問題
次の記述のうち,高齢者の疾患や症状の特徴として,適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」問題79
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
答えは4「複数の疾患を持ちやすい」です。
高齢者は、加齢に伴い体のさまざまな部分の機能が低下していくため、一つだけでなく複数の病気を同時に抱えやすくなります。
たとえるなら、年を重ねるほど、体のあちこちに小さな不調が同時に出やすくなるイメージです。
👉 覚え方:高齢者の疾患の特徴=複数の疾患を併せ持ちやすい(多疾患併存)。
ほかの選択肢:1高齢者の疾患は典型的な症状ではなく非定型的な症状を呈しやすい/2生活は活発になるのではなく、疾患や機能低下により制限されやすい/3痛みには敏感になるのではなくむしろ鈍くなりやすい傾向がある/5慢性的な疾患は少ないのではなく多くなりやすい。
なぜこれが正解か
正解は4。高齢者は加齢に伴う臓器機能の低下や生活習慣病の蓄積により、一人で複数の慢性疾患を同時に抱える「多疾患併存(マルチモビディティ)」の状態になりやすいことが特徴として知られている。
各選択肢の解説
- 1 高齢者の疾患は、若年者と異なり典型的な症状を呈しにくく(非定型的な症状:発熱を伴わない肺炎、胸痛を伴わない心筋梗塞等)、症状から疾患を推測することが難しい場合が多い。
- 2 疾患や身体機能の低下により、高齢者の生活はむしろ活動性が低下しやすい傾向にあり、「活発になる」という記述は誤り。
- 3 高齢者は痛みに対する感受性が低下(鈍麻)しやすく、重篤な疾患があっても痛みの訴えが乏しいことがあるため、「痛みに敏感になる」という記述は誤り。
- 5 高齢者は加齢に伴い慢性疾患(高血圧、糖尿病、変形性関節症等)を複数抱えやすく、「慢性的な疾患は少ない」という記述は実態と逆である。
覚え方・ひっかけ注意
高齢者の疾患の特徴(多疾患併存、症状の非定型性、感覚の鈍麻、慢性疾患の多さ、生活機能の低下)は、いずれも「若年者とは異なる」という視点で整理しておくと、選択肢の逆転パターン(活発になる、痛みに敏感になる等)を見抜きやすい。
理論的背景
高齢者の疾患の特徴として、①一人で複数の疾患を併せ持つ多疾患併存(ポリファーマシー=多剤併用の背景要因にもなる)、②症状が非定型的で典型像を示しにくい(老年症候群として一括して捉えられることも多い)、③予備力の低下(本問38-78)により急激に状態が悪化しやすい、④個人差が大きい(同年齢でも機能状態に大きな幅がある)、⑤医原性疾患(薬の副作用、治療・入院に伴う機能低下等)を起こしやすい、といった点が老年医学で重視される。これらの特徴を踏まえ、高齢者医療では単一疾患への対症療法ではなく、複数疾患・多職種による総合的なマネジメント(高齢者総合機能評価:CGA等)が重視される。
試験での位置づけ
高齢者の疾患・症状の特徴は発達と老化の理解領域の最頻出テーマの一つ。第36回 問35(心筋梗塞の典型的な症状の事例)と対比しつつ、「典型的な症状を呈さないこともある」という非定型性の理解、多疾患併存という特徴を押さえておくことが、事例問題全般への対応力を高める。
選択肢の発展補足
多疾患併存は多剤併用(ポリファーマシー)につながりやすく、薬物相互作用や副作用のリスク増加という別の問題を引き起こす。介護福祉職は、利用者が服用している薬の種類の多さに気づいた際、看護職員・薬剤師等への情報共有を行う視点が重要である。
上位資格・発展
老年医学・薬学の分野では、ポリファーマシー対策(潜在的に不適切な薬剤の見直し:Beers基準等)や、多疾患併存に対する統合的なケアマネジメントの方法論がより専門的に扱われる。介護福祉士としては、日々の健康観察を通じて多疾患併存の高齢者の状態変化に気づき、多職種連携につなげる視点が実践的に重要である。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第38回介護福祉士国家試験(令和7年度)」の問題79です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。図は同センターのPDFから切り出したものです。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。介護保険制度・障害者総合支援法などは改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

