介護福祉士

介護福祉士 第36回 問題123総合問題

問題

介護福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年1月28日(日)実施・総合問題

Fさん(20 歳,男性)は,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)と重度の知的障害があり,自宅で母親(50 歳),姉(25 歳)と3 人で暮らしている。 Fさんは生活介護事業所を利用している。事業所では比較的落ち着いているが,自宅に帰ってくると母親に対してかみつきや頭突きをすることがあった。また,自分で頭をたたくなどの自傷行為もたびたび見られる。 仕事をしている母親に代わり,小さい頃から食事や排泄の介護をしている姉は,これまでFさんの行動を止めることができていたが,最近ではからだが大きくなり力も強くなって,母親と協力しても止めることが難しくなっていた。 家族で今後のことを考えた結果,Fさんは障害者支援施設に入所することになった。 次のうち,Fさんが自宅に帰ってきたときの状態に該当するものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題123

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは4「強度行動障害」です。

Fさんは自宅に帰ると、母親へのかみつきや頭突き、自分の頭をたたく自傷行為など、周りの人や自分を傷つけてしまうような激しい行動が見られます。このように、本人や周囲の人を傷つける行動が著しく高い頻度でみられる状態を「強度行動障害」といいます。

たとえるなら、周りの人が対応しきれないほど激しい行動が、繰り返し表れてしまっている状態です。

👉 覚え方:自傷・他害行為が著しく高い頻度で見られる状態=強度行動障害。

ほかの選択肢:1学習障害は読み書き計算等、特定の学習領域に困難がある状態で今回の症状とは異なる/2注意欠陥多動性障害は不注意・多動・衝動性を特徴とする状態で今回の激しい自傷他害行為とは異なる/3高次脳機能障害は脳損傷後の認知機能障害でFさんの状態(先天的な自閉症スペクトラム障害・知的障害)とは背景が異なる/5気分障害はうつ病等、気分の変調を主症状とする精神疾患で今回の症状とは異なる。

なぜこれが正解か

正解は4。Fさんが自宅で母親に対してかみつき・頭突きといった他害行為や、自らの頭をたたく自傷行為を高い頻度で繰り返している状態は、自閉症スペクトラム障害と重度の知的障害を背景に、通常の育児・支援環境での対応が著しく困難となる「強度行動障害」に該当する。

各選択肢の解説

  • 1 学習障害(限局性学習症)は、知的発達に遅れがないにもかかわらず、読み書き・計算等の特定の学習領域に著しい困難を示す状態であり、Fさんの症状(重度の知的障害を伴う自傷・他害)とは異なる。
  • 2 注意欠陥多動性障害(ADHD)は、不注意・多動性・衝動性を特徴とする発達障害であり、Fさんの激しい自傷・他害行為の中心的な症状とは異なる。
  • 3 高次脳機能障害は、事故や疾患による脳損傷後に生じる認知機能の障害(第37回 問52、38-97)であり、Fさんの先天的な自閉症スペクトラム障害・知的障害という背景とは異なる。
  • 5 気分障害(うつ病、双極性障害等)は気分の変調を主症状とする精神疾患であり、Fさんの症状パターン(かみつき、頭突き、自傷行為)とは性質が異なる。

覚え方・ひっかけ注意

「自傷・他害行為が著しく頻繁にみられる」という表現から強度行動障害を想起する。発達障害の種類(学習障害、ADHD、自閉症スペクトラム障害)とは別の、行動面の重篤さに着目した概念であることを理解しておく。

理論的背景

強度行動障害とは、自傷、他害、こだわり、物壊し、睡眠の乱れ等の行動が、通常考えられない頻度と形式で出現し、その養育環境では著しく処遇が困難な状態を指す概念で、自閉症スペクトラム障害や重度知的障害のある人にみられることが多い。強度行動障害支援者養成研修等の専門研修が整備されており、行動の背景にある要因(感覚過敏、コミュニケーションの困難、環境の変化への不安等)を丁寧にアセスメントし、構造化された環境調整や、代替行動の獲得支援(応用行動分析:ABAに基づくアプローチ)等の専門的な支援が行われる。Fさんのケースでは、事業所では落ち着いているが自宅では激しい行動がみられるという環境による差異があり、この背景要因の分析が、その後の支援方針(施設入所を含む生活環境の見直し)の検討につながっている。

試験での位置づけ

強度行動障害の概念理解は、障害の理解領域・総合問題を横断する重要テーマ。第36回 問32(自閉症スペクトラム障害の環境変化への対応)、38-74(自閉症スペクトラム障害の症状)とあわせて、発達障害の基本的な特性理解から、より重篤な行動上の課題(強度行動障害)への理解へと発展させて学習しておくことが重要。

選択肢の発展補足

強度行動障害のある人への支援では、家族(特に本事例の姉のような、長年主たる介護を担ってきた家族)の負担が極めて大きくなりやすく、本人への直接支援と並行して、家族支援(レスパイトケア、心理的サポート、第36回 問124)も重要な支援課題となる。

上位資格・発展

行動障害支援の専門領域では、強度行動障害判定基準表を用いた評価や、環境調整・構造化支援(TEACCHプログラム)、医療との連携(向精神薬による症状緩和)を組み合わせた総合的な支援体制の構築がより専門的に扱われる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題123。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題123です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。