問題
次の記述のうち,入浴の作用を生かした,高齢者への入浴の介護として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」問題92
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「浴槽の中では,関節運動を促す」です。
お湯の中では体が浮くため(浮力作用)、水の外にいるときよりも軽い力で関節を動かすことができます。この性質を活かして、浴槽の中で軽く体を動かしてもらうことは、入浴の作用を上手に取り入れた介護といえます。
たとえるなら、プールの中で体を動かすと陸上より楽に動けるのと同じように、お風呂の中でも体を動かしやすい特性を活かすイメージです。
👉 覚え方:浴槽内での関節運動=浮力作用を活かした入浴の工夫。
ほかの選択肢:1食事は入浴直前の摂取を避けるべき(消化への影響、血圧変動等の観点から)/2高血圧の人には42℃以上の高温浴は血圧上昇のリスクがあり不適切(ぬるめの湯が望ましい)/4心疾患のある人が肩まで(首まで)湯につかると静水圧作用で心臓に大きな負担がかかるため、心臓より低い水位(半身浴)が望ましい/5個浴の浴槽内で足を浮かせると姿勢が不安定になり危険(足は浴槽の底につけて安定させる)。
なぜこれが正解か
正解は3。入浴の浮力作用(第36回 問26)により、水中では体が軽く感じられ、関節への負担を軽減しながら動かすことができるため、浴槽の中で軽い関節運動を促すことは、入浴の作用を積極的に生かした介護の工夫として適切である。
各選択肢の解説
- 1 食事の直後や直前の入浴は、消化器系への血流が入浴による血管拡張と競合し、消化不良や体調不良につながる可能性があるため、食事と入浴のタイミングには一定の間隔を空けることが望ましい。
- 2 高血圧のある人にとって、42℃以上の高温浴は交感神経を刺激し(第37回 問25)、急激な血圧上昇を招くリスクがあるため、38〜40℃程度のぬるめの湯が推奨される。
- 4 心疾患のある人が肩や首までお湯につかると、静水圧作用により胸部・心臓が強く圧迫され、心臓に大きな負担がかかるため、心臓より低い水位(半身浴)にとどめることが安全である。
- 5 個浴の浴槽内で足を浮かせると、姿勢が不安定になり、体が滑って転倒・溺水のリスクが高まるため、足は浴槽の底にしっかりつけて安定させることが基本である(第36回 問91の姿勢安定の原則とも一致する)。
覚え方・ひっかけ注意
入浴の4作用(温熱・静水圧・浮力・清潔、第36回 問26)を踏まえ、「浮力作用は関節運動に活用できる」「静水圧作用は心疾患患者には負担になる」「温熱作用は高血圧患者には高温で悪化する」という、それぞれの作用の"良い面"と"注意すべき面"を対応する疾患・状態とセットで理解しておくことが本問対策の核心。
理論的背景
入浴の浮力作用は、水中で体重が約1/10程度に軽減される効果があり、これを活用することで、陸上では負担が大きい関節可動域運動(リハビリテーション的な動作)を、より少ない負荷で実施することができる。これは水中運動療法(アクアセラピー)の理論的基盤とも共通する。一方、静水圧作用は、水深に応じて全身に均等な圧力がかかる作用で、特に胸部への圧迫は呼吸機能・循環機能に影響を与えるため、心疾患・呼吸器疾患のある人には水位の調整(半身浴)が重要な配慮事項となる。温熱作用は血管拡張・血行促進をもたらす一方、高温浴では交感神経優位となり血圧上昇を招くため、高血圧のある人にはぬるめの湯温が推奨される。このように、入浴の各作用(温熱・静水圧・浮力)を理解した上で、利用者の疾患・身体状況に応じて安全かつ効果的な入浴方法を選択することが、生活支援技術の重要なポイントとなる。
試験での位置づけ
入浴の4作用とその活用・注意点は、生活支援技術領域の最頻出テーマ。第36回 問26(浮力作用)、37-25(高温浴の血圧上昇)とあわせて、入浴に関する一連の知識(作用の種類、疾患ごとの注意点、安全な入浴方法)を体系的に整理しておくことが、様々な出題パターンへの対応力を高める。
選択肢の発展補足
浴槽内での関節運動は、利用者の状態に応じて無理のない範囲で行い、めまいやのぼせの兆候があれば直ちに中止する等、安全管理を徹底しながら実施することが重要である。
上位資格・発展
理学療法学・リハビリテーション医学の分野では、水中運動療法の適応・禁忌(心疾患・呼吸器疾患・皮膚疾患等)や、プールを用いた集団リハビリテーションプログラムの設計がより専門的に扱われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第37回介護福祉士国家試験(令和6年度)」の問題92です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

