第二種電工

電気工事士2種は実務経験なしで取れる受験・免状の条件と、実務経験が要る場面

更新 ・書いた人 合格ナビ 編集長(運営者)

この記事でわかること

第二種電気工事士は実務経験がなくても受験でき、試験に合格すれば免状を受けられます。法令と電気技術者試験センターの案内で、実務経験が必要になる第一種・認定電気工事従事者・主任電気工事士の条件と、数えられる経験の例を整理します。

目次
  1. 第二種電気工事士に実務経験は必要?(受験と免状)
  2. 実務経験が必要になるのは「その先」の資格
  3. 実務経験なしで現場に入る:免状前にできる作業とできない作業
  4. 第二種電気工事士の実務経験の例:数えられる工事・数えられない工事
  5. 実務経験がない人が、合格から免状までに通る流れ
  6. 未経験者が最初につまずく点:技能試験
  7. 第一種との違い:実務経験が必要になる点
  8. まとめ
結論:第二種電気工事士は、実務経験がなくても受験でき、試験に合格すれば免状も受けられます。第二種の免状の要件(電気工事士法4条4項)に、実務経験は入っていません。実務経験が要るのは「その先」で、第一種の免状(3年以上)、認定電気工事従事者の認定(第二種免状の取得後3年以上、または講習の修了)、登録電気工事業者の主任電気工事士(第二種免状の取得後3年以上)です。認定電気工事従事者と主任電気工事士で数えられるのは、条文上、第二種の免状を取った後の経験です。
取りたいもの実務経験根拠
第二種電気工事士の受験不要(制限・条件なし)令和8年度下期 受験案内、センターの資格概要
第二種電気工事士の免状不要(試験に合格した者など)電気工事士法4条4項
第一種電気工事士の免状(試験合格ルート)3年以上同法4条3項1号、施行規則2条の4
認定電気工事従事者認定証第二種免状の取得後3年以上、または認定講習の修了(第一種試験の合格者は不要)同法4条の2第4項、施行規則4条の2第2項
主任電気工事士(登録電気工事業者の営業所)第二種免状の取得後3年以上(第一種なら不要)電気工事業法19条1項

合格ナビの第二種電気工事士の学科問題382問のうち、問題文か選択肢に「実務」「補助する作業」「認定電気工事従事者」「主任電気工事士」を含む問題は0問です(2026-10-02 集計)。電気工事士法を名指しする問題は13問あり、すべて「検査・法令」の区分です。実務経験の要件は学科試験の問題になっていないため、この記事は法令と、免状や認定を扱う窓口の案内をもとに書いています。

条文の出典は e-Gov 法令検索です(2026-10-03 時点の現行条文。電気工事士法・同法施行規則・電気工事業の業務の適正化に関する法律)。

第二種電気工事士に実務経験は必要?(受験と免状)

受験については、電気技術者試験センターの令和8年度下期の受験案内に、次のように書かれています。

  • 「受験に対して制限や条件はございません。どなたでも受験ができます。」

センターの資格概要のよくある質問にも、「電気系の仕事が未経験でも受験できますか?」に対して「はい、受験資格に実務経験は不要で、誰でも受験可能です。」とあります。

免状については、電気工事士法4条4項が、第二種電気工事士免状を受けられる人を3つの号で定めています。

  • 1号:「第二種電気工事士試験に合格した者」
  • 2号:「経済産業大臣が指定する養成施設において、経済産業省令で定める第二種電気工事士たるに必要な知識及び技能に関する課程を修了した者」
  • 3号:「前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有していると都道府県知事が認定した者」(経済産業省令の定めによる)

どの号にも、実務経験の定めはありません。免状は都道府県知事が交付します(同条2項)。センターの免状交付のページも、「居住されている都道府県知事が交付する」と案内しています。

試験は学科と技能の2段階で、技能試験は事前に公表される候補問題13問から出ます(令和8年度は候補問題の公表で、試験時間は40分の予定)。学科の免除や再受験は学科試験免除の条件に、全体の流れは第二種電気工事士の試験内容にまとめています。

実務経験が必要になるのは「その先」の資格

実務経験が条文に出てくる場面は、次の3つです。第二種の免状を取ったあと、次のステップに進むときに関わってきます。

第一種電気工事士の免状(3年以上)

