問題
Dさん(70 歳,男性)は,自宅で妻と二人暮らしで,年金収入で生活している。ある日,車を運転中に事故に遭い救急搬送された。医師からは,第4 胸髄節まで機能が残存している脊髄損傷(spinal cord injury)と説明を受けた。Dさんは,入院中に要介護3 の認定を受けた。 Dさんは,退院後は自宅で生活することを望んでいた。妻は一緒に暮らしたいと思うが,Dさんの身体状況を考えると不安を感じていた。介護支援専門員(ケアマネジャー)は,「退院後は,在宅復帰を目的に,一定の期間,リハビリテーション専門職がいる施設で生活してはどうか」とDさんに提案した。Dさんは妻と退院後の生活について話し合った結果,一定期間施設に入所して,その間に,自宅の住宅改修を行うことにして,介護支援専門員(ケアマネジャー)に居宅介護住宅改修費について相談した。 次のうち,Dさんが提案を受けた施設として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題117
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは4「介護老人保健施設」です。
介護老人保健施設は、病院を退院した後、自宅に戻ることを目指してリハビリテーションを行うための施設です。理学療法士など専門職が在籍していて、一定の期間、集中的にリハビリに取り組むことができます。
たとえるなら、自宅に帰るための「リハビリの中継地点」のような施設です。
👉 覚え方:在宅復帰を目指したリハビリ施設=介護老人保健施設。
ほかの選択肢:1養護老人ホームは経済的な理由等により措置により入所する施設で、リハビリ目的の施設ではない/2軽費老人ホームは低所得の高齢者向けの住まいで、リハビリ専門職が中心の施設ではない/3介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は長期の生活の場としての施設で、一定期間のリハビリを経て在宅復帰を目指す施設ではない/5介護医療院は医療的ケアと生活の両方を必要とする人の長期療養施設で、今回のような在宅復帰目的の一時入所の提案とは性質が異なる。
なぜこれが正解か
正解は4。介護支援専門員が「在宅復帰を目的に、一定の期間、リハビリテーション専門職がいる施設で生活してはどうか」と提案していることから、これは理学療法士・作業療法士等のリハビリテーション専門職が配置され、在宅復帰を目指した中間施設として位置づけられる介護老人保健施設を指している。
各選択肢の解説
- 1 養護老人ホームは、経済的理由や環境上の理由により自宅での生活が困難な高齢者を、市町村の措置により入所させる施設であり、リハビリテーションを目的とした在宅復帰支援の施設ではない。
- 2 軽費老人ホームは、低所得で身寄りのない高齢者等が比較的安価な費用で利用できる住まいであり、リハビリ専門職を中心とした在宅復帰支援を目的とする施設ではない。
- 3 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、常時介護を必要とし、在宅生活が困難な高齢者が長期的に生活する施設であり、在宅復帰を前提とした一定期間のリハビリ施設としての性格とは異なる。
- 5 介護医療院は、医療的な管理と日常的な介護の両方を長期的に必要とする高齢者を対象とする施設であり、Dさんのような在宅復帰を目指す一時的な入所の提案とは目的が異なる。
覚え方・ひっかけ注意
高齢者施設の種類(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院)は、それぞれ入所の目的・対象者・提供される機能が異なる。「リハビリテーション専門職」「在宅復帰」というキーワードから介護老人保健施設を想起する。
理論的背景
介護老人保健施設(老健)は、介護保険法に基づく施設サービスの一つで、病状が安定期にある要介護者に対し、看護・医学的管理のもとでの介護、機能訓練(リハビリテーション)、日常生活上の世話を提供し、在宅復帰を支援することを目的とする「中間施設」として位置づけられる。医師の配置が必須であり、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士等のリハビリ専門職が常勤していることが特徴で、入所期間は原則として3か月ごとに入所継続の必要性が判定される。介護老人福祉施設(特養)が「終の棲家」としての性格を持つ長期入所施設であるのに対し、老健は「在宅復帰を目指す通過施設」という明確な機能の違いがある。Dさんの事例のように、事故等により急に要介護状態となった場合、老健でのリハビリを経て、住宅改修(第36回 問118)を行った自宅へ帰るという流れは、老健の典型的な利用パターンである。
試験での位置づけ
高齢者施設の種類と機能の違いは、社会の理解領域・総合問題を横断する重要テーマ。第38回 問22(有料老人ホーム)、第37回 問17(サービス付き高齢者向け住宅)ともあわせて、各種施設・住まいの機能を体系的に整理しておくことが、総合問題の長文事例読解にも直結する。
選択肢の発展補足
老健からの退所にあたっては、本事例のように住宅改修(第36回 問118)や福祉用具の導入、訪問系サービスの調整等、在宅生活を支える総合的な準備が並行して進められる。
上位資格・発展
介護支援専門員の実務では、老健からの円滑な在宅復帰支援(退所前カンファレンス、訪問指導等)の調整がより実践的に扱われる。
- 介護保険法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題117です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

