介護福祉士

介護福祉士 第36回 問題124総合問題

問題

介護福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年1月28日(日)実施・総合問題

Fさん(20 歳,男性)は,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)と重度の知的障害があり,自宅で母親(50 歳),姉(25 歳)と3 人で暮らしている。 Fさんは生活介護事業所を利用している。事業所では比較的落ち着いているが,自宅に帰ってくると母親に対してかみつきや頭突きをすることがあった。また,自分で頭をたたくなどの自傷行為もたびたび見られる。 仕事をしている母親に代わり,小さい頃から食事や排泄の介護をしている姉は,これまでFさんの行動を止めることができていたが,最近ではからだが大きくなり力も強くなって,母親と協力しても止めることが難しくなっていた。 家族で今後のことを考えた結果,Fさんは障害者支援施設に入所することになった。 Fさんが入所してからも月1 ,2 回は,姉が施設を訪ね,Fさんの世話をしている。 ある日,担当の介護福祉職が姉に声をかけると,「小学生の頃から,学校が終わると友だちと遊ばずにまっすぐ家に帰り,母親に代わって,弟の世話をしてきた。 今は,弟を見捨てたようで,申し訳ない」などと話す。 介護福祉職の姉への対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題124

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは3「『お姉さんは,小さい頃からお母さんの代わりをしてきたのですね』」です。

姉は、小学生の頃からずっとFさんの世話を担い、今は「弟を見捨てたよう」と申し訳なさを感じています。まずはその長年の苦労や努力を、しっかりと言葉にして受け止めることが大切です。

たとえるなら、これまでの頑張りを「見ていましたよ」と伝えてあげることで、姉の気持ちに寄り添うイメージです。

👉 覚え方:長年の労苦を抱える家族には、まずその歩みを受け止める共感の言葉をかける。

ほかの選択肢:1「これからもしっかりお世話を」という激励は、姉の複雑な気持ち(申し訳なさ・罪悪感)を受け止めていない/2「自傷他害行為があるようには見えませんね」はFさんの状態を軽視するような発言で不適切/4訪問回数を減らす提案は、姉の気持ちに寄り添わない性急な提案/5「もう一度在宅ケアを考えましょう」というのは、慎重な検討を要する重大な提案を安易に持ち出す不適切な対応。

なぜこれが正解か

正解は3。姉が「小学生の頃から、学校が終わるとまっすぐ家に帰り、母親に代わって弟の世話をしてきた」「今は弟を見捨てたようで申し訳ない」と話している場面では、まずその長年にわたる姉の労力・苦労をそのまま受け止め、言葉にして返すことが、共感的な対応として最も適切である。

各選択肢の解説

  • 1 「これからもしっかりお世話をしてください」という発言は、姉のこれまでの苦労を労うことなく、さらなる負担を求めるようなニュアンスを含み、姉の複雑な心情に寄り添っていない。
  • 2 「自傷他害行為があるようには見えませんね」という発言は、施設での落ち着いた様子だけを見て発言しており、Fさんが抱える課題や、姉が長年直面してきた大変さを軽視する不適切な発言である。
  • 4 訪問回数を減らしてはどうかという提案は、姉の申し訳ないという気持ちに寄り添わないまま、一方的に関わりを制限する性急な対応である。
  • 5 施設入所を後悔しているという決めつけとともに、「もう一度在宅ケアを考えましょう」と提案することは、慎重な検討を要する重大な決定を、姉の言葉の一部だけを根拠に安易に持ち出す不適切な対応である。

覚え方・ひっかけ注意

家族が長年の労苦や複雑な感情(罪悪感、申し訳なさ)を語る場面では、まず「その歩みを受け止め、共感する」言葉かけが正解になりやすい。安易な励まし、状態の軽視、性急な提案、重大な決定の即断は、いずれも誤答になりやすいパターン。

理論的背景

本事例の姉は、幼少期から成人期に至るまで、いわゆる「ヤングケアラー」として長年弟の介護を担ってきた経緯があり、施設入所後も「弟を見捨てたようで申し訳ない」という罪悪感(グリーフに近い複雑な感情)を抱えている。こうした家族への支援においては、まずその人がこれまで歩んできた道のり・果たしてきた役割を、専門職として正確に理解し、言葉にして受け止めること(承認)が、信頼関係構築の第一歩となる。これは、第36回 問75(家族の介護体験を共感的に聴く)、38-8(生活史を尊重した声かけ)とも共通する、家族支援における傾聴・受容の基本原則である。姉のケアラーとしての人生の重みを理解した上で、今後の家族としての関わり方(無理のない頻度での面会、心理的な負担の軽減)を、姉自身のペースで考えていけるよう支援することが、長期的な家族支援の方向性となる。

試験での位置づけ

長年介護を担ってきた家族(特にヤングケアラー経験者)への共感的対応は、介護の基本領域・総合問題を横断する重要テーマ。第36回 問75、38-8と一貫した「まず相手の歩みを受け止める」という姿勢を、様々な家族の事例に応用する力が求められる。

選択肢の発展補足

ヤングケアラーとして育った姉自身の人生(学業、友人関係、将来設計等への影響)にも目を向け、姉自身が自分の人生を取り戻せるよう支援することも、施設入所後の家族支援の重要な視点である。

上位資格・発展

家族ソーシャルワーク・ヤングケアラー支援の専門領域では、家族全体のライフサイクルを踏まえたアセスメントと、罪悪感・喪失感への心理的サポート(グリーフケアに近いアプローチ)がより体系的に扱われる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題124。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題124です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。