保育士試験の筆記科目「社会福祉」の出題範囲を、協議会の出題範囲と養成課程の教科目の教授内容にそって整理しました。社会福祉法、生活保護法、相談援助、利用者の保護に関わる仕組みなど、どの法令・資料を読む科目かを、条文の要点とあわせて説明します。
目次
結論:「社会福祉」は、福祉の理念と制度の全体を、法令にそって理解しているかを見る科目です。協議会の出題範囲は、社会福祉の「理念・制度の体系」に加えて、社会保障などの関連制度、利用者の保護に関わる仕組み、相談援助を挙げています。読む資料は、日本国憲法第25条、社会福祉法、生活保護法が中心です。法令は令和8年4月1日以前に施行されたものが基準なので、条文は施行日を確かめて読んでください。
保育士試験の「社会福祉」は、福祉サービス全体の共通の決まりを学ぶ科目です。このページでは、協議会の出題範囲と、養成課程の教科目の教授内容にそって、何を学ぶ科目か、どの法令・資料を読めばよいかを整理します。条文は、令和8年4月1日時点の e-Gov の条文で確認しました。子どもの分野の決まりは科目「子ども家庭福祉」に、勉強の計画の立て方は保育士試験の独学の勉強法にあります。
「社会福祉」の形式と法令の基準日
令和8年後期の筆記試験では、社会福祉は1日目の4科目目で、満点100点、試験時間は60分です。合格は、各科目で満点の6割以上を得点することです。
令和8年後期の社会福祉の試験日時:2026年(令和8年)10月24日(土)の4科目目。入室15:50、試験時間16:00〜17:00、満点100点。最終確認日:2026-10-11。出典:協議会 筆記試験(後期)概要。
筆記試験の問題数:教育原理と社会的養護は各10問、そのほかの7科目は各20問(合計160問)。したがって社会福祉は20問。令和8年前期・地域限定の筆記試験の正答表で確認。最終確認日:2026-10-11。出典:協議会 令和8年筆記試験(前期・地域限定)問題・正答。
合格の決まり:各科目において、満点の6割以上得点した者を合格とする。最終確認日:2026-10-11。出典:協議会 筆記試験(後期)概要。
筆記試験の法令の基準日:「筆記試験における法令・保育所保育指針等については、令和8年4月1日以前に施行されたものに基づいて出題します。」最終確認日:2026-10-11。出典:協議会 筆記試験(後期)概要。
社会福祉の法令は改正が続くため、この基準日が読み方に直接かかわります。たとえば社会福祉法は、2026年6月25日に施行された改正(令和8年法律第51号 社会福祉法等の一部を改正する法律)が e-Gov の現行の条文に入っています。第5条は第2項が加わって利用者の「意思決定の支援」への配慮が書かれ、第80条にも同じ趣旨の文言が加わっていますが、令和8年4月1日時点の条文には、この文言はありません。第6条も、第2項の文言の変更と第4項の追加があります。現行の条文だけを見て覚えると、基準日の条文とずれることがあります。
協議会は、個別の改正の名前は挙げず、「令和8年4月1日以前に施行されたもの」という施行日の区切りだけを示しています(2026-10-14 時点)。「社会福祉法 改正」で見つけた情報は、e-Gov の改正履歴でその版の施行日を見て、この区切りの前か後かを自分で確かめてください。
社会福祉法の改正履歴:e-Gov の社会福祉法の改正履歴では、2025年10月1日施行の版の次が、2026年6月25日施行の版(社会福祉法等の一部を改正する法律〔令和8年法律第51号〕による改正)。同じ法律には、2027年4月1日・2028年6月24日・2029年6月24日に施行される部分もあり、e-Gov では未施行と表示されている。最終確認日:2026-10-14。出典:e-Gov法令検索 社会福祉法。
協議会が示す「社会福祉」の出題範囲
協議会が公開している「保育士試験出題範囲」には、科目ごとに出題の基本方針、出題範囲、出題上の留意事項が書かれています。社会福祉の基本方針は次のとおりです。
- 基本方針:「社会福祉全般に関して、その理念体系を理解しているかを問うことを基本とする。」
- 問題選択に当たっては、「社会福祉の理念・制度の体系を概括的に理解しているかという点のほか、その背景となっている社会の動向、社会保障等の関連制度の概要、利用者の保護に関わる仕組み、相談援助等について」配慮するとされています
- 出題範囲は、平成15年通知別紙に定める教科目「社会福祉」の内容です
出題上の留意事項には、次の3つが書かれています。
1. 社会福祉に関する法律、手続き及び歴史的変遷の部分からは、「歴史的に古いもの又は現在の制度体系と関連のないものは出題しない」
