精神保健福祉士

精神保健福祉士 第26回 問題31|精神保健福祉相談援助の基盤

問題

精神保健福祉士 | 第26回(令和5年度) | 令和6年2月3日(土)・4日(日)実施・精神保健福祉相談援助の基盤

次の事例を読んで,問題30 から問題32 までについて答えなさい。

〔事 例〕

L精神保健福祉士は,精神障害者を主な利用者とする就労継続支援B型事業所で働いている。作業が終わると利用者数人が集まり,人付き合いや生活上の困りごと,夢や願いなど様々なことを互いに話し合っていた。その話し合いの場は徐々に広がりを見せ,他の事業所の利用者も加わるようになっていった。L精神保健福祉士は,その活動の代表となったMさんから話し合いの場所について相談を受け,公民館を紹介した。しばらくの間,L精神保健福祉士が会場予約を代わりにしていたが,Mさんたちは集まる時間や回数,ルールなどを決め,会場予約を含めて自分たちで運営するようになっていった。そして自分たちの活動に「α」と名前を付けた。(問題30)ある日,L精神保健福祉士は,市の社会福祉協議会のA社会福祉士から「精神障害への理解と関わり」をテーマに市民を対象とした研修会の講師を依頼された。研修会でL精神保健福祉士は,精神疾患の発症頻度や症状,リカバリーの考え方などについて講義した。受講者からは,「精神疾患について初めて学ぶ機会を得た」「町内に障害者の事業所があるが,ほとんど交流がない」などの感想が述べられた。そこでL精神保健福祉士とA社会福祉士は,精神障害についての理解が地域ではなかなか得られにくく,見えない壁があると考え,次は当事者にも講師を担当してもらい研修会を企画しようと話し合った。 L精神保健福祉士が「α」のメンバーに相談したところ,自分たちの経験を発信する機会にしたいと賛同が得られた。「α」のメンバーとL精神保健福祉士は,地域への発信の内容や方法をそれぞれの立場から学び合い,皆で考え準備を進めた。(問題31)半年後に「α」のメンバーが講師に加わった新たな研修会を開いた。研修会後,受講者から,「同じ地域社会の中で共に生活している人だと感じた」「一緒に町内のイベントなど何かをやれそうに思う,やってみたい」などの感想が寄せられた。(問題32)

次のうち,ここでのL精神保健福祉士の関わりを表すものとして,適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題31(精神保健福祉相談援助の基盤)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 2
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 2

L精神保健福祉士は、「α」のメンバーと一緒に、地域への発信の内容や方法を「それぞれの立場から学び合い、皆で考え」準備を進めました。専門職が一方的に指導するのでも、当事者だけで進めるのでもなく、対等な立場で協力して取り組んでいます。このような関係を「パートナーシップ」といいます。

ナチュラルサポートは職場の同僚など身近な人による自然な支え、ボランティアとチャリティは自発的な奉仕や慈善、コンシューマー・イニシアティブは当事者が主導して活動を進めることを指します。

なぜ正解か

正解は 2。パートナーシップは、専門職と当事者が対等な立場で、それぞれの経験や知識を持ち寄り、目標に向けて協働する関係である。本事例でL精神保健福祉士は、「α」のメンバーと発信の内容や方法を「それぞれの立場から学び合い、皆で考え」準備を進めている。どちらか一方が主導するのではなく、共に学び共に作る関わり方である。

ほかの選択肢

  • 1:ナチュラルサポートは、職場の上司・同僚や地域の住民など、専門職ではない身近な人による自然な支援のこと。
  • 3:ボランティアは、自発的に無償で社会的活動に参加すること・その人。L精神保健福祉士の業務としての関わりとは異なる。
  • 4:コンシューマー・イニシアティブは、サービスの利用者(当事者)自身が主導してサービスや活動を運営すること。ここでは専門職と当事者が共に準備しているので当てはまらない。
  • 5:チャリティは慈善活動のことで、対等な協働関係を表す語ではない。

正解の位置づけ

正解は 2。パートナーシップは、専門職と当事者の関係を「援助する側/される側」という上下関係ではなく、互いに異なる専門性(専門職の知識と、当事者の経験に基づく知識)をもつ対等な協働者として捉える考え方である。本事例では、研修会で当事者が講師を担うという企画について、L精神保健福祉士はまず「α」のメンバーに相談し、賛同を得たうえで、発信の内容と方法を双方の立場から学び合いながら一緒に準備した。当事者の経験を「発信したい」という意思を尊重し、専門職は自分の知識(研修の組み立て方、地域の状況など)を提供して共に作り上げている。

誤りの肢の論点

  • 1(ナチュラルサポート):援助付き雇用(ジョブコーチ等)の文脈で生まれた概念で、職場の同僚・上司が自然に行う支援を指す。専門職による支援から、職場の自然な支えへ移していくことが目標とされる。本事例の専門職と当事者の関係とは関係しない。
  • 3・5:ボランティアは自発性・無償性・社会性、チャリティは慈善・寄付の文脈の語。いずれも関係の対等性を表す語ではない。
  • 4(コンシューマー・イニシアティブ):アメリカの当事者運動から広がった考え方で、当事者自身がサービスを企画・運営する取り組み(当事者運営サービス等)。問題30で「α」が自主運営に移った部分はこれに近いが、問題31の場面は専門職と当事者が「共に」準備していることが問われており、パートナーシップが最も適切である。

関連論点

  • 共同創造(コ・プロダクション):当事者と専門職がサービスや研修を一緒につくる考え方。リカバリーカレッジの運営原理としても知られ、パートナーシップと同じ方向性をもつ。
  • 当事者が語ることの意義:当事者が自分の経験を語る取り組みは、聴き手の偏見を減らすうえで効果があるとされ、精神障害に対する偏見(スティグマ)の解消策としてよく用いられる。問題32の研修後の感想(「同じ地域社会の中で共に生活している人だと感じた」)は、その効果を示す場面になっている。
  • 専門職の立ち位置の変化:問題30(側面的支援)→問題31(対等な協働)→問題32(地域への働きかけ)と、連続事例全体で関わり方が変わっていく点を押さえると、各問の答えが選びやすい。
この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題31(精神保健福祉相談援助の基盤)。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題31(精神保健福祉相談援助の基盤)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:合格ナビ運営事務局(運営者情報)・編集方針。