第一種電気工事士免状は、「第一種電気工事士試験に合格し、かつ、経済産業省令で定める電気に関する工事に関し経済産業省令で定める実務の経験を有する者」でなければ受けられません(電気工事士法4条3項1号)。施行規則2条の4第2項は、その実務経験を「三年以上の従事」と定めています。詳しい数え方・証明書は電気工事士1種の実務経験にまとめています。

認定電気工事従事者の認定(3年以上、または講習)

自家用電気工作物のうち、電圧600V以下で使う簡易な電気工事(電線路に係るものを除く)は、認定電気工事従事者の認定証を受けた人が従事できます(電気工事士法3条4項、施行規則2条の3)。認定証は経済産業大臣が交付します(同法4条の2第1項・4項)。

施行規則4条の2第2項2号は、第二種電気工事士の認定の条件を次のように定めています。

  • 「第二種電気工事士であつて、第二種電気工事士免状の交付を受けた後、第二条の四第一項に規定する電気に関する工事に関し三年以上の実務の経験を有し、又は経済産業大臣が定める簡易電気工事に関する講習…の課程を修了したもの」

つまり、実務経験が3年に届かなくても、認定講習を修了すれば認定を受けられます。センターの資格概要も、第二種の免状取得後に指定講習機関の認定講習を受講すれば認定証を取得できる、と案内しています。

主任電気工事士(登録電気工事業者の営業所)

電気工事業を営む登録電気工事業者は、一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに、主任電気工事士を置かなければなりません。電気工事業法19条1項は、その資格を「第一種電気工事士又は電気工事士法による第二種電気工事士免状の交付を受けた後電気工事に関し三年以上の実務の経験を有する第二種電気工事士」と定めています。登録電気工事業者(法人の場合は役員のいずれか)自身がこの条件を満たすときは、その人が自ら主として業務に従事する営業所には置かなくてよいとされています(同条2項)。

実務経験の年数:第一種免状(試験合格ルート)3年以上、認定電気工事従事者(第二種免状の取得後)3年以上、主任電気工事士(第二種免状の取得後)3年以上。最終確認日:2026-10-03。出典:e-Gov 電気工事士法施行規則・e-Gov 電気工事業の業務の適正化に関する法律。年数は省令で定められているため、申請する時点の現行条文を確認してください。

実務経験なしで現場に入る:免状前にできる作業とできない作業

「実務経験なしで電気工事の仕事に就けるのか」という疑問は、免状がない人が電気工事の作業に従事してよいのか、という問題です。電気工事士法3条2項は、第一種または第二種の電気工事士でなければ、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業に従事してはならない、としています。ただし、保安上支障がないと認められる作業として経済産業省令で定めるものは除かれます。

施行規則2条2項(一般用電気工作物等)は、免状がなくてもよい作業を次のように定めています。

  • 1号:「次に掲げる作業以外の作業」(イ:電線相互を接続する作業など、ロ:接地線を取り付ける作業など。軽微な作業が免状不要の側に入る)
  • 2号:「電気工事士が従事する前号イ及びロに掲げる作業を補助する作業」

2号により、電気工事士が従事する作業を補助する作業は、免状がなくても行えます。電線の接続や配線器具の取付けなど、資格が要る作業そのものを免状なしで行うことは、同法3条2項の違反になります。

資格が要る作業の違反の罰則:電気工事士法3条1項・2項・3項の規定に違反した者は、三月以下の拘禁刑又は三万円以下の罰金(同法14条)。最終確認日:2026-10-03。出典:e-Gov 電気工事士法。

補助作業にどこまで当たるかは、現場の作業内容によって変わります。判断が必要なときは、雇用主や所管の産業保安監督部に確認してください。この記事が示すのは条文の枠までです。

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第二種電気工事士の実務経験の例:数えられる工事・数えられない工事

実務経験の「例」は、証明書の記載例や都道府県の案内が示しています。認定電気工事従事者と主任電気工事士は、条文上、第二種の免状の取得後の期間が出発点です。第一種の免状の実務経験は、富山県の案内では、免状取得後という限定を付けずに、最大電力500kW以上の需要設備や発電所・変電所の電気工事も例に挙げており、数え方が別です(電気工事士1種の実務経験)。

