問題
Aさん(48 歳,女性,要介護1 )は,若年性認知症(dementia with early onset)で,夫,長女(高校1 年生)と同居している。Aさんは家族と過ごすことを希望し,小規模多機能型居宅介護で通いを中心に利用を始めた。Aさんのことが心配な長女は,部活動を諦めて学校が終わるとすぐに帰宅していた。 ある日,夫が,「長女が,学校の先生たちにも相談しているが,今の状況をわかってくれる人がいないと涙を流すことがある」と介護福祉職に相談をした。 夫の話を聞いた介護福祉職の対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題68
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「同じような体験をしている人と交流できる場について情報を提供する」です。
若い母親の介護を一人で背負い込んでいる長女は、周りに同じ状況をわかってくれる人がいないことに孤独を感じています。同じような立場の人と出会い、気持ちを分かち合える場(若年性認知症の家族会等)を紹介することで、長女の孤立感を和らげることができます。
たとえるなら、同じ悩みを持つ仲間と出会うことで、「自分だけじゃないんだ」と感じられるようにするイメージです。
👉 覚え方:孤立している家族には、同じ体験をする仲間との出会いの場を紹介する。
ほかの選択肢:1家事の方法を教えるのは長女の孤立感という核心的な課題への直接的な対応にならない/2夫を励ますだけでは長女自身の心理的な孤立は解消されない/4施設入所の提案は本人・家族の希望(在宅での通いを中心とした生活)に反する時期尚早な提案/5サービス変更の提案は長女の孤立への直接的な対応にはならない。
なぜこれが正解か
正解は3。若年性認知症の親を持つ子どもは、同世代に同じ悩みを共有できる相手が少なく、深い孤立感を抱えやすい。長女が「わかってくれる人がいない」と涙を流している状況に対しては、同じような体験をしている家族・子どもたちと交流できる場(若年性認知症の家族会、ヤングケアラー支援の場等)の情報を提供することが、孤立感の軽減に向けた最も適切な対応となる。
各選択肢の解説
- 1 家事の方法を教えることは、長女の負担軽減に一定寄与する可能性はあるが、「わかってくれる人がいない」という心理的孤立という核心的な課題への直接的な対応にはならない。
- 2 家族にもっと頑張るよう夫を励ます対応は、家族全体(特に長女)の負担をむしろ増やす方向に働きかねず、長女の心理的孤立の解消にはつながらない。
- 4 介護老人福祉施設への入所の申込みを勧めることは、Aさんと家族が希望する「家族と過ごす」「通いを中心とした在宅生活」という方針と矛盾する、時期尚早な提案である。
- 5 介護サービスの変更を提案することは選択肢としてありうるが、長女が抱える孤立感という心理的な課題そのものへの直接的な対応としては不十分。
覚え方・ひっかけ注意
家族介護者(特にヤングケアラーのように支援が届きにくい立場の家族)の心理的孤立への対応では、「同じ立場の人とのつながり(ピアサポート)」を紹介する選択肢が正解になりやすいパターンを押さえる。
理論的背景
若年性認知症は、就労世代・子育て世代での発症であるため、配偶者だけでなく子ども世代への影響も大きく、特に思春期の子どもが親の介護・家事を担う「ヤングケアラー」の状態に陥りやすいことが近年注目されている。ヤングケアラーは、学業や部活動、友人関係等、本来その年代で経験すべき機会を犠牲にしがちで、孤立感や将来への不安を抱えやすいとされる。支援としては、家族会・ピアサポートの場の紹介に加え、学校(スクールソーシャルワーカー等)との連携、若年性認知症支援コーディネーター(第36回 問43、38-82)による家族全体を視野に入れた支援が重要となる。
試験での位置づけ
若年性認知症の家族支援(特に子ども世代・ヤングケアラーへの視点)は、介護の基本領域・発達と老化の理解領域を横断する近年の重要テーマ。第38回 問90(家族の受容過程)ともあわせて、本人だけでなく家族全体を支援の対象として捉える視点を体系的に理解しておくことが重要。
選択肢の発展補足
ヤングケアラー支援については、2021年に厚生労働省・文部科学省が合同でプロジェクトチームを設置し、早期発見・把握、相談支援体制の整備、教育現場との連携強化等の施策が進められている。介護福祉職は、利用者の家族の中に負担を抱える子どもがいないか、日頃の関わりの中で気づく視点を持つことが求められる。
上位資格・発展
スクールソーシャルワーカー・社会福祉士の実務では、ヤングケアラーの早期発見のためのアセスメントツールや、教育・福祉の連携体制の構築がより実践的に扱われる。介護福祉士としては、家族全体を視野に入れたケア(第36回 問58の家族アセスメントの視点とも関連)を実践することが求められる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題68です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

