都道府県知事です(法4条2項)。試験センターが交付するのは合格の結果で、免状ではありません
  • 条文に「職業訓練を修了した者」という要件はありません。2号に当たるのは、「経済産業大臣が指定する養成施設」で省令の課程を修了した場合です

つまり、受けた訓練が2号の指定養成施設の課程に当たるのか、それとも訓練で学んだうえで1号の試験に合格する道なのかを、訓練コースを選ぶ前に確認しておく必要があります。

指定養成施設を卒業すると何が得られるか

2号の指定養成施設を修了した人は、試験に合格しなくても第二種電気工事士免状の交付を受けられます(法4条4項2号)。養成施設の指定は、設置者が経済産業大臣に申請して受けます。申請は施設の所在地を管轄する産業保安監督部長を経由して行います(施行規則3条の2)。

課程の中身は、施行規則3条の表で決まっています。科目と時間数は次のとおりです。

科目時間数
電気に関する基礎理論100
配電理論及び配線設計30
電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具90
電気工事の施工方法70
一般用電気工作物等の検査方法15
配線図50
一般用電気工作物等の保安に関する法令50
実習570
合計975

出典:電気工事士法施行規則 3条。時間数は条文の漢数字を算用数字に直したもので、合計はその足し算です(100+30+90+70+15+50+50+570=975)。実習の570時間には、電線の接続、配線工事、電気機器及び配線器具の設置、接地工事、電流・電圧・電力・電気抵抗の測定、一般用電気工作物等の検査、故障箇所の修理などが含まれます。

どの施設が指定を受けているかの一覧は、この記事では示しません。経済産業省・各地域の産業保安監督部で確認してください。

社会人が学ぶ場所を選ぶときの事実

学ぶ場所を選ぶ前に、次の4点を押さえておくと迷いが減ります。

ポリテクセンターの訓練の位置づけと選考

高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)は、ポリテクセンターの訓練を次のように案内しています。

項目JEEDの案内出典
訓練の期間標準6か月(ものづくり分野)離職者訓練TOP
受講対象再就職を希望する離職者。年齢・性別・経験などは問わない離職者訓練ってなに?
受講の手続きハローワークの受講あっせんが必要同上
電気分野のコース例電気設備技術科(電気工事の施工方法や電気設備の知識などを習得)どんな訓練コースがあるの?
コースの設定地域のニーズに沿って設定しており、ポリテクセンターによって異なる同上
ポリテクセンターの訓練のテキスト代:概ね3,000円から30,000円程度で、受講コースごとに異なる。受講料は無料。最終確認日:2026-10-04。出典:JEED 離職者訓練ってなに?。

JEEDの電気設備技術科の紹介は「電気工事の施工方法や電気設備の知識などを習得できます」というもので、この訓練を修了すれば免状が交付されるとは書かれていません。したがって、訓練を免状の取得ルートと混同せず、「電気の基礎や工事の実技を学ぶ場」として位置づけ、免状は試験(1号)か、指定養成施設の課程修了(2号)で取る、と整理するのが正確です。

難易の見方についても、国の案内にある範囲を書きます。国の案内で分かるのは「受講までに面接・筆記試験等の選考がある」ことまでで、合格基準や倍率は公開ページに記載がありません。選考の内容は、希望するコースの募集案内とハローワークの窓口で確認してください。

求職者支援訓練にも、電気関連分野があります。JEEDは、この分野で想定する職業として「電気機械組立工」「電気機器具修理工」「電気配線工事作業員」などを挙げています(求職者支援訓練)。訓練期間は、基礎コースが2〜4か月、実践コースが2〜6か月です。