区分数えられるか根拠として示されているもの
免状取得後の、一般用電気工作物(住宅・店舗など)の電気工事(新築・改修の屋内配線、配線器具の取付けなど)数えられる北海道産業保安監督部の記載例、富山県の案内
免状取得後の、最大電力500kW以上の自家用電気工作物の電気工事数えられる北海道産業保安監督部の記載例、九州産業保安監督部の案内
最大電力500kW未満の自家用電気工作物の電気工事第二種では数えられない(第二種が従事できないため)北海道産業保安監督部の記載例の注記
第二種免状の取得前の期間(認定電気工事従事者・主任電気工事士の場合)数えられない施行規則4条の2第2項2号、電気工事業法19条1項、埼玉県の様式の注記
軽微な工事(600V以下の差込み接続器へのコード接続など)、特殊電気工事、5万V以上の架空電線路の工事、保安通信設備の工事数えられない施行規則2条の4第1項、富山県の案内

根拠の中身は次のとおりです。

  • 北海道産業保安監督部の実務経験証明書の記載例(雇用主が証明する場合):免状取得後の期間に「一般用電気工作物の新設及び改修工事等、95件に作業者として従事し、主に屋内配線工事、配線器具の取付等を行った」という内容を書く例です。自家用電気工作物を計上する場合は、「最大電力500kW未満の需要設備に係る電気工事は、第二種電気工事士が従事できないことから(低圧部分でも法律違反です)、計上できません」とし、500kW以上の需要設備の電気工事を、最大電力を書いて記載するよう求めています。
  • 九州産業保安監督部の認定電気工事従事者認定申請のQ&A:認定電気工事従事者の実務経験3年について、九州産業保安監督部の数え方として「従事日数が通算して3年(=約756日)以上」とし、数えられる工事は「第2種電気工事士…免状を取得しているものが従事できる電気工事」で、例として「一般電気工作物の電気工事及び最大電力500kW以上の自家用電気工作物に係る電気工事」を挙げています。
  • 富山県の第一種免状申請に係る実務経験証明書について:認められる例の1つ目に、「第二種電気工事士免状の交付を受けた後、一般用電気工作物(一般家庭、個人商店等)の電気工事」を挙げています。認められない工事として、軽微な工事、特殊電気工事、5万V以上の架空電線路の工事、保安通信設備の工事を挙げています。
  • 埼玉県の主任電気工事士等実務経験証明書の様式:「実務経験に算入できる電気工事は、第二種電気工事士免状取得以降のものに限ります。」「登録 又は 届出をしていない事業者は実務経験を証明できません。」

数え方や記載の仕方は、申請先(都道府県、産業保安監督部)で違います。上の例は、それぞれの窓口の資料に書かれている内容であり、自分の経験が数えられるかどうかは、申請先で確認してください。

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実務経験がない人が、合格から免状までに通る流れ

未経験から受験する人の勉強時間の見積り方は、電気工事士2種の勉強時間に、公式の問題数と試験時間から当サイトが計算した式をまとめています。

手順内容実務経験
① 受験申込センターに申し込む(受験の条件に制限なし)不要
② 学科試験筆記またはCBT不要
③ 技能試験候補問題13問から出題。欠陥のない作品が合格(40分の予定)不要
④ 免状の申請居住地の都道府県知事へ(電気工事士法4条2項)不要
⑤ 免状の携帯電気工事の作業に従事するときは免状を携帯する(同法5条2項)—
令和8年度下期の試験日程:第二種は、申込 8月17日〜9月3日、学科CBT 9月24日〜11月8日、筆記 10月25日、技能 12月12日または12月13日。受験手数料はインターネット申込で11,100円。最終確認日:2026-10-03。出典:センター 令和8年度電気工事士試験の実施日程等。令和9年度の日程は、センターの実施日程のページで確認してください。

試験に合格して免状を受けたあと、電気工事の作業に従事した期間が、先に挙げた3年の実務経験として数えられる期間になります。合格と経験の積み上げは、順に進めるものです。第一種については、試験合格以前の実務経験も対象になるとセンターが案内しています(第一種の免状の話)。

未経験者が最初につまずく点:技能試験

実務経験の有無は、試験の受験条件にも合否の判定にも出てきません。ただし、手を動かす技能試験は、学科と違って作品を作る試験です。センターのよくある質問は、「技能試験における合格基準は、作品に欠陥がないこととしています。」と答えています。

