問題
Aさん(83 歳,女性,要介護3 )は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり,介護老人福祉施設に入所している。ある日の夜間,仰臥位(背臥位)で寝ていたAさんが,「背中が重く感じて,眠れない」と介護福祉職に訴えた。 次の記述のうち,介護福祉職がAさんに行う介護として,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題57
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは4「右側臥位にして,クッションを抱いてもらう」です。
Aさんは左片麻痺があり、仰向けのままだと背中に体重がかかり続けて重さを感じてしまいます。健康な右側を下にした横向き(右側臥位)にして、クッションを抱えてもらうと、体の重さが分散され、姿勢も安定して楽になります。
たとえるなら、ずっと同じ向きで寝ていて疲れた背中を、横向きに休ませてあげるイメージです。
👉 覚え方:左片麻痺で仰臥位がつらい=健側(右)を下にした側臥位+クッションで安定。
ほかの選択肢:1ファーラー位にして左下肢(患側)にクッションを入れることは、背中の重さの訴えへの直接的な対応とは言えない/2両上肢の下にクッションを入れることは、背部の圧迫感の解消には直接つながらない/3両膝窩部(膝の裏)にクッションを入れることは仰臥位のままの部分的な調整にとどまり、背中の重さそのものの根本的な解消にはならない/5右下肢の足部にクッションを入れることも、背部の圧迫感への直接的な対応ではない。
なぜこれが正解か
正解は4。左片麻痺のあるAさんが仰臥位のまま「背中が重く感じて眠れない」と訴えている状況では、同一体位による背部の圧迫感・不快感を解消するため、健側(右側)を下にした側臥位に体位を変換し、クッションを抱いてもらうことで姿勢を安定させ、身体への負担を分散させることが適切な対応である。
各選択肢の解説
- 1 ファーラー位(上体を起こした半座位)にして左下肢(患側)にクッションを入れる対応は、背中の重さという訴えに対する直接的な体位変換にはなっておらず、根本的な解決にならない。
- 2 両上肢の下にクッションを入れることは、上肢の位置の調整にはなるが、Aさんが訴える背部の圧迫感の解消には直接つながらない。
- 3 両膝窩部(膝の裏)にクッションを入れることは、仰臥位のままでの局所的な調整であり、体位そのものを変えないため、背中への持続的な圧迫を根本的に解消することにはならない。
- 5 右下肢の足部にクッションを入れることも、背部の重さ・圧迫感という訴えへの直接的な対応としては不十分である。
覚え方・ひっかけ注意
同一体位による身体の圧迫・不快感を訴える事例では、「体位変換(側臥位への変更)」という根本的な対応を選ぶことが重要。局所的なクッションの追加だけでは、仰臥位のまま同じ部位への圧迫が続くため、対応として不十分になりやすい点に注意する。
理論的背景
仰臥位を長時間続けることは、背部・仙骨部・踵部等、特定の部位に持続的な圧力がかかり、血流の悪化や不快感、褥瘡(第38回 問50)のリスクを高める。片麻痺のある利用者の体位変換では、健側を下にした側臥位が基本とされ、患側を下にすると、感覚が鈍く血流も悪化しやすい患側への圧迫が長時間続き、皮膚トラブルのリスクが高まるため避けるべきとされる。側臥位をとる際にクッションを抱いてもらうことで、上肢の位置が安定し、体幹の回旋も適度に制御され、姿勢全体の安定性が高まる。これは、褥瘡予防のための体位変換(2時間ごとの体位変換等)や、安楽な睡眠姿勢の確保といった、生活支援技術の基本原則を統合した対応である。
試験での位置づけ
片麻痺のある利用者の体位変換(クッションを用いた姿勢の安定)は、生活支援技術領域の頻出テーマ。第36回 問83(背上げの準備)、褥瘡予防の基本原則(健側を下にした体位)とあわせて、身体の圧迫を分散させる体位変換の技術を体系的に理解しておくことが重要。
選択肢の発展補足
体位変換の際は、単に体位を変えるだけでなく、クッションや体圧分散用具を適切に配置することで、より長時間快適な姿勢を保持できるようになる。褥瘡好発部位(仙骨部、踵部、肩甲骨部等)への圧迫を避ける体位の工夫も、あわせて重要な視点である。
上位資格・発展
褥瘡ケアの専門領域では、体圧分散マットレスと体位変換を組み合わせた総合的な褥瘡予防プログラムや、30度側臥位(褥瘡予防のために推奨される体位の一つ)等の専門的な技術がより体系的に扱われる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題57です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

