問題
幼稚園児のJさん(6 歳,男性)には,広汎性発達障害(pervasive developmental disorder)がある。砂場で砂だんごを作り,きれいに並べることが好きで,毎日,一人で砂だんごを作り続けている。 ある日,園児が帰宅した後に,担任が台風に備えて砂場に青いシートをかけておいた。翌朝,登園したJさんが,いつものように砂場に行くと,青いシートがかかっていた。Jさんはパニックになり,その場で泣き続け,なかなか落ち着くことができなかった。 担任は,Jさんにどのように対応すればよかったのか,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題32
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは2「前日に,『あしたは,台風が来るので砂場は使えないよ』と伝える」です。
自閉症スペクトラムのあるJさんは、急な変化が苦手で、見通しが立たないとパニックになりやすい特性があります。「明日は台風で砂場が使えなくなる」と、理由と結果をセットで前もって伝えておくことで、心の準備ができ、パニックを防げます。
たとえるなら、予定変更の情報を「事前に、具体的に」伝えることが、見通しを持ちにくい人への大切な配慮です。
👉 覚え方:見通しが苦手な子には「事前に」「具体的に」伝える。
ほかの選択肢:1台風が来るとだけ伝えても「砂場が使えなくなる」という肝心の結果が伝わらない/3「おだんご屋さんは閉店」という比喩表現は言葉通りに受け取りやすい特性上かえって分かりにくい/4・5当日その場での説明では、すでに変化が起きた後で見通しを持てないまま直面させてしまう。
なぜこれが正解か
正解は2。広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)のある子どもは、急な環境変化への対応が難しく、事前に見通しを持てないことがパニックの誘因となりやすい。前日の段階で「台風が来るので砂場が使えなくなる」という具体的な理由と結果をセットで伝えることが、パニックを予防する適切な対応となる。
各選択肢の解説
- 1 「台風が来るよ」という情報だけでは、Jさんの生活に直結する「砂場が使えなくなる」という結果が伝わらず、見通しとして不十分。
- 3 「おだんご屋さんは閉店です」という比喩的な表現は、字義通りに物事を受け取りやすいという自閉症スペクトラム障害の特性上、かえって理解を妨げる可能性がある。
- 4・5 当日、砂場に到着してその場で伝える対応は、すでに変化が生じた後の説明であり、事前に見通しを持たせるという配慮ができていない。
覚え方・ひっかけ注意
自閉症スペクトラム障害の特性(見通しの持ちにくさ、変化への適応の困難、字義通りの理解)を踏まえた対応の原則は「事前に」「具体的に」「はっきりと」伝えることが軸となる。比喩・婉曲表現や、当日の急な説明は避けるべき対応として選択肢から除外する。
理論的背景
自閉症スペクトラム障害(ASD)の中核特性の一つに「同一性への固執(こだわり)」があり、予測できない変化やルーティンの崩れに強い不安・パニックを示すことがある。これは「見通しの立てにくさ」に起因するとされ、視覚的・具体的な情報提供(絵カード、スケジュール表等)や、事前の予告により変化への心理的準備を促す対応(構造化:TEACCHプログラム等で重視される支援手法)が有効とされる。また、比喩・皮肉・婉曲表現の理解が困難な「字義通りの解釈」という特性も踏まえ、平易で具体的な言葉での説明が推奨される。
試験での位置づけ
自閉症スペクトラム障害の特性理解とそれに応じた対応(事前の見通しの提供、具体的な言葉での説明、視覚的支援の活用)は、発達と老化の理解領域・障害の理解領域を横断する頻出テーマ。第38回 問74(自閉症スペクトラム障害の症状特徴)とあわせて、特性と支援方法をセットで理解しておくと得点効率が高い。
選択肢の発展補足
環境の変化を事前に伝える際は、言葉だけでなく写真やイラスト、スケジュール表等の視覚的な手がかりを併用することで、より確実に見通しを伝えることができる(視覚支援・構造化の考え方)。本事例のような日課・こだわり行動(砂だんご作り)がある場合、代替できる活動の提案とあわせて予告することも実践的な配慮の一つ。
上位資格・発展
発達障害支援の専門領域では、TEACCHプログラム(自閉症の人の特性に合わせた環境の構造化を重視する療育・支援アプローチ)や、ソーシャルストーリー(社会的な状況を具体的に説明する技法)等、より体系的な支援技法が学ばれる。保育士・児童発達支援の専門職との連携も、こうした特性理解に基づいて行われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題32です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