第二種電気工事士試験の合格率:令和7年度は学科試験の受験者139,087人・合格者78,711人(56.6%)、技能試験(学科免除者と学科合格者が対象)の受験者99,610人・合格者71,471人(71.8%)。最終確認日:2026-10-03。出典:センター 第二種電気工事士試験の試験結果と推移。

検算:78,711÷139,087=0.5659(56.6%)、71,471÷99,610=0.7175(71.8%)。逆算では、99,610×0.71751≒71,471です。センターの結果ページは、学科免除者の有無などで区分していますが、受験者の実務経験や職歴では区分していません(確認日2026-10-03)。そのため、実務経験がない人だけの合格率は、公表資料からは分かりません。

つまずきやすいのは、候補問題の作業を、実際の工具と材料で練習する工程です。工具の条件は第二種電気工事士の工具に、欠陥の判断基準と候補問題は電気工事士の実技試験に、不合格になった後の流れは技能試験に落ちたときにまとめています。

第一種との違い:実務経験が必要になる点

第二種電気工事士第一種電気工事士
受験実務経験は不要実務経験は不要(センターの資格概要)
免状試験合格で受けられる(4条4項)試験合格+実務経験3年以上(4条3項1号)
従事できる電気工事一般用電気工作物等一般用電気工作物等+自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備。特殊電気工事を除く)

第一種は、受験は誰でもできますが、免状には実務経験が必要です。センターの資格概要には、第一種の試験に合格すれば、実務経験がなくても、産業保安監督部長に申請して認定電気工事従事者認定証を取得でき、自家用電気工作物の低圧部分の電気工事に従事できる、と案内されています。第一種と第二種の違いは電気工事士1種と2種の違いに、できる工事の範囲は第二種電気工事士でできることにあります。

まとめ

  • 第二種電気工事士は、実務経験なしで受験でき、合格すれば免状を受けられる(電気工事士法4条4項)
  • 実務経験が要るのは、第一種の免状(3年以上)、認定電気工事従事者(第二種免状の取得後3年以上、または講習)、主任電気工事士(第二種免状の取得後3年以上)
  • 認定電気工事従事者・主任電気工事士で数えられる経験は、第二種免状の取得後の電気工事。500kW未満の自家用電気工作物など、第二種では従事できない工事は第二種の経験として数えられない
  • 免状前にできるのは、施行規則2条2項1号イ・ロに当たらない作業と、電気工事士の作業を補助する作業(同項2号)
  • 実務経験の証明書の様式や証明者は、申請先によって違うため、書く前に窓口に確認する

よくある質問

Q30代・未経験からでも、第二種電気工事士を受験できますか?

受験できます。令和8年度下期の受験案内は「受験に対して制限や条件はございません。どなたでも受験ができます。」と書いています。電気技術者試験センターの資格概要も、電気系の仕事が未経験でも受験できるかという問いに「受験資格に実務経験は不要で、誰でも受験可能です」と答えています。当サイトは、転職や収入の見通しは扱いません。

Q免状をもらう前に、電気工事の現場で働いた期間は実務経験に数えられますか?

認定電気工事従事者と主任電気工事士については数えられません。条文が「第二種電気工事士免状の交付を受けた後」の経験と定めているためです(電気工事士法施行規則4条の2第2項2号、電気工事業法19条1項)。埼玉県の主任電気工事士等実務経験証明書の様式にも、「実務経験に算入できる電気工事は、第二種電気工事士免状取得以降のものに限ります」という注記があります。第一種の免状の実務経験は数えられる工事の定め方が別なので、申請先の都道府県で確認してください。

Q実務経験証明書は、自分で書いて出せばよいのですか?

証明するのは申請者ではなく、雇用主などの証明者です。埼玉県の様式の注記は、「登録 又は 届出をしていない事業者は実務経験を証明できません」としています。様式や証明者の範囲は、申請先の都道府県や産業保安監督部で違うため、書く前に窓口の案内を確認してください。

Q第二種の免状を取ったあと、第一種の試験に合格すればすぐ第一種の免状をもらえますか?

もらえません。第一種の免状には、試験合格に加えて電気工事の実務経験が3年以上必要です(電気工事士法4条3項1号、同法施行規則2条の4第2項)。ただし電気技術者試験センターは、試験合格以前の実務経験も対象になるとしています。

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法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月4日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

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