2. 保育原理、子ども家庭福祉及び社会的養護の出題と十分関連をとって出題する
3. 出題範囲の改正に伴う経過措置として、当分の間、「改正前の出題範囲における相談援助の内容を理解していることを前提とした出題とする」
出典は、協議会の保育士試験出題範囲(PDF)です。ここでいう「平成15年通知別紙」は、「指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について」(平成15年12月9日付け雇児発第1209001号)の別紙3「教科目の教授内容」のことです。次の節では、協議会が掲載している教授内容の版にそって、内容を表にしました。
教科目「社会福祉」の目標と内容
教授内容は、教科目ごとに「目標」と「内容」が示されています。「社会福祉」の目標は5つです。
1. 現代社会における社会福祉の意義と歴史的変遷及び社会福祉における子ども家庭支援の視点について理解する
2. 社会福祉の制度や実施体系等について理解する
3. 社会福祉における相談援助について理解する
4. 社会福祉における利用者の保護に関わる仕組みについて理解する
5. 社会福祉の動向と課題について理解する
目標ごとの内容と、読む資料の対応を表にします。右の列は、当サイトが内容ごとに対応づけた資料の例です。協議会の出題範囲や教授内容に書かれているものではありません。
| 内容(大項目) | 内容(小項目) | 読む資料の例(当サイトによる対応づけ) |
|---|---|---|
| 1 社会福祉の意義と歴史的変遷 | 社会福祉の理念と概念/歴史的変遷/子ども家庭支援と社会福祉 | 日本国憲法第25条、社会福祉法第1条〜第4条 |
| 2 社会福祉の制度と実施体系 | 制度と法体系/行財政と実施機関/社会福祉施設/専門職/社会保障及び関連制度の概要 | 社会福祉法、生活保護法、介護保険法、社会福祉士及び介護福祉士法 |
| 3 社会福祉における相談援助 | 相談援助の理論/意義と機能/対象と過程/方法と技術 | 社会福祉士及び介護福祉士法第2条、民生委員法 |
| 4 利用者の保護に関わる仕組み | 情報提供と第三者評価/利用者の権利擁護と苦情解決 | 社会福祉法第75条〜第86条 |
| 5 社会福祉の動向と課題 | 少子高齢化社会における子育て支援/共生社会の実現と障害者施策/在宅福祉・地域福祉の推進/諸外国の動向 | 社会福祉法第4条、障害者基本法、障害者総合支援法、介護保険法 |
教授内容には、歴史的変遷の個別の年号や人名、相談援助の個別の技法名の記載がありません(2026-10-11 時点)。項目名だけで内容が示されているので、細かい知識は、次の節以降の法令や資料で確かめる形になります。
福祉の理念:憲法第25条と社会福祉法の目的・基本的理念
社会福祉の出発点は、日本国憲法第25条です。
- 第1項:「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
- 第2項:「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」
第2項に、社会福祉、社会保障、公衆衛生が並んでいます。協議会の出題範囲が挙げる「社会保障等の関連制度」も、この並びにつながる項目と読めます。
社会福祉法は、社会福祉を目的とする事業の全分野に共通する基本事項を定める法律です。目的を定める第1条は、福祉サービスの利用者の利益の保護と、地域における社会福祉(地域福祉)の推進を図ることを挙げています。続く条文の要点は次のとおりです。
| 条 | 見出し | 要点 |
|---|---|---|
| 第3条 | 福祉サービスの基本的理念 | 福祉サービスは「個人の尊厳の保持を旨とし」、利用者が自立した日常生活を営めるよう支援するものとして、良質かつ適切でなければならない |
| 第4条 | 地域福祉の推進 | 地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、「参加し、共生する地域社会の実現を目指して行われなければならない」 |
| 第5条 | 福祉サービスの提供の原則 | 事業を経営する者は、利用者の意向を十分に尊重し、地域住民等や保健医療サービスとの連携を図り、福祉サービスを総合的に提供できるよう努める(令和8年4月1日時点) |
| 第6条 | 国及び地方公共団体の責務 | 国と地方公共団体は、事業を経営する者と協力して、福祉サービスを提供する体制の確保などの施策を講じる(第1項) |
制度と実施体系:社会福祉事業・福祉事務所・社会福祉協議会