求職者支援訓練の期間:基礎コース2〜4か月、実践コース2〜6か月。最終確認日:2026-10-04。出典:JEED 求職者支援訓練。

開講中のコースは、地域と年度で変わります。実際の募集は、ハロートレーニングコース情報検索(厚生労働省)と、住所地のハローワークで確認してください。

訓練後から免状交付までの流れ

順番やること根拠・出典
①訓練コースの内容と、指定養成施設の課程かどうかを確認する法4条4項2号、施行規則3条の2
②(試験ルート)学科試験・技能試験を受ける電気技術者試験センターの受験案内
③(試験ルート)合格したら、住所地の都道府県知事へ免状の交付を申請する法4条4項1号、施行規則6条1項
③'(養成施設ルート)課程の修了を証明する書類と写真を添えて、住所地の都道府県知事へ申請する法4条4項2号、施行規則6条1項
④免状の交付を受ける。ここから作業に従事できる法3条2項

養成施設ルートの申請書類は、施行規則6条1項が「同条第四項各号の一に該当する者であることを証明する書類及び写真」と定めています。どちらのルートでも、免状の申請先は住所地を管轄する都道府県知事です(同項1号)。

第二種電気工事士免状の交付手数料の例:大阪府は5,300円。最終確認日:2026-10-04。出典:大阪府 産業保安行政事務手数料。手数料は都道府県の条例で定める額のため、住所地の案内で確認してください。

免状を受けるまでは、電気工事の作業に従事できません(法3条2項)。申請の期限や必要書類は、住所地の都道府県の案内で確認します。合格後の手続きは第二種電気工事士に合格したら、免状の申請先は電気工事士の合格発表と免状申請で整理しています。

免状を受けたあとに確認すること

免状の種類で、従事できる作業が決まります。第二種電気工事士が従事できるのは一般用電気工作物等に係る電気工事で、自家用電気工作物の電気工事は原則として第一種電気工事士の領域です(法3条1項・2項。簡易電気工事は認定電気工事従事者も従事できる・同条4項)。訓練でどれだけ実習を積んでも、この線引きは変わりません。

  • 第二種でも従事できない作業の問題:問50

まとめ

  • 職業訓練(ハロートレーニング)は、免状の取得ルートとは別の制度。訓練の修了だけでは免状の交付要件にならない
  • 免状は、試験合格(法4条4項1号)か、指定養成施設の課程修了(同項2号)などで取る。交付するのは都道府県知事
  • 指定養成施設の課程は、施行規則3条で科目と時間数(合計975時間)が決まっている
  • 試験は誰でも受けられる。学校や訓練は、学ぶ場の選択肢のひとつ
  • コースは地域・年度で変わる。実際の募集は、ハローワークとコース情報検索で確認する

よくある質問

Q職業訓練を修了すれば、試験を受けなくても電気工事士の免状がもらえますか?

職業訓練を修了しただけでは、免状の交付要件を満たしません。電気工事士法4条4項は、第二種電気工事士免状の交付を受けられる者を、①第二種電気工事士試験に合格した者、②経済産業大臣が指定する養成施設で所定の課程を修了した者、③それらと同等以上の知識及び技能があると都道府県知事が認定した者、の3つに限っています。訓練コースが②の指定養成施設に当たるかどうかは、コースごとの案内と産業保安監督部で確認します。

Q電気工事士の試験を受けるのに、職業訓練や学校は必要ですか?

必要ありません。電気技術者試験センターの令和8年度第二種電気工事士下期試験の受験案内には「受験に対して制限や条件はございません。どなたでも受験ができます。」と書かれています。職業訓練や養成施設は、試験とは別に学ぶ場を選ぶための選択肢です。

Qハロートレーニングで受講料はかかりますか?

厚生労働省は、ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)を原則無料の職業訓練制度と案内しています。ただしテキスト代は自己負担です。JEEDは、ポリテクセンターの離職者訓練のテキスト代を概ね3,000円から30,000円程度で、コースごとに異なると案内しています。

Qポリテクセンターの訓練は難しいですか?入所試験はありますか?

厚生労働省のハロートレーニング特設サイトは、受講までの手順に「面接・筆記試験等」の受験が含まれると案内しています。ただし、合格基準や倍率は、国の公開ページに記載がありません。選考の内容は、希望するコースの募集案内とハローワークで確認してください。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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