問題
認知機能障害による生活への影響に関する記述として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題45
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「相貌失認により,目の前の家族がわからない」です。
「相貌失認」は、視力に問題がないのに、人の顔を見てもそれが誰かわからなくなる症状です。この症状があると、たとえ毎日会っている家族でも、顔を見ただけではその人が誰かわからなくなってしまいます。
たとえるなら、目には見えているのに、「顔から人を特定する」という脳の働きだけがうまくいかなくなっているイメージです。
👉 覚え方:相貌失認=顔を見てもそれが誰かわからない。
ほかの選択肢:1自宅がわからないのは遂行機能障害ではなく見当識障害・視空間認知障害の方が近い/2記憶障害があるからといって出された食事を食べないという行動に直結するとは限らない/4今日の日付がわからないのは視空間認知障害ではなく見当識障害(特に時間の見当識)の症状/5病識低下はうつ状態を招くというより逆に病識が保たれている段階でうつ的な反応が生じやすいとされる。
なぜこれが正解か
正解は3。相貌失認は、視覚機能自体には異常がないにもかかわらず、人の顔を見てそれが誰であるかを認識できなくなる高次脳機能障害の一種であり、進行すると日常的に接している家族の顔さえ識別できなくなることがある。
各選択肢の解説
- 1 「自宅がわからない」という症状は、遂行機能障害(計画立案・順序立てて物事を行う能力の障害)よりも、見当識障害(場所の見当識)や視空間認知障害と関連づけて説明する方が適切。
- 2 記憶障害があることと、出された食事を食べないという行動との間には直接的な因果関係が一律に成立するわけではなく、この説明は不正確。
- 4 「今日の日付がわからない」という症状は、視空間認知障害ではなく、見当識障害(特に時間の見当識の障害)として説明するのが適切。
- 5 病識の低下(自分の記憶障害等を自覚できなくなること)はうつ状態を招きやすくするというより、むしろ病識が比較的保たれている段階(初期)の方が、自分の変化を自覚することで心理的な苦痛・抑うつが生じやすいとされる。
覚え方・ひっかけ注意
認知機能障害の種類(記憶障害、見当識障害、遂行機能障害、視空間認知障害、失認、失行、病識低下)と、それぞれが生活のどんな場面にどう影響するかを正しく対応させる練習が重要。似たような症状(相貌失認と視空間認知障害等)を混同する選択肢が並ぶ典型的な出題パターン。
理論的背景
相貌失認は、後頭葉から側頭葉にかけての紡錘状回(顔認識に特化した脳領域)の機能障害によって生じるとされ、アルツハイマー型認知症の進行期にみられることがある。視覚そのものの障害(視力低下)とは異なり、「見えているが、顔から人物を同定する」という高次な認知処理の障害である点が特徴。認知症の中核症状は、記憶障害、見当識障害、理解・判断力の障害、遂行機能障害、失行・失認・失語といった要素で構成され、それぞれが生活のどの場面にどのような支障をもたらすかを具体的に理解することが、介護計画の立案(本回介護過程領域との関連)にもつながる。
試験での位置づけ
認知機能障害と生活への影響の対応関係は、認知症の理解領域の最頻出テーマ。第38回 問88(遂行機能障害の具体例)とあわせて、記憶障害・見当識障害・遂行機能障害・失認・失行それぞれの定義と生活場面での現れ方を一覧で整理しておくことが効率的な学習法。
選択肢の発展補足
相貌失認のある利用者への対応としては、顔だけでなく、声のトーンや話し方、服装、名札等、顔以外の手がかりを活用してコミュニケーションを取る工夫が有効とされる。家族が「自分のことを忘れられた」とショックを受けることも多く、家族への説明・心理的支援も重要な視点となる。
上位資格・発展
神経心理学の分野では、相貌失認の評価(顔写真を用いた認識テスト)や、脳画像検査(MRI・SPECT等)による責任病巣の特定がより専門的に扱われる。介護福祉士としては、こうした個別の認知機能障害の特性を理解し、利用者ごとの残存能力を活かしたコミュニケーション方法を工夫する視点が実践的に重要である。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題45です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

