介護福祉士

介護福祉士 第36回 問題9社会の理解

問題

介護福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年1月28日(日)実施・社会の理解

地域福祉において,19 世紀後半に始まった,貧困地域に住み込んで実態調査を行いながら住民への教育や生活上の援助を行ったものとして,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」問題9

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは5「セツルメント」です。

セツルメントとは、19世紀後半にイギリスで始まった活動で、貧しい地域に大学生や知識人が実際に住み込み、住民に教育をしたり生活の相談にのったりした取り組みです。

たとえるなら、困っている地域に「一緒に住んで寄り添いながら支える」というスタイルの活動です。

👉 覚え方:セツルメント=「住み込んで支える」地域福祉の原点。

ほかの選択肢:1 WHOは国際機関で活動内容が異なる/2 福祉事務所は行政の相談窓口/3 地域包括支援センターは現代日本の高齢者支援機関/4 生活協同組合は組合員による共同購入等の組織。

なぜこれが正解か

正解は5。セツルメントは19世紀後半のイギリス(トインビーホールが有名)で始まった運動で、知識人が貧困地域に住み込み、実態調査をしながら住民への教育・生活相談・環境改善に取り組んだ。地域福祉・コミュニティワークの源流の一つとされる。

各選択肢の解説

  • 1 世界保健機関(WHO)は国連の専門機関で、保健・衛生に関する国際協力を担う組織であり、セツルメント活動とは性格が異なる。
  • 2 福祉事務所は日本の行政機関であり、福祉六法に基づく相談・措置等を行う現代の公的機関。
  • 3 地域包括支援センターは介護保険法に基づく日本の高齢者支援機関で、時代・性格ともにセツルメントとは異なる。
  • 4 生活協同組合は組合員による共同購入・共済活動等を行う協同組合組織であり、住み込み型の支援活動ではない。

覚え方・ひっかけ注意

「19世紀後半」「住み込み」「実態調査」というキーワードが出たらセツルメントを想起する。日本ではその後、片山潜のキングスレー館など、セツルメント運動の影響を受けた活動が展開された点も関連知識として押さえておく。

理論的背景

セツルメント運動は1884年にロンドンで設立されたトインビーホールを起点とし、アメリカではジェーン・アダムズによるハルハウスが著名。地域住民との「隣人関係」を基盤に、教育・保健・生活改善を支援する実践は、後のコミュニティワーク(地域援助技術)の理論的基盤となった。日本でも明治期に片山潜のキングスレー館、大正期には賀川豊彦のセツルメント活動などが展開され、日本の社会福祉実践の源流の一つとされる。

試験での位置づけ

社会福祉の歴史(欧米の源流と日本への影響)は社会の理解領域・人間の尊厳と自立領域の双方で頻出。エリザベス救貧法、慈善組織協会(COS)、セツルメント運動という欧米の3つの源流を、日本の歴史(石井十次の岡山孤児院等)と対比して整理すると効率よく学習できる。

選択肢の発展補足

セツルメント運動は、貧困を個人の問題ではなく社会構造の問題として捉える視点(社会改良運動としての側面)を持っていた点も重要。これは現代の地域共生社会・地域包括ケアの理念(地域全体で支え合う)にも通じる先駆的な考え方として位置づけられる。

欧米の源流と日本の動き

慈善組織協会(COS)が個々の貧困家庭を訪ねる「友愛訪問」を通じて後のケースワークにつながったのに対し、セツルメントは知識人が貧困地域に「住み込み」、住民と生活を共にして地域の課題に取り組む点に特徴があり、グループワークやコミュニティワークの源流とされる。貧困の見方も異なり、COSが個人の側の要因を重く見がちだったのに対し、セツルメントは環境・社会の改善を重視した。

日本では明治期の1897年ごろに片山潜が東京・神田にキングスレー館を開いたことが、代表的な出発点として知られる。選択肢との区別では、福祉事務所や地域包括支援センターは法律に基づく公的機関、生活協同組合は組合員の相互扶助、WHOは国連の専門機関であり、いずれも民間人が地域に住み込んで行う社会運動ではない。

上位資格・発展

社会福祉士試験では、地域援助技術(コミュニティワーク)の理論的展開(ロスマンの3モデル等)とあわせて、セツルメント運動の歴史的意義がより深く問われる。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回介護福祉士国家試験(令和5年度)」の問題9です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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