介護福祉士

介護福祉士 第36回 問題120総合問題

問題

介護福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年1月28日(日)実施・総合問題

Eさん(34 歳,女性,障害支援区分3 )は,特別支援学校の高等部を卒業後,週2回,生活介護を利用しながら自宅で生活している。Eさんはアテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(cerebral palsy)で不随意運動があり,首を振る動作が見られる。 食事は首の動きに合わせて,自助具を使って食べている。食事中は不随意運動が強く,食事が終わると,「首が痛い,しびれる」と言ってベッドに横になるときがある。 また,お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが,コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた。日頃から自分のことは自分でやりたいと考えていて,お茶が上手に飲めなくなってきたことを気にしている。 Eさんは,生活介護事業所で油絵を描くことを楽しみにしている。以前から隣町の油絵教室に通い技術を高めたいと話していた。そこでEさんは,「自宅から油絵教室に通うときの介助をお願いするにはどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。 Eさんの食事の様子から,今後,引き起こされる可能性が高いと考えられる二次障害として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題120

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは5「頚椎症性脊髄症」です。

Eさんは食事のたびに首を大きく振るような不随意運動を繰り返し、食後には首の痛みやしびれを訴えています。このように首(頸椎)に負担がかかり続けることで、将来、頸椎が変形して神経(脊髄)を圧迫してしまう「頚椎症性脊髄症」を引き起こす可能性が高いと考えられます。

たとえるなら、同じ場所に繰り返し負担がかかり続けることで、体の部品(頸椎)が傷んでしまうイメージです。

👉 覚え方:アテトーゼ型脳性麻痺の首の不随意運動の繰り返し=将来的な頚椎症性脊髄症のリスク。

ほかの選択肢:1変形性股関節症は股関節への負担による疾患で、今回の首の症状とは部位が異なる/2廃用症候群は活動性の低下によって生じる心身機能の低下で、今回の激しい不随意運動とは逆の状況で生じやすい/3起立性低血圧は体位変換時の血圧低下で、今回の首の痛み・しびれの症状とは異なる/4脊柱側弯症は背骨全体の左右への弯曲変形で、今回の頸部の症状とは異なる部位の変形。

なぜこれが正解か

正解は5。アテトーゼ型脳性麻痺による不随意運動が食事のたびに首に強く生じ、「首が痛い、しびれる」という症状が繰り返されているEさんの様子は、長期にわたる頸部への機械的な負荷の蓄積により、頸椎の変性・変形が進行し、脊髄が圧迫される頚椎症性脊髄症を将来的に引き起こすリスクが高いことを示唆している。

各選択肢の解説

  • 1 変形性股関節症は股関節への繰り返しの負荷によって生じる疾患であり、今回のEさんの首の症状とは部位・原因が異なる。
  • 2 廃用症候群は、身体を動かさない状態が続くことで生じる心身機能の低下(筋力低下、関節拘縮等)であり、Eさんのように不随意運動が活発な状況とは逆の背景で生じやすい病態である。
  • 3 起立性低血圧は、体位を変えた際(臥位から立位等)に血圧が急激に低下する症状であり、今回の首の痛み・しびれとは異なる病態である。
  • 4 脊柱側弯症は、背骨全体が左右方向に弯曲する変形であり、今回訴えられている頸部(首)の局所的な症状とは異なる部位の問題である。

覚え方・ひっかけ注意

アテトーゼ型脳性麻痺による不随意運動が特定の部位(今回は頸部)に繰り返し負荷をかけることで生じる二次障害を選ぶ設問では、症状が生じている部位(首)と、それに対応する疾患(頚椎症性脊髄症)を正確に対応づける。

理論的背景

アテトーゼ型脳性麻痺は、大脳基底核の損傷により、四肢・体幹・頸部にゆっくりとした不随意運動(アテトーゼ)が生じる脳性麻痺の病型である。長年にわたり頸部に強い不随意運動が繰り返されると、頸椎(首の骨)に持続的な機械的ストレスがかかり、椎間板の変性、骨棘(こつきょく:骨の突起)の形成等の変化(頚椎症)が加齢とともに進行しやすいことが知られている。これが進行し、脊柱管内の脊髄が圧迫されると、上下肢のしびれ・脱力、歩行障害、膀胱直腸障害等を引き起こす頚椎症性脊髄症に至ることがある。アテトーゼ型脳性麻痺のある成人が加齢とともにこの二次障害を発症するケースは、脳性麻痺のリハビリテーション医学において重要な臨床課題として認識されており、頸部への負担を軽減する姿勢の工夫や、自助具の活用(第36回 問121)が予防的に重要とされる。

試験での位置づけ

脳性麻痺の二次障害(頚椎症性脊髄症)の理解は、障害の理解領域・総合問題を横断する応用的なテーマ。長期にわたる不随意運動という障害特性から、将来的なリスク(二次障害)を予測する力が問われる、総合問題らしい出題形式である。

選択肢の発展補足

頚椎症性脊髄症の予防・進行抑制には、頸部への負担を軽減する食事姿勢の工夫(第36回 問121のストローつきコップの活用等)、定期的な整形外科的な評価、必要に応じた頸椎カラー等の装具の使用が検討される。

上位資格・発展

リハビリテーション医学の分野では、脳性麻痺者の加齢に伴う二次障害(頚椎症性脊髄症、関節拘縮の進行等)に関する長期的な健康管理(ライフステージに応じたリハビリテーション)がより専門的に扱われる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題120。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題120です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。