問題
Bさん(60 歳,男性)は,一人暮らしをしている。糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)による視覚障害(身体障害者手帳1 級)があり,末梢神経障害の症状がでている。Bさんの日常生活において,介護福祉職が留意すべき点として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題53
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは4「足先の傷や壊疽などの病変」です。
Bさんは糖尿病が原因で視覚障害があり、さらに末梢神経障害(手足の感覚が鈍くなる症状)も出ています。感覚が鈍いと、足にできた小さな傷や靴擦れに気づきにくく、そのまま悪化して壊疽(組織が腐ってしまうこと)に進んでしまうリスクが高いため、足の観察が特に重要です。
たとえるなら、痛みというセンサーが弱っているために、小さなケガに気づけないまま大きな傷になってしまう危険があるということです。
👉 覚え方:糖尿病の合併症=足の観察(フットケア)が最重要。
ほかの選択肢:1水晶体の白濁は白内障の所見(糖尿病性網膜症とは別の病態)/2口腔粘膜・外陰部の潰瘍はベーチェット病等でみられる症状/3振戦や筋固縮はパーキンソン病の症状/5感音性の難聴は加齢性難聴等でみられる症状で、糖尿病の末梢神経障害の観察点としては足病変の方が優先度が高い。
なぜこれが正解か
正解は4。糖尿病性の末梢神経障害があると、足の感覚(痛覚・温度覚)が鈍くなり、小さな傷や靴擦れ、熱傷等に気づきにくくなる。さらに視覚障害(糖尿病性網膜症)により目視での確認も困難であるため、足先の傷や壊疽などの病変を見落とすリスクが高く、日常的な観察とケア(フットケア)が特に重要な留意点となる。
各選択肢の解説
- 1 水晶体の白濁は白内障の所見であり、Bさんの視覚障害の原因(糖尿病性網膜症)とは異なる病態の説明。
- 2 口腔粘膜や外陰部の潰瘍は、ベーチェット病等の別の疾患でみられる症状であり、糖尿病の合併症としては典型的でない。
- 3 振戦や筋固縮は、パーキンソン病でみられる運動症状であり、糖尿病の末梢神経障害とは異なる病態。
- 5 感音性の難聴は加齢性難聴等の要因でみられる症状であり、本事例の糖尿病の合併症の観察点としては、足病変ほど優先度の高い留意点ではない。
覚え方・ひっかけ注意
糖尿病の三大合併症(網膜症・腎症・神経障害)を押さえたうえで、視覚障害と末梢神経障害が重なる場合は「足の観察(自分で目視できない、感覚も鈍い)」が特に重要になるという臨床的な結びつきを理解しておく。
理論的背景
糖尿病の三大合併症は、糖尿病性網膜症(視覚障害)、糖尿病性腎症(腎機能障害)、糖尿病性神経障害(末梢神経障害・自律神経障害)であり、いずれも高血糖状態が長期間持続することによる血管・神経障害を基盤とする。末梢神経障害により感覚(特に痛覚・温度覚)が低下すると、足の小さな傷や靴擦れに気づきにくくなり、細菌感染や血流障害(糖尿病性壊疽)を合併しやすくなる(糖尿病足病変)。視覚障害が重なると自己での足の観察も困難になるため、家族・介護者による定期的な視診・触診(フットケア)と、専門的なフットケア外来との連携が重要とされる。
試験での位置づけ
糖尿病の合併症とその生活への影響は障害の理解領域・こころとからだのしくみ領域を横断する頻出テーマ。視覚障害と身体障害(神経障害)が重なる重複障害の事例は、単一の障害よりも生活上のリスクが複合的に高まる点を理解する練習問題として位置づけられる。
選択肢の発展補足
フットケアの具体的な実践としては、毎日の足の観察(家族や訪問介護員による代行を含む)、爪切りの際の慎重な対応(深爪を避ける)、靴のサイズ・形状の確認(圧迫や靴擦れの予防)、保湿ケア(乾燥によるひび割れの予防)等が挙げられる。糖尿病性壊疽が進行すると下肢切断に至るケースもあり、早期発見・早期対応が極めて重要である。
上位資格・発展
糖尿病看護・フットケア専門看護の分野では、モノフィラメント検査(感覚の程度を評価する検査)や、糖尿病足病変のリスク分類に基づく専門的なケアプランの立案がより専門的に扱われる。介護福祉士としては、日々の入浴介助・更衣介助の際に足の状態を観察し、異常があれば速やかに看護職員・医療機関に報告する視点が重要である。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題53です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

