精神保健福祉士

精神保健福祉士 第26回 問題45|精神保健福祉の理論と相談援助の展開

問題

精神保健福祉士 | 第26回(令和5年度) | 令和6年2月3日(土)・4日(日)実施・精神保健福祉の理論と相談援助の展開

次のうち,統合失調症の再発率を高めるとされる家族の状況として,適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題45(精神保健福祉の理論と相談援助の展開)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 3

統合失調症の再発には、家族の関わり方が影響することが知られています。家族が本人に対して批判的であったり、敵意をもったり、感情的に巻き込まれすぎたりする状態を「高い感情表出(高EE)」といい、高EEの家庭では再発の率が高まるとされています。選択肢3が正解です。

共依存、イネイブリング、投影性同一視、逆転移は、それぞれ別の場面で使われる用語で、統合失調症の再発率との関係を示す言葉ではありません。

なぜ正解か

正解は 3。感情表出(Expressed Emotion:EE)は、家族が患者に対してもつ感情を、会話の中の批判的なコメント、敵意、情緒的な巻き込まれすぎ(過度の干渉や心配)などから測る概念である。これらが高い家族(高EE)のもとで暮らす統合失調症の人は、そうでない場合より再発の率が高まるとされる。この知見が、家族の関わり方を支援する家族心理教育につながった。

ほかの選択肢

  • 1:共依存は、依存症の人と家族などが、互いに相手の世話や支配に頼り合う関係をいう。主に依存症の領域で使われる。
  • 2:イネイブリングは、依存症の人の問題行動を、周囲が尻拭いなどで結果的に支えてしまう行動をいう。これも依存症の領域の用語である。
  • 4:投影性同一視は、自分の中の受け入れがたい感情を相手に映し出し、相手をそのように扱う防衛機制の一つ。
  • 5:逆転移は、援助者がクライエントに対して抱く、無意識的な感情反応である。

ポイント

再発率と家族の関係=「高EE(批判・敵意・情緒的巻き込まれ)」。

感情表出(EE)の位置づけ

正解は 3。感情表出(Expressed Emotion:EE)は、研究のなかで、統合失調症の退院後の再発と家族の関わりの関連を調べる中で注目された概念で、家族が患者について語る言葉や口調から、①批判的コメント、②敵意、③情緒的巻き込まれすぎ(過度の心配や干渉)といった要素を評価する。高EEの家族のもとでは再発率が高まるとされる。重要なのは、これが「家族のせい」を示す概念ではないことである。高EEは、病気の理解が不足し、対処に疲れ、不安が強いために生じやすい反応であり、家族を責めるのではなく、家族を支える手がかりとして用いる。

この理解から、家族心理教育(病気や対処の知識を学び、家族のストレスを減らす)が発展した。家族が病気について正しい知識を得て、対応のしかたや問題解決の技法を身につけることで、家族の感情的な負担が減り、再発の防止にもつながる。問46の事例(家族相談員の活動)が示すピアの支え合いとも関係がある。

誤りの肢の論点

各肢は、精神保健福祉でよく出る用語だが、再発率を高める家族の状況を表す語ではない。

  • 肢1(共依存):相手の世話を焼くことで自分の存在価値を確認し、お互いに離れられなくなる関係。依存症の家族支援で出る。
  • 肢2(イネイブリング):依存症の人の問題行動の結果を、周囲が肩代わりしてしまい、結果として問題が続くのを助長してしまう関わり。「本人の自立を妨げる世話焼き」という整理も使う。共依存と合わせて問われる。
  • 肢4(投影性同一視):精神分析にもとづく防衛機制。自分の受け入れがたい部分を相手に映し出し、相手がそのとおりに振る舞うように働きかける。境界性パーソナリティ障害の対人関係で説明されることが多い。
  • 肢5(逆転移):援助者が、クライエントに対して抱く無意識的な感情。援助者自身の過去の体験が影響する。スーパービジョンで扱う大切な論点である。

関連して出る論点

  • 家族心理教育の目的:病気・治療・対処法の学習、家族間の情報交換、家族の孤立の解消、家族のストレスの軽減。家族を治療の対象とするのではなく、支援のパートナーとして位置づける。
  • ストレス-脆弱性モデル(問40):家族のEEは、本人にかかる環境ストレスの一つとして整理できる。
  • 家族会・ピアサポート:家族同士の支え合いは、問46のヘルパー・セラピー原理とあわせて理解する。

学習のコツ

横文字の用語は、「どの領域の言葉か」(依存症、精神分析、援助関係、家族研究)で分ける。「統合失調症の再発」「家族」とあれば、EE(感情表出)が第一候補となる。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題45(精神保健福祉の理論と相談援助の展開)。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
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出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題45(精神保健福祉の理論と相談援助の展開)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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