「制度と実施体系」の中心は、社会福祉法です。保育士の受験者が押さえやすい決まりを、順に説明します。
第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業
社会福祉法第2条は、「社会福祉事業」を、第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業に分けています。どの事業がどちらかは、条文が一つずつ挙げています。児童福祉の分野を例にすると、次のとおりです。
| 区分 | 児童福祉の分野で条文が挙げる事業・施設(抜粋) |
|---|---|
| 第一種 | 「乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設又は児童自立支援施設を経営する事業」 |
| 第二種 | 保育所、児童厚生施設、児童家庭支援センター、助産施設、放課後児童健全育成事業、一時預かり事業、地域子育て支援拠点事業、幼保連携型認定こども園を経営する事業、など |
第一種は第2条第2項に、第二種は第2条第3項に挙がっています。保育所は、児童福祉法に定める施設であると同時に、社会福祉法では第二種社会福祉事業です。施設を定める法律(児童福祉法)と、事業を位置づける法律(社会福祉法)が別であることが、この表から分かります。
福祉事務所と社会福祉主事
社会福祉法は、福祉に関する事務所(福祉事務所)を定めています。
- 第14条第1項:「都道府県及び市(特別区を含む。以下同じ。)は、条例で、福祉に関する事務所を設置しなければならない。」
- 町村については、第14条第3項で「町村は、条例で、その区域を所管区域とする福祉に関する事務所を設置することができる。」とされています
福祉事務所に置く職員が、社会福祉主事です。第18条第1項は、「都道府県、市及び福祉に関する事務所を設置する町村に、社会福祉主事を置く。」としています。社会福祉主事は、都道府県知事または市町村長の補助機関である職員で、年齢18年以上であること、人格が高潔で社会福祉の増進に熱意があることなどのほか、大学で厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者、都道府県知事の指定する養成機関または講習会の課程を修了した者、社会福祉士などから任用されます(第19条)。
なお、「社会福祉主事任用資格」は、保育士試験の科目免除の対象ではありません(協議会の案内にそって保育士試験の科目と科目免除で説明しています)。
社会福祉協議会・地域福祉計画・民生委員
地域福祉の推進を担う仕組みも、社会福祉法に定められています。
- 市町村社会福祉協議会(第109条):地域福祉の推進を図ることを目的とする団体で、「社会福祉を目的とする事業の企画及び実施」「社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助」などを行う。都道府県社会福祉協議会は第110条
- 市町村地域福祉計画(第107条):市町村は、地域福祉の推進に関する事項を一体的に定める計画を策定するよう努める。都道府県は、地域福祉支援計画を策定するよう努める(第108条)
- 民生委員(民生委員法第1条):「社会奉仕の精神をもつて、常に住民の立場に立つて相談に応じ、及び必要な援助を行い、もつて社会福祉の増進に努めるものとする。」
生活保護法:4つの基本原理と8種類の扶助
公的扶助の代表が、生活保護法です。第1条は、日本国憲法第25条に規定する理念に基づき、生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。第5条は、「前四条に規定するところは、この法律の基本原理であつて」と書き、第1条から第4条までを基本原理としています。
| 条 | 見出し | 要点 |
|---|---|---|
| 第1条 | この法律の目的 | 憲法第25条の理念に基づく最低限度の生活の保障と自立の助長 |
| 第2条 | 無差別平等 | 要件を満たす限り、保護を無差別平等に受けることができる |
| 第3条 | 最低生活 | 保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持できるものでなければならない |
| 第4条 | 保護の補足性 | 資産、能力その他あらゆるものを最低限度の生活の維持のために活用することが要件。民法に定める扶養義務者の扶養と、他の法律に定める扶助は、保護に優先して行われる。急迫した事由がある場合は必要な保護を行える |
