問題
Aさん(55 歳,男性,会社員)は,20 歳のときに交通事故で第5 頚髄(C5)を損傷した。現在,電動車いすを利用し,自宅で自立した生活を送っている。身体状況は安定しているが,ときどき仙骨部に褥瘡ができることがある。入浴は,居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用していて,訪問介護員(ホームヘルパー)が福祉用具を用いて入浴介護をしている。 次のうち,Aさんが入浴時に使用している福祉用具として,最も適切なものを1つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題50
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは3「入浴用リフト」です。
Aさんは首の骨(頸髄)の損傷により、腕や手を含めた体の広い範囲が動かしにくい状態です。自分の力で浴槽への出入りをすることが難しいため、機械の力で体を持ち上げて浴槽に出入りさせる「入浴用リフト」が使われます。
たとえるなら、体を機械の力でそっと持ち上げて、安全に浴槽の中へ運んであげるイメージです。
👉 覚え方:頸髄損傷など重度の身体状況=入浴用リフトで機械的に支援。
ほかの選択肢:1移乗台はある程度自分で座位を保てる人向けの用具でAさんの状態には不十分/2バスボードも座位保持能力が必要な用具/4浴槽用手すりは自力である程度姿勢を保てる人向けで、四肢に麻痺のあるAさんには単独では不十分/5滑り止めマットは基本的な安全対策の一つだが、Aさんの身体状況(重度の四肢麻痺)に必要な主要な用具としては入浴用リフトの方が適切。
なぜこれが正解か
正解は3。第5頸髄(C5)損傷により、体幹・下肢に加え上肢の機能にも制限があるAさんは、自力での姿勢保持や浴槽への出入り動作が困難であるため、機械的な力で身体を吊り上げ・移動させる入浴用リフトを用いた入浴介護が行われていると考えられる。
各選択肢の解説
- 1 移乗台は、ある程度の座位保持能力がある人が、ベッドや車いすから浴槽の縁へ移動する際の中継台として用いられるが、頸髄損傷による重度の身体機能低下があるAさんには、単独での使用は困難である。
- 2 バスボードも、浴槽の縁に渡して座った状態で出入りする際に使用する用具で、一定の座位保持能力・上肢機能が前提となるため、Aさんの状態には適さない。
- 4 浴槽用手すりは、自力である程度の姿勢保持ができる人が、立ち座りや姿勢の安定のために利用する用具であり、四肢の機能に制限のあるAさんには単独では十分な支援とならない。
- 5 滑り止めマットは、転倒防止のための基本的な安全対策として広く用いられるが、Aさんの重度の身体状況(頸髄損傷による四肢の機能制限)を踏まえると、入浴動作全体を支える主要な福祉用具としては入浴用リフトがより適切である。
覚え方・ひっかけ注意
脊髄損傷の損傷部位(頸髄・胸髄・腰髄)によって残存する身体機能が大きく異なる点を踏まえ、Aさんのように上肢機能にも制限がある頸髄損傷(C5)の場合、より高度な機械的支援(入浴用リフト)が必要になるという対応関係を理解しておく。
理論的背景
脊髄損傷の損傷レベル(頸髄・胸髄・腰髄のどこで、何番目の髄節か)によって、残存する身体機能・可能な動作が大きく異なる。第5頸髄(C5)損傷では、肩関節の屈曲・外転、肘関節の屈曲(上腕二頭筋の機能)は残存するが、手関節・手指の細かい動きや、体幹・下肢の機能は失われることが多く、電動車いすの利用(本問のAさんも電動車いす利用)や、日常生活の広範囲にわたる介助が必要となる。入浴用リフトは、こうした重度の身体機能障害がある人でも、機械の力を借りて安全に浴槽への出入りができるようにする福祉用具で、天井走行式・床走行式・据置式等の種類があり、個別の住環境・身体状況に応じて選定される。また、Aさんが仙骨部に褥瘡を繰り返す背景には、坐位保持時間の長さや、体圧分散への配慮不足等が考えられ、体圧分散マットレス・クッションの活用や、定期的な体位変換・除圧動作(プッシュアップ)の指導も重要な支援となる。
試験での位置づけ
脊髄損傷の損傷レベルと残存機能、それに応じた福祉用具の選定は、障害の理解領域・生活支援技術領域を横断する重要テーマ。頸髄損傷のAさんの事例から、身体状況に応じた適切な福祉用具(入浴用リフト)を選択する力が問われる。
選択肢の発展補足
仙骨部の褥瘡予防には、体圧分散用具の活用に加え、皮膚の観察、栄養状態の管理、適切な体位変換の頻度の確保等、多角的なケアが重要である(第36回 問93のストレッチャー浴の留意点とも関連)。
上位資格・発展
リハビリテーション医学の分野では、脊髄損傷の損傷レベルごとの機能予後(ADLの自立度、必要な福祉用具・住宅改修の内容)がより体系的に扱われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題50です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

