介護福祉士

介護福祉士 第36回 問題122総合問題

問題

介護福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年1月28日(日)実施・総合問題

Eさん(34 歳,女性,障害支援区分3 )は,特別支援学校の高等部を卒業後,週2回,生活介護を利用しながら自宅で生活している。Eさんはアテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(cerebral palsy)で不随意運動があり,首を振る動作が見られる。 食事は首の動きに合わせて,自助具を使って食べている。食事中は不随意運動が強く,食事が終わると,「首が痛い,しびれる」と言ってベッドに横になるときがある。 また,お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが,コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた。日頃から自分のことは自分でやりたいと考えていて,お茶が上手に飲めなくなってきたことを気にしている。 Eさんは,生活介護事業所で油絵を描くことを楽しみにしている。以前から隣町の油絵教室に通い技術を高めたいと話していた。そこでEさんは,「自宅から油絵教室に通うときの介助をお願いするにはどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。 介護福祉職は,Eさんが隣町の油絵教室に通うことができるようにサービスを提案したいと考えている。 次のうち,Eさんが利用するサービスとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題122

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは3「移動支援」です。

移動支援は、通院や通所以外の、趣味の活動や社会参加のための外出(今回でいう油絵教室への通所)を手伝ってくれるサービスです。

たとえるなら、日常のお出かけとは別に、「自分がやりたいことのための外出」を手伝ってくれるサービスです。

👉 覚え方:趣味・社会参加のための外出支援=移動支援。

ほかの選択肢:1自立生活援助は一人暮らしを始めた後の定期的な訪問支援で今回の課題(外出の同行)とは異なる/2療養介護は医療と常時の介護を必要とする人向けの施設系サービス/4自立訓練は身体機能や生活能力の向上を目的とした訓練で外出の同行支援そのものではない/5同行援護は視覚障害者向けの移動支援でEさんの障害(脳性麻痺)とは対象が異なる。

なぜこれが正解か

正解は3。Eさんが隣町の油絵教室に通うための外出支援を必要としている状況では、通院・通所等以外の社会参加・余暇活動のための移動を支援する「移動支援」(障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業の一つ、第36回 問14)を利用することが最も適切である。

各選択肢の解説

  • 1 自立生活援助は、施設や病院から一人暮らしに移行した障害者を対象に、定期的な巡回訪問等で生活状況を確認する支援であり、油絵教室への通所という個別の外出支援とは目的が異なる。
  • 2 療養介護は、医療的ケアと常時の介護を必要とする障害者が施設に通所または入所して受けるサービスであり、Eさんの状況(自宅で生活しながら生活介護を利用)には合致しない。
  • 4 自立訓練(機能訓練・生活訓練)は、身体機能や日常生活能力の維持・向上を目的とした訓練サービスであり、外出そのものへの同行支援を提供するものではない。
  • 5 同行援護は、視覚障害により移動に著しい困難がある人を対象とする移動支援サービスであり、脳性麻痺によるアテトーゼ(不随意運動)が主な障害特性であるEさんには対象が異なる。

覚え方・ひっかけ注意

移動系サービス(重度訪問介護、同行援護、行動援護、移動支援事業)の対象となる障害特性の違い(第36回 問14、38-6)を正確に押さえ、Eさんのような肢体不自由(不随意運動)があり、余暇活動(油絵教室)のための外出を希望するケースには、移動支援事業が最も適合することを理解しておく。

理論的背景

移動支援事業は、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業の必須事業の一つとして市町村が実施するもので、社会生活上必要不可欠な外出(官公署への外出等)や、社会参加のための外出(買い物、余暇活動、趣味の活動等)を対象に、ガイドヘルパー等による移動の介助を提供する。重度訪問介護・同行援護・行動援護が、特定の障害特性(重度の肢体不自由・知的精神障害等、視覚障害、知的精神障害による行動上の困難)を対象とする個別給付(自立支援給付)であるのに対し、移動支援事業は、これらの対象要件に必ずしも合致しない、より幅広い外出ニーズに対応する地域生活支援事業として位置づけられる点が特徴である。Eさんのように、脳性麻痺による身体障害があり、趣味(油絵)を通じた社会参加を希望する場合、この移動支援事業の活用が、生活の質を高める重要な社会資源となる。

試験での位置づけ

移動系サービスの使い分けは、障害の理解領域・社会の理解領域・総合問題を横断する頻出テーマ。第36回 問14(移動系サービスの対象者)、38-6(行動援護の活用)とあわせて、それぞれのサービスの対象となる障害特性と、給付の位置づけ(自立支援給付か地域生活支援事業か)を体系的に整理しておくことが、総合問題での的確な選択につながる。

選択肢の発展補足

移動支援事業は市町村の裁量的事業であるため、支給量やサービス提供の仕組みに地域差があることも実務上の留意点であり、相談支援専門員等と連携しながら、地域の実情に応じたサービス利用計画を検討することが重要である。

上位資格・発展

相談支援専門員の実務では、利用者の余暇活動・社会参加のニーズを丁寧に聴き取り、個別給付と地域生活支援事業を組み合わせた総合的な支援計画(サービス等利用計画)を作成する調整能力がより実践的に扱われる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題122。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題122です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。