問題
ノーリフティングケアに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題85
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは4「端座位の利用者にスライディングボードを使用して,車いすに移乗する」です。
ノーリフティングケアとは、介護者が人の力だけで利用者を「抱え上げない」介護のことです。スライディングボード(すべり台のような板)を使えば、抱え上げずに、滑らせるようにして車いすへ移乗することができます。
たとえるなら、重い荷物を持ち上げず、板の上を滑らせて移動させるようなイメージです。
👉 覚え方:ノーリフティングケア=抱え上げず、福祉用具を使って移乗する。
ほかの選択肢:1仰臥位から端座位にする際に「抱え上げる」のは、まさに人力で持ち上げる動作でノーリフティングの理念に反する/2手前に引き寄せる動作も体を抱えるような力のかけ方になりノーリフティングに反する/3体幹を抱きかかえる移乗も人力での抱え上げにあたり不適切/5立位が困難な利用者に回転移動盤を使うのは不適切(回転移動盤は立位保持が可能な人向けの用具で、立位困難な人にはスライディングボードやリフトが必要)。
なぜこれが正解か
正解は4。ノーリフティングケアは、介護者が利用者を人力だけで持ち上げず、福祉用具(スライディングボード、リフト等)を活用することで、利用者の安全性を高めるとともに、介護者の腰痛等の身体的負担を軽減する介護のあり方である。端座位の利用者にスライディングボード(滑り板)を用いて車いすに移乗する方法は、抱え上げずに移乗を実現するノーリフティングケアの適切な実践例である。
各選択肢の解説
- 1 仰臥位の利用者を「抱え上げて」端座位にする動作は、人力での持ち上げそのものであり、ノーリフティングケアの理念に反する。
- 2 仰臥位の利用者を「手前に引き寄せて」移乗する動作も、利用者の体重を介護者の腕力・体幹力で支える力のかけ方になり、ノーリフティングの理念に反する。
- 3 端座位の利用者の体幹を「抱きかかえて」車いすに移乗する方法も、人力での抱え上げにあたり、ノーリフティングケアの考え方とは相容れない。
- 5 回転移動盤(回転することで方向転換を助ける用具)は、利用者がある程度自力で立位を保持できる場合に用いる用具であり、「立位が困難な」利用者への使用は身体状況に適合しておらず不適切である。
覚え方・ひっかけ注意
ノーリフティングケアを問う設問では、「抱える」「持ち上げる」「引き寄せる」といった人力に依存する表現が含まれる選択肢は誤答になりやすい。福祉用具(スライディングボード、リフト等)を活用し、かつ利用者の身体状況(立位の可否)に適合した用具選択がなされている選択肢を選ぶ視点が重要。
理論的背景
ノーリフティングケアは、オーストラリアで提唱された「ノーリフティングポリシー」に端を発する介護理念で、人力による抱え上げ動作を可能な限り排除し、スライディングシート・スライディングボード、リフト(床走行式リフト、天井走行式リフト)、スタンディングマシン等の福祉用具を積極的に活用することで、①利用者の皮膚・関節への負担軽減(安全性の向上)、②介護職員の腰痛予防(労働安全衛生、第37回 問69)、③利用者の残存能力を活かした自立支援、という複数の目的を同時に実現しようとする考え方である。日本でも介護職員の腰痛が深刻な労働災害の一因となっていることから、近年、多くの介護施設でノーリフティングケアの導入が進められている。
試験での位置づけ
ノーリフティングケアの理念と福祉用具の活用は、生活支援技術領域の近年の重要テーマ。第37回 問69(労働安全衛生法)とも関連し、利用者の安全と介護職員の労働安全の両方を実現する視点として体系的に理解しておくことが重要。
選択肢の発展補足
スライディングボードは、端座位からの水平移動(ベッドから車いす等)に適した用具で、利用者にある程度の座位保持能力があることが前提となる。立位・座位保持がさらに困難な利用者には、吊り具を用いたリフト(床走行式・据置式・天井走行式)が用いられる。用具の選定は、利用者の身体機能(座位保持、立位保持、体幹の安定性等)を的確に評価した上で行われる必要がある。
上位資格・発展
腰痛予防対策の専門領域(労働衛生コンサルタント等)では、福祉用具を活用した移乗介助のリスクアセスメントや、職員教育プログラム(ノーリフト教育)の実施方法がより体系的に扱われる。
- 労働安全衛生法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題85です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

