問題
Aさん(80 歳,女性,要介護3 )は中途障害の全盲である。介護老人福祉施設に入所している。最近,食堂の席の入れ替えがあった。Aさんは同じテーブルの利用者同士の会話を,自分に向けて話しかけられていると思って,応答した。しかし,誰からも反応はなく,Aさんは下を向いてしまった。その様子を見たB介護福祉職は,Aさんの状況に対応するために,同じテーブルの利用者にAさんの事情を話し,協力を求めた。 次の記述のうち,B介護福祉職が同じテーブルの利用者に協力を依頼した内容として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題32
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「Aさんにもわかるように,話す相手の名前を呼んでから話しかけてほしい」です。
Aさんは全盲のため、誰が誰に話しかけているのかを目で確認できません。話す前に相手の名前を呼んでもらえれば、それが自分への話しかけなのか、他の人への話しかけなのかが分かるようになります。
たとえるなら、「〇〇さん」と最初に名前を呼んでから話すことで、目が見えなくても「今は自分に話しかけられているんだ」と分かるようにするイメージです。
👉 覚え方:全盲の人への配慮=話す前に相手の名前を呼んでもらう。
ほかの選択肢:1部屋で休むよう伝えるのは根本的な解決にならず排除的な対応/2そっと手を握ってほしいという依頼は今回の誤解(呼びかけの対象がわからない)の解決には直接つながらない/4食堂での会話を控えるよう求めるのは他の利用者の生活を過度に制限する対応/5食事の時間を教えてほしいという内容は、今回のエピソード(会話の対象の誤解)とは異なる別の課題への対応。
なぜこれが正解か
正解は3。全盲のAさんは、周囲の会話が自分に向けられているのか他の人に向けられているのかを、視覚的な手がかり(視線や身振り)で判断できないため、他の利用者同士の会話を自分への話しかけと誤解してしまった。この状況を防ぐためには、同じテーブルの利用者に、話す相手の名前を呼んでから話しかけてもらうよう協力を依頼することが、Aさんが会話の状況を正しく把握できるようにする最も直接的で適切な配慮である。
各選択肢の解説
- 1 Aさんに部屋で休むよう伝えることは、問題(誰が誰に話しているかわからない誤解)の根本的な解決にはならず、Aさんを食堂での交流の場から遠ざける排除的な対応である。
- 2 そっと手を握ってほしいという依頼は、安心感を与える意味はあるかもしれないが、今回のエピソード(会話の対象が誰かわからないという誤解)の直接的な解決策ではない。
- 4 食堂での会話そのものを控えてもらうよう求めることは、他の利用者の自然な交流を過度に制限する対応であり、望ましい解決策とは言えない。
- 5 これから食事だと教えてほしいという内容は、今回の状況(会話の呼びかけ先の誤解)とは異なる別の課題への対応であり、本事例の解決策として適切でない。
覚え方・ひっかけ注意
視覚障害者への配慮を問う事例問題では、「視覚的な手がかりに依存しないコミュニケーションの工夫(名前を呼ぶ、状況を言葉で説明する等)」が正解の軸となる。問題の根本原因(誰が誰に話しているかわからない)に対応した、具体的で実行可能な工夫を選ぶ視点が重要。
理論的背景
視覚障害者とのコミュニケーションにおいては、視線や身振り、表情といった非言語的な手がかりが伝わらないため、健常者同士では当然のように行われる「誰に向かって話しているか」の認識が困難になる。この課題に対応するためには、話しかける際に相手の名前を呼ぶ(「〇〇さん、〜ですよ」)、自分が誰であるかを名乗る、状況を言葉で説明する(「今から食事が始まります」等)といった、視覚に頼らない情報伝達の工夫が重要となる。本事例のように、周囲の人(他の利用者)にもこうした配慮を協力依頼することで、視覚障害のある利用者が疎外感を感じることなく、円滑なコミュニケーションの中で生活できる環境を整えることができる。
試験での位置づけ
視覚障害者とのコミュニケーションにおける環境調整・周囲への協力依頼は、コミュニケーション技術領域・障害の理解領域を横断する重要テーマ。第37回 問53(視覚障害の特徴と支援)とあわせて、視覚障害者が「情報から取り残されないための具体的な工夫」を体系的に理解しておくことが重要。
選択肢の発展補足
食堂の席替え等、環境の変化があった際には、視覚障害のある利用者に対し、事前に変更内容(テーブルの配置、隣に座る利用者等)を丁寧に説明することも、混乱や孤立を防ぐ重要な配慮となる。
上位資格・発展
視覚障害リハビリテーションの専門領域では、視覚障害者とのコミュニケーションガイドライン(声かけの仕方、誘導方法等)がより体系的に整理されている。介護福祉士としては、日常のケアの中で、視覚障害のある利用者が孤立せず周囲とつながりを持てるよう、環境全体(他の利用者・職員)への働きかけを行う視点が重要である。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題32です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

