問題
A介護福祉職は,認知症(dementia)のあるBさん(80 歳,女性)と会話をしている。Bさんは,「私は小さい頃毎年お祭りに行くことが楽しみでね」「なんだか最近ひざが痛いような気がしてね」「今から何をしようかしらね」と,次々に話している。A介護福祉職は,Bさんが混乱しないように,「Bさん,子どもの頃の思い出や体調のことをお話しくださっているのですね」と返答した。 次のうち,A介護福祉職が行ったコミュニケーション技術として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題30
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは1「要約」です。
Bさんが次々に話す「子どもの頃の思い出」「体調のこと」といった複数の内容を、A介護福祉職は「子どもの頃の思い出や体調のことをお話しくださっているのですね」と、まとめて分かりやすく伝え返しています。これはまさに「要約」の技法です。
たとえるなら、あちこちに飛んだ話を「つまりこういうお話ですね」と整理してあげる技法です。
👉 覚え方:複数の話をまとめて返す=要約。
ほかの選択肢:2承認は相手の考え・行動を認めること/3賞賛は相手を褒めること/4共感は相手の気持ちに寄り添い理解を示すこと/5同意は相手の意見にうなずき賛成すること。いずれも「話の内容をまとめて整理する」という今回の対応の特徴とは異なる。
なぜこれが正解か
正解は1。A介護福祉職が、Bさんが次々に話した複数の話題(子どもの頃の思い出、体調のこと、これからの予定)を、「子どもの頃の思い出や体調のことをお話しくださっているのですね」と整理してまとめて伝え返している対応は、要約という技法の典型例である。
各選択肢の解説
- 2 承認は、利用者の考えや行動、存在そのものを肯定的に認めることを指す技法であり、話の内容をまとめる要約とは異なる。
- 3 賞賛は、利用者の行動や成果を褒めることを指す技法であり、本事例の対応とは異なる。
- 4 共感は、利用者の感情に寄り添い「その気持ち、わかります」と理解を示す技法であり、内容を整理してまとめる要約とは区別される。
- 5 同意は、利用者の意見や考えに賛成の意を示すことであり、本事例のように話の内容を整理して返す対応とは性質が異なる。
覚え方・ひっかけ注意
コミュニケーション技法(要約、承認、賞賛、共感、同意)は似ているようでそれぞれ機能が異なる。「複数の話題を整理してまとめて返す」という対応の特徴を捉えたら要約を選ぶ、という対応関係を第37回 問74とセットで確実に覚える。
理論的背景
本事例のように、認知症のある人は思考の整理や話題の一貫性を保つことが難しくなることがあり、次々と異なる話題(時系列も混在しうる)を話すことがある。こうした場面で、介護福祉職が話の内容を適宜要約して伝え返すことは、①Bさん自身が自分の話した内容を再確認でき、思考が整理されやすくなる、②「きちんと聞いてもらえている」という安心感を与える、③会話が混乱したまま続くことを防ぎ、落ち着いたコミュニケーションを維持する、という複数の効果をもたらす。要約は、話の内容を否定せず、ありのままを受け止めた上で整理するという点で、傾聴・受容の姿勢とも一体となった技法である。
試験での位置づけ
要約の技法は、コミュニケーション技術領域の頻出テーマであり、第37回 問74と組み合わせて出題されることが多い。認知症の人とのコミュニケーションにおける要約の活用(本問)と、一般的な利用者とのコミュニケーションにおける要約の活用(37-74)の両方のパターンを押さえておくことが重要。
選択肢の発展補足
要約は、話題が多岐にわたる場面だけでなく、感情的な内容が入り混じる相談場面、複雑な状況を抱える利用者との面談等、様々な場面で有効に機能する。要約する際は、利用者の言葉をできるだけ尊重しながら、押し付けがましくならないよう「〜ということでしょうか」といった確認の形で伝えることが望ましい。
上位資格・発展
社会福祉援助技術の分野では、要約を含む面接技法(マイクロカウンセリング技法)が体系的に扱われ、傾聴・質問・要約・直面化等の技法を組み合わせた面接の構造がより専門的に学ばれる。介護福祉士としては、日常のケア場面での自然な会話の中に要約を取り入れる実践力を養うことが重要である。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題30です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

