介護福祉士

介護福祉士 第36回 問題44認知症の理解

問題

介護福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年1月28日(日)実施・認知症の理解

Lさん(78 歳,女性,要介護1 )は,3 年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し,夫の介護を受けながら二人で暮らしている。ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると夫から,「用事で外出しようとすると『外で女性に会っている』と言って興奮することが増えて困っている」と相談を受けた。 Lさんの症状に該当するものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題44

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは3「嫉妬妄想」です。

Lさんが「夫が外で女性に会っている」と思い込んで興奮するのは、配偶者の浮気を疑う「嫉妬妄想」と呼ばれる症状です。認知症の行動・心理症状(BPSD)の一つとして知られています。

たとえるなら、実際には何もないのに「パートナーが浮気しているのでは」という強い思い込みにとらわれてしまう状態です。

👉 覚え方:配偶者の浮気を疑う思い込み=嫉妬妄想。

ほかの選択肢:1誤認(人や物を別のものと取り違えること)/2観念失行(一連の動作の順序がわからなくなる失行)/4視覚失認(目で見たものが何であるか認識できない)/5幻視(実際にはないものが見える、レビー小体型認知症で特徴的)。いずれも今回の症状とは異なる。

なぜこれが正解か

正解は3。Lさんが夫の外出に対し「外で女性に会っている」と思い込み興奮する症状は、配偶者の不貞を根拠なく疑う嫉妬妄想であり、認知症のBPSD(行動・心理症状)としてしばしばみられる妄想の一つである。

各選択肢の解説

  • 1 誤認は、目の前の人や物を別のものと取り違える認知の誤りを指し、嫉妬妄想のような特定のテーマを持つ思い込みとは異なる。
  • 2 観念失行は、一連の動作を正しい順序で行うことができなくなる失行の一種であり、妄想とは全く異なる症状カテゴリー。
  • 4 視覚失認は、視覚機能自体には異常がないのに、見たものが何であるかを認識できない状態であり、妄想とは異なる。
  • 5 幻視は、実際には存在しないものが見える知覚の異常であり、特にレビー小体型認知症で特徴的な症状だが、本事例のような「浮気を疑う」思考内容とは異なる。

覚え方・ひっかけ注意

「認知症の妄想の種類」は、物盗られ妄想(物を盗まれたと思い込む)、嫉妬妄想(配偶者の浮気を疑う)、被害妄想(危害を加えられると思い込む)、心気妄想(病気だと思い込む)等に分類される。それぞれのテーマ(何を疑うか)で区別して覚える。

理論的背景

嫉妬妄想は、配偶者や介護者の不貞を根拠なく確信する妄想で、認知症の初期〜中期にかけてアルツハイマー型認知症でも比較的みられる症状の一つ。特に、記憶障害により配偶者の日々の行動を正確に把握できなくなることや、自身の身体機能・魅力の低下への不安、環境の変化に対する不安等が背景として関与するとされる。妄想の内容を頭ごなしに否定すると本人の興奮を強める可能性があるため、まず不安な気持ちを受け止め、安心感を与える対応(傾聴、話題の転換、行動を見せることでの安心の提供等)が実践される。

試験での位置づけ

認知症の妄想の分類(物盗られ妄想、嫉妬妄想、被害妄想、心気妄想、カプグラ症候群、幻の同居人等)は認知症の理解領域の頻出テーマ。第38回 問81でも妄想の分類を問う出題があり、各妄想のテーマとキーワードをセットで正確に覚えることが得点の鍵となる。

選択肢の発展補足

嫉妬妄想への対応の基本は、妄想の内容を論理的に否定・説得しようとせず、本人の不安な気持ちに寄り添いながら安心できる関わりを続けることとされる。同時に、こうした妄想が介護者(多くは配偶者)にとって大きな精神的負担となるため、家族への支援(レスパイトケア、家族会の紹介等)も重要な視点となる。

上位資格・発展

老年精神医学の分野では、BPSDに対する非薬物療法(環境調整、パーソン・センタード・ケア)と薬物療法(抗精神病薬使用の適応と副作用リスク)の使い分けがより専門的に扱われる。介護福祉士としては、妄想への直接的な対応だけでなく、その背景にある本人の不安や介護者の負担にも目を向ける視点が重要である。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題44。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題44です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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