問題
次のうち,2022 年(令和4 年)の精神保健福祉士法改正により,新たに規定された精神保健福祉士の業として,正しいものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題37(精神保健福祉の理論と相談援助の展開)
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 3
精神保健福祉士法の第2条は、精神保健福祉士の仕事(業)を「相談援助」として定めています。2022年の法改正(2024年4月1日施行)では、これまでの「社会復帰に関する相談」に加えて、精神保健に課題を抱える人(精神障害のある人に限らない)の精神保健に関する相談も、業として新しく書き加えられました。
ほかの選択肢は、すでに改正前から条文にあった内容か、精神保健福祉士の業ではないものです。「作業活動」は作業療法士の分野、「医師などとの連絡及び調整」は社会福祉士の業の定義に出てくる言葉です。
なぜ正解か
正解は 3。精神保健福祉士法第2条の定義は、2022年(令和4年)12月公布の法改正(令和4年法律第104号)で見直され、2024年(令和6年)4月1日に施行された。e-Govの条文で施行前後を比べると、改正前は「地域相談支援の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談」に応じることだけだったのが、改正後は「又は精神障害者及び精神保健に関する課題を抱える者の精神保健に関する相談」に応じることが加わっている。これが「新たに規定された業」にあたり、選択肢3がそれを示している。
ほかの選択肢
- 1:「社会復帰に関する相談」は、改正前から第2条にあった。
- 2:「地域相談支援の利用に関する相談」も、改正前から第2条にあった。
- 4:医師その他の保健医療サービスを提供する者との連携は、精神保健福祉士法第41条(連携等)で定められている。第2条の「業」を新たに追加したものではない。
- 5:「応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るための作業活動」は、理学療法士及び作業療法士法第2条第2項の作業療法の定義の語句で、精神保健福祉士の業ではない。
補足
本問は出題当時(第26回、2024年2月)は施行前の改正だが、「改正で新たに規定された」という問い方なので、改正の内容を知っていれば解ける。
根拠条文
正解は 3。精神保健福祉士法第2条(定義)は、精神保健福祉士を「登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって」相談援助を業とする者と定める。相談援助の範囲について、e-Gov法令検索で施行前後の版を比較すると次のとおりである。
- 施行前(令和4年12月16日時点):精神科病院等を利用している者などの「地域相談支援の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談」に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行う。
- 施行後(令和6年4月1日以降):上の相談に加え、「精神障害者及び精神保健に関する課題を抱える者の精神保健に関する相談」にも応じる。
改正の法律は「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律」(令和4年法律第104号)で、施行は2024年4月1日。出題の第26回(2024年2月)は施行前で、改正内容を先取りして問う形になっている。改正の背景には、精神障害の診断の有無にかかわらず、精神保健に課題を抱える人(たとえば職場や地域でのメンタルヘルスの不調)への支援の担い手として位置づけを広げる意図がある。
誤りの肢の論点
- 肢1・肢2:どちらも改正前から第2条にある文言。「新たに」という設問に合わない。ただし「地域相談支援」は障害者総合支援法第5条に定義がある、障害福祉サービスの一類型(地域移行支援と地域定着支援)である点は押さえておく。
- 肢4:「医師その他の保健医療サービスを提供する者」との連絡調整という表現は、社会福祉士及び介護福祉士法第2条第1項(社会福祉士の定義)にみられる。精神保健福祉士の場合、精神保健福祉士法第41条第1項(連携等)で、保健医療サービスや障害福祉サービスなどを提供する者その他の関係者等との連携を保つ義務が定められ、第2項で主治の医師がある精神障害者については、その指導を受けなければならないとされる。この「連携の義務」と「業の範囲」を混同しないこと。
- 肢5:「応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行わせる」のが作業療法(理学療法士及び作業療法士法第2条第2項)。精神保健福祉士の訓練は「日常生活への適応のために必要な訓練」で、作業療法とは別の専門職の領域である。
関連して出る論点
- 精神保健福祉士法の義務規定:誠実義務(第38条の2)、信用失墜行為の禁止(第39条)、秘密保持義務(第40条)、連携等(第41条)、資質向上の責務(第41条の2)。
- 令和4年法律第104号は、精神保健福祉法の改正(医療保護入院の見直し、入院者訪問支援事業の創設など)も含む。精神保健福祉士法の改正とは区別して整理する。
- 精神保健福祉士法第2条・第41条e-Govで原文を読む
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第5条e-Govで原文を読む
- 社会福祉士及び介護福祉士法第2条e-Govで原文を読む
- 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題37(精神保健福祉の理論と相談援助の展開)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:合格ナビ運営事務局(運営者情報)・編集方針。