保護の種類は、第11条第1項が、生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8つを挙げています。
社会保障と関連制度
協議会の教授内容には、「社会保障及び関連制度の概要」が含まれます。ここでは、社会保険の例として介護保険法を取り上げます。第1条は、加齢に伴う心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となった人などが、尊厳を保持し、能力に応じて自立した日常生活を営めるよう、「国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け」、必要な給付を行うことを目的としています。医療保険や年金などの個別の制度は、この記事では扱っていません。協議会の範囲にある「概要」の水準で、制度の名称と目的を整理する場合は、各制度の根拠法の第1条(目的)から読み始める方法があります。
専門職
「社会福祉の専門職」の項目では、社会福祉士及び介護福祉士法に、社会福祉士と介護福祉士の定義があります。社会福祉士は、専門的知識及び技術をもって、障害や環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある人の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者です(第2条第1項)。保育士は児童福祉法に定める資格で、法令が別です。
相談援助:法令上の定義と、教授内容の項目
相談援助は、教授内容で次の4項目に分けられています。
- 相談援助の理論
- 相談援助の意義と機能
- 相談援助の対象と過程
- 相談援助の方法と技術
法令に「相談援助」の定義があるのは、社会福祉士及び介護福祉士法第2条第1項です。社会福祉士の業務として、「福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者」との連絡及び調整その他の援助を行うこと、を「相談援助」としています。つまり、法令上の相談援助は、相談に応じるだけでなく、助言、指導、関係者との連絡調整まで含む援助です。
協議会の出題範囲と教授内容には、相談援助の個別の理論名や技法名の記載がありません(2026-10-11 時点)。この項目は、改正前の出題範囲の相談援助の内容を理解していることを前提とする、という経過措置も付いています。理論や技法の学習は、協議会の資料からは範囲の外枠しか分からないため、自分が使うテキストの目次と、教授内容の4項目を見比べて抜けを確かめる方法が使えます。
利用者の保護に関わる仕組み:社会福祉法第8章
教授内容の第4項「利用者の保護に関わる仕組み」は、社会福祉法第8章「福祉サービスの適切な利用」の条文と重なる部分が多いと読めます。条文ごとに、義務の強さを区別して読むのがポイントです。
| 条 | 内容 | 条文の語尾 |
|---|---|---|
| 第75条 | 社会福祉事業の経営者による福祉サービスの情報の提供。国・地方公共団体も必要な情報を得られる措置を講ずる | 経営者は「情報の提供を行うよう努めなければならない」 |
| 第76条 | 利用契約の申込み時に、契約の内容と履行に関する事項を説明する | 「説明するよう努めなければならない」 |
| 第77条 | 契約が成立したとき、経営者の名称・所在地、サービスの内容、利用者が支払うべき額などを記載した書面を交付する | 「書面を交付しなければならない」 |
| 第78条 | 福祉サービスの質の評価など、質の向上のための措置 | 経営者は「努めなければならない」 |
| 第79条 | 誇大広告の禁止 | 著しく事実に相違する表示などを「してはならない」 |
| 第82条 | 経営者による苦情の解決 | 「苦情の適切な解決に努めなければならない」 |
| 第83条 | 運営適正化委員会 | 都道府県社会福祉協議会に「置くものとする」 |
第75条と第76条は努力義務、第77条は書面を交付しなければならない義務、と書き分けられています。表の右の列は、条文の語尾をそのまま写したものです。
運営適正化委員会(第83条)は、福祉サービス利用援助事業の適正な運営を確保し、福祉サービスに関する利用者等からの苦情を適切に解決するために置かれる機関です。苦情の解決の申出があったときは、相談に応じ、申出人に助言し、事情を調査します(第85条第1項)。申出人と福祉サービスを提供した者の同意があれば、苦情の解決のあっせんを行うことができます(同条第2項)。
