問題
Bさん(76 歳,男性)は,この数週間,日中に,「眠い」と訴えている。Bさんは毎日15 時にコーヒー1 杯を飲み,たばこを1 本吸い,21 時に就寝する。夜間の睡眠状態を数日間観察すると,睡眠中にぴくぴくと下肢が動いていることがたびたびあった。起床後,手足に異常を感じるかをBさんに確認したが,「特にない」とのことだった。 次のうち,Bさんの睡眠障害の原因として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題28
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは5「周期性四肢運動障害」です。
Bさんは睡眠中に下肢がぴくぴく動いていますが、起きた後に手足の異常な感覚(むずむず感など)は感じていません。この「感覚異常を伴わずに睡眠中だけ手足が動く」という特徴は、周期性四肢運動障害の典型的なパターンです。
たとえるなら、寝ている間だけ勝手に足がピクッと動いてしまう現象で、本人は目覚めているときには何も感じていないという状態です。
👉 覚え方:睡眠中の下肢の動き+起きているときの異常感覚なし=周期性四肢運動障害。
ほかの選択肢:1ニコチン摂取(覚醒作用はあるが下肢の動きの直接原因としては該当しにくい)/2レム睡眠行動障害(大声や激しい体動を伴う、下肢の単純な動きとは異なる)/3レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群、通常は下肢の異常感覚を自覚するが、Bさんは「特にない」と回答しており否定的)/4カフェイン摂取(覚醒作用はあるが下肢の動きの直接原因ではない)。
なぜこれが正解か
正解は5。周期性四肢運動障害は、睡眠中に下肢を中心とした周期的な不随意運動(ぴくぴくとした動き)が繰り返し生じる疾患で、本人は多くの場合その動きに気づかず、覚醒時の異常感覚(むずむず感等)も伴わない点が特徴である。Bさんは手足の異常感覚を「特にない」と答えており、この特徴と合致する。
各選択肢の解説
- 1 ニコチンには覚醒作用があり睡眠の質に影響しうるが、睡眠中の下肢の周期的な動きそのものを直接説明するものではない。
- 2 レム睡眠行動障害は、夢の内容に応じて大声を出したり手足を激しく動かしたりする疾患であり、本事例のような単純な下肢のぴくつきとは症状の性質が異なる。
- 3 レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)は、下肢のむずむずするような不快な異常感覚を伴い、それを紛らわすために脚を動かしたくなる疾患であるが、Bさんは異常感覚を否定しており、この診断とは合致しにくい。
- 4 カフェイン摂取は覚醒作用により入眠困難等を引き起こしうるが、睡眠中の下肢の周期的な動きの直接原因ではない。
覚え方・ひっかけ注意
レストレスレッグス症候群と周期性四肢運動障害はしばしば合併するが、鑑別のポイントは「覚醒時の異常感覚(むずむず感)の有無」。感覚異常があればレストレスレッグス症候群、感覚異常を伴わず動きのみが問題になる場合は周期性四肢運動障害を疑う。
理論的背景
周期性四肢運動障害(PLMD)は、睡眠中に20〜40秒間隔で下肢(主に足関節の背屈、母趾の伸展)の不随意運動が反復して生じる疾患で、しばしば中途覚醒や睡眠の質の低下を引き起こし、日中の過度の眠気(本事例のBさんの「眠い」という訴え)の原因となる。レストレスレッグス症候群と病態的なオーバーラップがあり、両者とも鉄欠乏やドパミン系機能異常との関連が指摘されているが、周期性四肢運動障害は覚醒時の自覚症状(むずむず感)を伴わず、多くは家族や介護者からの睡眠中の観察によって発見される点が診断上のポイントとなる。
試験での位置づけ
睡眠関連運動障害(レストレスレッグス症候群・周期性四肢運動障害)とレム睡眠行動障害の鑑別は、こころとからだのしくみ領域の頻出テーマ。事例文中の「覚醒時の症状の有無」「動きの性質(単純な下肢の動きか、複雑な行動化か)」という情報を丁寧に読み取り、正確に鑑別する読解力が求められる。
選択肢の発展補足
高齢者の日中の眠気の原因は多岐にわたり(睡眠時無呼吸症候群、概日リズム睡眠障害、周期性四肢運動障害、薬剤の影響、うつ病等)、事例文の情報(症状の性質、生活習慣、他の症状の有無)を総合的に評価して鑑別する視点が、こころとからだのしくみ領域全体の事例問題に共通して求められる。
上位資格・発展
睡眠医学の分野では、周期性四肢運動障害の診断基準(睡眠ポリグラフ検査による下肢筋電図の評価、覚醒指数の算出)や、鉄剤・ドパミン作動薬による治療がより専門的に扱われる。介護福祉士としては、夜間の様子の観察と情報を医療職に的確に伝える役割が重要である。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題28です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

