介護福祉士

介護福祉士 第36回 問題54障害の理解

問題

介護福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年1月28日(日)実施・障害の理解

Cさん(55 歳,男性)は,5 年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。現在は症状が進行して,日常生活動作に介護が必要で,自宅では電動車いすと特殊寝台を使用している。 次の記述のうち,Cさんの現在の状態として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題54

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは3「身体の痛みがわかる」です。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、体を動かす神経(運動神経)が徐々に働かなくなる病気ですが、痛みや温度を感じる神経(感覚神経)は比較的保たれることが大きな特徴です。そのため、体が動かせなくなっても、痛みなどの感覚はしっかり感じ取ることができます。

たとえるなら、体を動かす「スイッチ」は壊れていっても、感じる力(センサー)は最後まで生きているイメージです。

👉 覚え方:ALS=運動機能は失われても感覚(痛み等)は保たれる。

ほかの選択肢:1嚥下機能が低下し誤嚥せずに食事することは困難になっていく/2構音障害が進行し明瞭に話すことは困難になる/4呼吸筋・咳嗽力の低下により自力での喀痰排出は困難になる/5上肢の筋力低下により箸を上手に使うことは困難になる。

なぜこれが正解か

正解は3。ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、運動神経(運動ニューロン)が選択的に障害される進行性の神経変性疾患であり、感覚神経は末期に至るまで比較的保たれることが大きな特徴である。そのため、日常生活動作全般に介護が必要となる進行期においても、身体の痛みを感じる感覚機能自体は保たれる。

各選択肢の解説

  • 1 ALSでは球麻痺(延髄が支配する筋肉の障害)により嚥下機能が低下し、誤嚥せずに食事することが次第に困難になる。
  • 2 同様に構音に関わる筋肉の障害(球麻痺)により、明瞭に話すことが困難になる(進行すると意思伝達装置等の代替コミュニケーション手段が必要になる)。
  • 4 呼吸筋の筋力低下により咳嗽力(咳をする力)が低下し、痰を自力で排出することが困難になる(喀痰吸引等の医療的ケアが必要になる)。
  • 5 上肢の筋力低下により、箸のような細かい動作を伴う道具の使用が困難になる。

覚え方・ひっかけ注意

ALSは「運動機能は進行性に失われるが、感覚機能・知的機能・眼球運動・膀胱直腸機能(排泄機能)は比較的末期まで保たれる」という特徴を持つ疾患であり、この「保たれる機能」と「失われる機能」の対比を正確に理解しておくことが本問のような出題への対策になる。

理論的背景

ALSは、大脳皮質から脊髄・末梢神経に至る運動ニューロン(上位運動ニューロンと下位運動ニューロン)が選択的に変性・消失する進行性の神経難病で、四肢の筋力低下・筋萎縮、球麻痺(嚥下・構音障害)、呼吸筋麻痺が主な症状として進行する。一方、感覚神経、眼球運動を支配する神経、膀胱直腸機能を支配する神経、知的機能は比較的末期まで保たれることが多いとされる(ただし例外的に眼球運動障害や認知機能低下を伴う病型もある)。この「保たれる機能」の存在が、コミュニケーション支援(文字盤、意思伝達装置、近年は脳波を用いた装置等)や、本人の意思を尊重した療養生活の実現において重要な意味を持つ。

試験での位置づけ

ALSの病態と症状の進行は障害の理解領域・医療的ケア領域を横断する重要テーマ。「何が失われ、何が保たれるか」という視点は、本人の尊厳を保ったケア(感覚は保たれているため、丁寧な声かけ・説明を怠らない等)の理論的根拠としても重要である。

選択肢の発展補足

ALSの進行に伴い、人工呼吸器の装着(気管切開下陽圧換気:TPPV)を選択するかどうかという重大な意思決定を、本人が比較的早い段階から迫られることになる。第38回 問2(ALSの事例)とも関連し、こうした人生の最終段階における意思決定支援・ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の重要性が、ALSケアにおいて特に強調される。

上位資格・発展

神経内科学の分野では、ALSの診断基準、進行度の評価(ALSFRS-R:機能評価スケール)、対症療法(呼吸管理、栄養管理、コミュニケーション支援)がより専門的に扱われる。介護福祉士としては、感覚・意識が保たれた状態で身体機能を失っていくという特有の苦痛を理解し、コミュニケーション支援を含めた丁寧な関わりを持つことが重要である。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題54。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題54です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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