福祉サービス利用援助事業は、第2条第3項第12号が、精神上の理由により日常生活を営むのに支障がある人に対して、福祉サービスの利用に関する相談、助言、手続や費用の支払の便宜の提供などを一体的に行う事業と定義しています。都道府県社会福祉協議会は、この事業を行う市町村社会福祉協議会などと協力して、都道府県の区域内であまねく事業が実施されるために必要な事業を行います(第81条)。
社会福祉の動向と課題:地域福祉・共生社会・在宅福祉
教授内容の第5項は、「少子高齢化社会における子育て支援」「共生社会の実現と障害者施策」「在宅福祉・地域福祉の推進」「諸外国の動向」です。法令では、次の条文が対応します。
- 地域福祉:社会福祉法第4条第1項「参加し、共生する地域社会の実現を目指して行われなければならない」
- 共生社会と障害者施策:障害者基本法第1条は、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、「相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現する」ことを掲げています。障害者総合支援法第1条は、障害福祉サービスに係る給付や地域生活支援事業などの支援を総合的に行うことを目的としています
- 在宅福祉:介護保険法第2条第4項は、保険給付の内容と水準について、要介護状態になった場合でも、「可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない」としています
子育て支援の個別の施策は科目「子ども家庭福祉」の範囲と重なります。諸外国の動向は、協議会の資料に項目名しかないため、この記事では扱いません。
学び方の例:範囲を見ながら、法令の「目的」から読む
勉強の計画は、受験者ごとに違います。協議会の資料には、必要な勉強時間の記載がありません(2026-10-11 時点)。ここでは、この科目の構造から考えた進め方の例を挙げます。
1. 教授内容の5つの目標を、自分のノートの見出しにする
2. 各制度の根拠法を決め、第1条(目的)から読む。社会福祉法、生活保護法、介護保険法、障害者基本法、障害者総合支援法がその例です
3. 社会福祉法は、第2条(社会福祉事業)、第14条(福祉事務所)、第8章(利用者の保護)の3か所を、条文の語尾(努めなければならない/しなければならない)まで確かめる
4. 読んだ資料の施行日を確かめ、令和8年4月1日以前の条文かどうか見る
5. 合格ナビのオリジナル問題で、確認する。科目別の演習と模擬試験が使えます
社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の資格を持っている人は、申請により、社会的養護・子ども家庭福祉・社会福祉の3科目が免除されます(協議会のQ&A)。その場合は、この科目を受験する必要がありません。免除の条件は、保育士試験の科目と科目免除にまとめています。福祉士の試験対策は、当サイトの社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士のページにあります。
まとめ:範囲は協議会、中身は法令で確かめる
- 社会福祉の範囲は、協議会の出題範囲と養成課程の教科目「社会福祉」の内容で決まります。理念・制度の体系、社会保障などの関連制度、利用者の保護に関わる仕組み、相談援助が柱です
- 読む資料の中心は、日本国憲法第25条、社会福祉法、生活保護法です。制度ごとの根拠法の第1条(目的)から読み始められます
- 法令は令和8年4月1日以前に施行されたものが基準です。社会福祉法は2026年6月25日の改正が現行の条文に入っているため、条文は施行日を確かめて読みます
- 相談援助は、経過措置により、改正前の出題範囲の内容を理解していることが前提とされています
次にやることは、次のとおりです。
- 社会福祉の問題を解く:社会福祉の問題
- 子どもの分野の法令を読む:科目「子ども家庭福祉」
- 本番と同じ時間配分で解く:模擬試験
- 出題内訳と合格基準を確認する:出題内訳・合格基準
出典の一覧:協議会 保育士試験出題範囲(PDF)、協議会 教科目の教授内容(PDF)、協議会 筆記試験(後期)概要、協議会 令和8年筆記試験(前期・地域限定)問題・正答、e-Gov法令検索 日本国憲法、社会福祉法、生活保護法、民生委員法、社会福祉士及び介護福祉士法、介護保険法、障害者基本法、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律。数字と条文は2026-10-11 時点で、法令は令和8年4月1日時点の条文を確認しました。
よくある質問
Q社会福祉法の「第一種社会福祉事業」と「第二種社会福祉事業」は、どこで区別されますか?
