問題
次の記述のうち,サクセスフル・エイジング(successful aging)として,適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題37
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは4「難聴があるので,補聴器をつけてパソコン教室に通い始めた」です。
「サクセスフル・エイジング」とは、年齢を重ねる中で生じる身体の変化があっても、それに工夫をして対応しながら、前向きに活動を続けることです。難聴があっても補聴器で工夫し、新しいこと(パソコン教室)に挑戦する姿勢はまさにこれにあたります。
たとえるなら、体の変化に負けず、道具や工夫を使って「できることを増やしていく」生き方です。
👉 覚え方:サクセスフル・エイジング=工夫して活動を続ける前向きな老い方。
ほかの選択肢:1長生きすることだけが目的というのは生活の質を重視するサクセスフル・エイジングの考え方とは異なる/2・3・5はいずれも困難を理由に活動や交流を諦める消極的な対応で、サクセスフル・エイジングの理念とは逆方向。
なぜこれが正解か
正解は4。サクセスフル・エイジングとは、加齢に伴う心身の変化があっても、それに適応・工夫しながら主体的な活動や社会参加を継続していく生き方を指す。難聴という機能低下に対し補聴器という手段で工夫し、新たな学びの場(パソコン教室)に積極的に参加するDさんの姿勢は、この理念を体現する典型例である。
各選択肢の解説
- 1 長生きすること自体を最大の目的とする考え方は、生活の質(QOL)や主体的な活動を重視するサクセスフル・エイジングの理念とは異なる。
- 2 周囲との交流を意図的に避ける生き方は、社会参加を重視するサクセスフル・エイジングの理念に反する。
- 3 痛みを理由に一日中臥床して過ごす対応は、活動性の維持を重視するサクセスフル・エイジングとは対極の消極的な対応。
- 5 歌えなくなったことを理由に誘いを断り続ける対応も、社会的な交流の機会を自ら手放す消極的な対応であり、工夫による適応とは異なる。
覚え方・ひっかけ注意
サクセスフル・エイジングを選ぶ設問では、「機能低下があっても、工夫・手段を使って活動・交流を継続する」という積極的な姿勢を示す選択肢を選ぶのが定石。機能低下を理由に活動を諦める選択肢は全て誤答になりやすい。
理論的背景
サクセスフル・エイジング(幸福な老い)は、老年学において高齢期の適応の在り方を論じる中心的概念の一つ。ロウとカーンによるサクセスフル・エイジングの3要素モデルでは、①疾病・障害の回避、②高い身体的・認知的機能の維持、③人生への積極的関与(社会参加、生産的な活動)の3つが提示されている。また、バルテスの「SOC理論(選択・最適化・補償:Selection, Optimization, Compensation)」では、加齢に伴い失われる機能を、目標の選択・絞り込み、残された能力の最適化、道具や他者の助けによる補償によって適応していくプロセスがサクセスフル・エイジングの鍵とされる。本問の補聴器の使用は、まさに「補償」の好例である。
試験での位置づけ
サクセスフル・エイジングの理念は発達と老化の理解領域の頻出テーマ。類似概念(プロダクティブ・エイジング、アクティブ・エイジング)との違いや、対極にある消極的な老いの姿勢(活動理論・離脱理論という老年学の古典的理論とも関連)をあわせて理解しておくと、応用問題にも対応しやすい。
選択肢の発展補足
SOC理論の「補償」の概念は、本問の補聴器のほか、杖や歩行器の使用、拡大読書器の活用等、様々な福祉用具・生活支援技術と関連づけて理解できる。介護福祉職の役割は、こうした補償手段を適切に提案し、利用者が主体的に活動を継続できるよう支援することにある。
上位資格・発展
老年学(ジェロントロジー)の分野では、活動理論(高齢期も活動を維持することが適応的とする理論)と離脱理論(高齢期は社会的役割から徐々に離脱することが自然とする理論)という対立する古典的理論があり、サクセスフル・エイジングの議論はこれらの理論的系譜の中に位置づけられる。介護福祉士としては、利用者の個別性を尊重しつつ、活動継続を支える視点を持つことが実践的に重要である。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題37です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

