精神保健福祉士

精神保健福祉士 第26回 問題10|精神疾患とその治療

問題

精神保健福祉士 | 第26回(令和5年度) | 令和6年2月3日(土)・4日(日)実施・精神疾患とその治療

次の記述のうち,入院中の行動制限に関し,「精神保健福祉法」に基づく厚生労働大臣が定める基準として,正しいものを2 つ選びなさい。 (注) 「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題10(精神疾患とその治療)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 1・2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 1 と 2

精神科病院では、入院中の人の行動を制限することがありますが、その内容は精神保健福祉法と、厚生労働大臣が定めた基準(いわゆる処遇基準)で細かく決められています。基準では、

  • 入院後は病状に応じてできる限り早期に面会の機会を与える(選択肢1)
  • 通信・面会は基本的に自由であることを、文書か口頭で患者や家族等に伝える(選択肢2)

とされています。

一方、任意入院でも必要があれば開放処遇を制限できる、12時間を超えない隔離も判断するのは医師、身体的拘束中は医師が「頻回に」診察する(毎日1回は隔離のときの決まり)とされているので、3・4・5は誤りです。

なぜ正解か

正解は 1 と 2。精神保健福祉法第37条第1項は、厚生労働大臣が入院中の者の処遇について必要な基準を定めることができるとし、同条第2項で精神科病院の管理者にその遵守を義務づけている。これに基づく基準(昭和63年厚生省告示第130号)は、面会について「入院後は患者の病状に応じできる限り早期に患者に面会の機会を与えるべき」とし、通信・面会について「基本的に自由であることを、文書又は口頭により、患者及びその家族等その他の関係者に伝えることが必要」と定めている。

ほかの選択肢

  • 3:誤り。任意入院者は原則として開放処遇を受けるが、症状からみて開放処遇を制限しなければ医療又は保護を図ることが著しく困難と医師が判断する場合には、開放処遇の制限ができる。閉鎖病棟での処遇が一律に禁止されているわけではない。
  • 4:誤り。12時間を超えない隔離は精神保健指定医の判断を要しないが、「この場合にあつてもその要否の判断は医師によつて行われなければならない」とされている。看護師の判断ではできない。
  • 5:誤り。身体的拘束については「医師は頻回に診察を行うものとする」とされている。「原則として少なくとも毎日一回診察」は隔離についての定めである。

根拠の構造

正解は 1 と 2。行動制限のルールは、法律と告示の2段構えになっている。

  • 精神保健福祉法第36条:第1項で、精神科病院の管理者は入院中の者について医療又は保護に欠くことのできない限度で行動の制限ができるとする。第2項で、信書の発受の制限、都道府県その他の行政機関の職員との面会の制限など、厚生労働大臣が定める行動制限は行うことができないとし、第3項で、厚生労働大臣が定める患者の隔離その他の行動制限は指定医が必要と認める場合でなければ行えないとする。
  • 同法第37条:厚生労働大臣が処遇の基準を定め(第1項)、管理者はそれを遵守しなければならない(第2項)。本問の「基準」はこの昭和63年厚生省告示第130号を指す。

告示の主な内容と肢の対応

項目告示の定め肢
通信・面会原則として自由。基本的に自由であることを文書又は口頭で患者・家族等に伝える2(正)
面会病状に応じできる限り早期に面会の機会。入院直後一定期間一律に面会を禁止する措置は採らない1(正)
隔離12時間を超えない隔離は指定医の判断は不要だが、要否の判断は医師が行う。医師は原則として少なくとも毎日1回診察4(誤)
身体的拘束原則として常時の臨床的観察。医師は頻回に診察5(誤)
任意入院者の開放処遇の制限医師の判断で始め、おおむね72時間以内に指定医が診察3(誤)

誤りの肢の掘り下げ

  • 3:告示は、任意入院者の開放処遇を「夜間を除いて病院の出入りが自由に可能な処遇」と定義し、原則として開放処遇を受けること、そのことを文書で伝えることを求める。そのうえで、他の患者との人間関係を著しく損なうおそれがある場合、自殺企図又は自傷行為のおそれがある場合などに、医師の判断で制限できる。また、本人の意思により開放処遇が制限される環境に入院する場合は制限に当たらないが、その旨の書面を得る必要がある。
  • 4:「12時間」は指定医の判断が要るかどうかの境目であって、医師以外の職種が判断してよいという意味ではない。隔離は、本人の意思で閉鎖的な部屋に入る場合(隔離に当たらない)とも区別される。
  • 5:身体的拘束は制限の程度が強く、二次的な身体障害(深部静脈血栓症など)を生じうるため、隔離より厳しく「常時の観察」と「頻回の診察」が求められている。

関連論点

  • 隔離・身体的拘束を行った場合は、その旨と理由、開始・解除の日時を診療録に記載する。
  • 2024年4月施行の改正では、精神科病院における業務従事者による虐待の防止措置や通報義務(第40条の2・第40条の3)が設けられた(第27回問7)。第26回の出題当時(2024年2月)はこの規定の施行前だが、本問の告示の内容自体はその前後で変わっていない。
この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題10(精神疾患とその治療)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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