社会福祉法第2条が、事業を一つずつ挙げて分けています。児童福祉の分野では、乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設を経営する事業が第一種です。保育所、児童厚生施設、児童家庭支援センター、放課後児童健全育成事業、一時預かり事業などは第二種に挙げられています。令和8年4月1日時点の条文で確認しました(2026-10-11 時点)。
Q「相談援助」は出題範囲から外れたのですか?
外れていません。協議会の出題範囲には、出題範囲の改正に伴う経過措置として、当分の間、社会福祉の出題は「改正前の出題範囲における相談援助の内容を理解していることを前提とした出題とする」と書かれています。養成課程の教科目「社会福祉」の内容にも、相談援助の理論・意義と機能・対象と過程・方法と技術の項目があります(2026-10-11 時点)。
Q社会福祉法の改正は、いつの時点の条文を読めばよいですか?
協議会は、筆記試験の法令・保育所保育指針等は令和8年4月1日以前に施行されたものに基づいて出題すると案内しています。e-Govの現行の社会福祉法には、2026年6月25日に施行された改正が入っていて、第5条や第80条の文言が令和8年4月1日時点の条文と違います。条文は、施行日を確かめて読んでください。
Q社会福祉と子ども家庭福祉は、どう関連づけて読めばよいですか?
協議会の出題範囲は、社会福祉の出題について「保育原理、子ども家庭福祉及び社会的養護の出題と十分関連をとって出題する」としています。社会福祉法は福祉サービス全体の共通の決まり、児童福祉法は子どもの分野の決まりです。たとえば、児童養護施設などを経営する事業は、児童福祉法で施設が定められ、社会福祉法で第一種社会福祉事業に位置づけられています。
Q保育園は、社会福祉施設ですか?
法令では「保育園」ではなく「保育所」と書き、児童福祉法第7条が挙げる児童福祉施設の一つです。社会福祉法では、保育所を経営する事業は第二種社会福祉事業です(第2条第3項)。つまり、児童福祉法上の児童福祉施設で、その経営は社会福祉法上の社会福祉事業にあたります。令和8年4月1日時点の条文で確認しました(2026-10-14 時点)。
Q社会福祉の歴史の年表は、覚える必要がありますか?
協議会の資料からは、個別の年号や人名を覚えるべきかどうかは分かりません。教授内容には歴史的変遷の項目名があるだけで、年号や人名の記載はなく、出題上の留意事項にも「歴史的に古いもの又は現在の制度体系と関連のないものは出題しない」と書かれています(2026-10-14 時点)。年表を作るなら、現在の制度につながる法律の目的と、条文の語尾の違いの確認を先にする方法があります。
法令や試験の数字は、改正や年度で変わります。この記事の最終確認日は2026年10月14日です。申込みや合格基準は、必ず試験団体の公式情報で確かめてください。

