介護福祉士

介護福祉士 第37回 問題33発達と老化の理解

問題

介護福祉士 | 第37回(令和6年度) | 令和7年1月26日(日)実施・発達と老化の理解

Aさん(73 歳,男性)は,会社の役員として勤めていたが,3 年前に退職した。地域の老人クラブへの入会を勧められたが拒否している。毎年,敬老の日に記念品が配布されても,不快感を示して受け取らない。退職後も会社の状況を気にしていて,後輩とときどき連絡をとっている。Aさんは,身体が衰えることに強い不安を感じて,筋力トレーニングを毎日行っている。会社の後輩から,「いつも若々しいですね」と言われることに喜びを感じている。 ライチャード(Reichard, S.)による,引退後の男性の5 つの適応タイプのうち,Aさんに相当するものとして,適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題33

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 4
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

答えは4「自己防衛(装甲)型」です。

Aさんは、老人クラブや敬老の日の記念品を拒否したり、身体が衰えることに強い不安を感じて毎日筋トレをしたりと、「年をとること」を強く意識して、それに抵抗しようとしています。これはライチャードの分類で「自己防衛型(装甲型)」に該当します。

たとえるなら、老いという現実から目をそらし、若さや強さにしがみつくことで自分を守ろうとしているイメージです。

👉 覚え方:老いを認めず若さにしがみつく=自己防衛(装甲)型。

ほかの選択肢:1外罰型は他者や環境への不満・攻撃性が強いタイプ/2内罰型は自分の人生を後悔し自分を責めるタイプ/3円熟型は現実を受け入れ建設的に人生を楽しむタイプ/5ロッキングチェアー型は受動的に人に頼りゆったり余生を過ごすタイプ。

なぜこれが正解か

正解は4。ライチャードの引退後の男性の5つの適応タイプにおける自己防衛(装甲)型は、老いや衰えを認めることに強い不安を感じ、活動性を維持することでそれを否認・防衛しようとするタイプである。Aさんが老人クラブや敬老の記念品を拒否し、老化への不安から毎日筋力トレーニングを行い、「若々しい」と言われることに喜びを感じている様子は、この自己防衛型の特徴と合致する。

各選択肢の解説

  • 1 外罰(憤慨)型は、人生の不満や失敗を他者や環境のせいにし、攻撃的・非難的な態度をとるタイプであり、Aさんの様子とは異なる。
  • 2 内罰(自責)型は、自分の人生をうまくいかなかったものと捉え、自分自身を責める傾向があるタイプであり、Aさんの様子とは異なる。
  • 3 円熟(成熟)型は、自分の人生を統合的に受け入れ、老いも含めて現実を前向きに捉え、建設的に活動するタイプであり、老いに強い不安を抱くAさんとは異なる。
  • 5 ロッキングチェアー(安楽椅子)型は、受動的で、責任から解放されたことを歓迎し、人に依存しながらゆったりと余生を送るタイプであり、活動的に老化に抵抗するAさんとは異なる。

覚え方・ひっかけ注意

5つのタイプのうち「円熟型・自己防衛型・ロッキングチェアー型」は適応(不適応ではない)タイプ、「外罰型・内罰型」は不適応タイプに分類される。自己防衛型は「適応はしているが老いを否認する」という独特の位置づけである点を押さえる。

理論的背景

ライチャード(S. Reichard)は、退職後の男性高齢者へのインタビュー調査に基づき、老年期への適応パターンを5類型に整理した。①円熟型:自分の人生を統合的に受け入れ、老年期も建設的に活動する。②ロッキングチェアー型:責任や競争から解放されたことを歓迎し、受動的に依存しながら余生を楽しむ。③自己防衛(装甲)型:老いへの不安から、若い頃の活動性を維持することで老化を否認しようとする。④外罰(憤慨)型:老いや人生の不満を他者・社会のせいにし、周囲を非難する。⑤内罰(自責)型:自分の人生を失敗だったと捉え、自身を責める。このうち①②③は適応的とされ、④⑤は不適応的とされる。

試験での位置づけ

ライチャードの5類型は発達と老化の理解領域の頻出テーマ。それぞれのタイプの心理的特徴(老いへの態度、活動性、責任の受け止め方)を事例文から判別させる出題形式が定番であり、5類型を一覧で整理し、キーワード(受容/否認、能動/受動、自責/他罰)で区別する学習法が効果的。

選択肢の発展補足

自己防衛型の人は、外見的には活動的で若々しく見えるため、周囲から高く評価されやすい側面もあるが、老いを直視できないことによる心理的な脆さ(老いを直視せざるを得ない場面での不安や抑うつのリスク)を内包している点にも留意が必要。ケアにおいては、本人の価値観(若さ・強さへのこだわり)を尊重しつつ、老いを受け入れていくプロセスを支える関わりが求められる。

上位資格・発展

老年心理学の分野では、ライチャードの類型論に加え、エリクソンの心理社会的発達理論における老年期の発達課題(統合 対 絶望)とあわせて、老いへの適応プロセスがより体系的に扱われる。介護福祉士としては、利用者の老いに対する心理的態度を理解し、個別性に応じた関わり方を工夫する視点が重要である。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題33。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題33です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

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