問題
Gさん(70 歳,女性,要介護1 )は,有料老人ホームに入居していて,網膜色素変性症(retinitis pigmentosa)による夜盲がある。ある日の夕方,Gさんがうす暗い廊下を歩いているのをH介護福祉職が発見し,「Hです。大丈夫ですか」と声をかけた。Gさんは,「びっくりした。見えにくくて,わからなかった…」と暗い表情で返事をした。 このときのGさんに対するH介護福祉職の受容的な対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題78
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは1「『驚かせてしまいましたね。一緒に歩きましょうか』」です。
Gさんは暗い場所で見えにくくなり、驚いて不安な気持ちになっています。まずはその驚きや不安な気持ちをそのまま受け止め、「一緒に歩きましょうか」と寄り添う姿勢を示すことが、受容的な対応の第一歩です。
たとえるなら、驚かせてしまったことをまず認め、そばに寄り添って一緒に歩いてあげるイメージです。
👉 覚え方:受容的対応=まず気持ちを受け止め、寄り添う行動を示す。
ほかの選択肢:2電気をつけることを提案するのは実用的だが、まず気持ちを受け止める言葉が先に必要/3点字の練習の提案は今この場面で急に持ち出すには時期尚早かつ夜盲の症状とは直接関係が薄い/4白杖の使用の確認・提案も今すぐの受容的な対応としては性急すぎる/5「暗い顔をしないでください。頑張りましょう」は励ましの押し付けで受容的とは言えない。
なぜこれが正解か
正解は1。夜盲により暗い廊下で見えにくくなり驚き、不安な表情を見せたGさんに対しては、まず「驚かせてしまいましたね」とその体験・気持ちをそのまま受け止め、「一緒に歩きましょうか」と実際に寄り添う姿勢を示すことが、受容的な対応として最も適切である。
各選択肢の解説
- 2 「電気をつけたほうがいい」という提案は実用的な解決策ではあるが、まずGさんの驚き・不安な気持ちを受け止める言葉かけを飛ばして、いきなり解決策の提示に進んでおり、受容的な対応としては順序が異なる。
- 3 点字の練習を今すぐ提案することは、夜盲(暗い場所で見えにくくなる症状)への直接的な対応としては的外れであり、また時期尚早な提案でもある。
- 4 白杖の使用を確認・提案することも、今この場面での気持ちへの寄り添いよりも先に、具体的な対策の提示に急いでいる点で、受容的な対応としては適切でない。
- 5 「暗い顔をしないでください。頑張りましょう」という発言は、Gさんの不安な気持ちを否定し、励ましを一方的に押し付ける対応であり、受容的とは言えない。
覚え方・ひっかけ注意
「受容的な対応」を問う設問では、具体的な解決策の提示(電気をつける、点字、白杖等)よりも先に、まず本人の気持ちをそのまま受け止める言葉かけが正解になりやすいパターンを押さえる。
理論的背景
受容とは、バイステックの7原則の一つにも数えられる援助関係の基本原則で、利用者のありのままの感情・状態を、良い悪いと評価せずに受け止めることを指す。中途で視覚障害(本事例では網膜色素変性症による夜盲)が進行した人は、見えにくさによる不安や戸惑い、時に自尊心の低下を経験しやすく、こうした心理的な動揺への配慮なしに、いきなり機能的な対策(環境調整、補助具の使用等)を提示することは、本人の感情を置き去りにした対応になりかねない。受容的な対応は、①まず感情を受け止める(共感的な言葉かけ)、②安心感を伝える(一緒に行動する等)、③その上で必要に応じて実用的な提案を行う、という段階を踏むことが望ましいとされる。
試験での位置づけ
受容的な対応・言葉かけを選ぶ事例問題は、コミュニケーション技術領域の頻出パターン。第36回 問77(抑うつ状態のFさんへの共感的対応)と同様の「まず気持ちを受け止める」という原則が、障害受容の過程にある人への対応にも一貫して適用される点を理解しておくことが重要。
選択肢の発展補足
夜盲のある人への実用的な環境配慮(照明を明るくする、足元の障害物を取り除く、廊下の手すりの活用等)は、感情面への配慮の後に、本人の状態を見ながら段階的に提案していくことが望ましい。網膜色素変性症は進行性の疾患であることが多く、今後の見え方の変化に応じた継続的な支援(第37回 問53の視覚障害支援の視点)も重要となる。
上位資格・発展
視覚障害リハビリテーションの専門領域では、中途視覚障害者の障害受容プロセス(第36回 問51)に応じた段階的な支援(歩行訓練、点字・音声機器の導入時期の見極め等)がより専門的に扱われる。介護福祉士としては、本人の心理的な準備段階を見極めながら、焦らず寄り添う姿勢を持つことが重要である。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題78です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

