精神保健福祉士

精神保健福祉士 第26回 問題49|精神保健福祉の理論と相談援助の展開

問題

精神保健福祉士 | 第26回(令和5年度) | 令和6年2月3日(土)・4日(日)実施・精神保健福祉の理論と相談援助の展開

次の事例を読んで,問題49 から問題51 までについて答えなさい。

〔事 例〕

Lさん(41 歳,男性)は,20 代で統合失調症と診断され,服薬を中断して体調を崩しては入退院を繰り返し,今回の入院となった。なかなか病状が安定しなかったが,入院して1 年が過ぎ安定してきた。病棟担当の精神保健福祉士は,Lさんから,「両親とも70 代で体調が悪いので,もう負担はかけられない。一人暮らしをして自立したいが,これまで家事は母親に任せきりだったため,いざ一人暮らしを考えると不安がある」と聞いた。そこで,地域移行支援を紹介し,利用することになった。後日,相談支援事業所のM精神保健福祉士とピアサポーターのAさんがLさんの元を訪れた。 Aさんは,「僕も退院が不安だったけど,いろいろな助けを借りて一人暮らしができているし,好きなことに打ち込めて楽しいよ」と話し,自身の生活や利用しているサービスについて説明した。(問題49)Lさんは,「両親が貯めてくれたお金があるので,しばらくは生活の心配はないと思う」「Aさんのように一人暮らしを継続し,再入院しないで,好きな鉄道を自由に見に行きたい「」自炊したいし,家事や生活費のやりくりも頑張りたいが,自信がない」「ささいなことが心配になるので,相談できる場所があると助かる」と話した。M精神保健福祉士は,Lさんの思いを受け止め,地域移行支援計画案を作成した。(問題50)Lさんは,AさんやM精神保健福祉士の支援を受けて退院し,引き続き地域定着支援を受けながら一人暮らしを始めた。そして,地域活動支援センターのB精神保健福祉士の支援を受けながら,フリースペースの利用や毎日の夕食会に参加し始めた。さらに,居宅介護による掃除の支援や訪問看護を利用して生活に慣れていった。しかし,ほどなくしてフリースペースや夕食会に顔を見せなくなった。B精神保健福祉士は,M精神保健福祉士と訪問看護師にこのことを話し,訪問看護時に一緒にLさん宅を訪れた。Lさんは,「夕食会で話の合う人がいないので居づらく,行けなくなってしまった。そのことに悩んだり,夕食作りなど家事を頑張ったので疲れてしまった。今は寝てばかりいて,家にひきこもっている。このままだとまた入院になってしまうのでしょうか」と話した。そこでケア会議が開催された。(問題51)

次のうち,この時のLさんに対するAさんの役割を表すものとして,正しいものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題49(精神保健福祉の理論と相談援助の展開)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
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  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 5

事例では、ピアサポーターのAさんが、「僕も退院が不安だったけど、いろいろな助けを借りて一人暮らしができている」と、自分の体験や暮らしぶりをLさんに話しています。同じ病気を経験した先輩が、地域での暮らしのイメージを示している姿は、Lさんにとっての「ロールモデル」(手本となる人)です。選択肢5が正解です。

セカンドオピニオン、アドボケーター、メディエーター、エデュケーターは、ほかの役割の名前です。

なぜ正解か

正解は 5。ピアサポーターは、自分も精神疾患や障害の経験をもつ人として、同じ立場の人を支える役割である。事例のAさんは、「僕も退院が不安だったけど、いろいろな助けを借りて一人暮らしができているし、好きなことに打ち込めて楽しいよ」と話し、自分の生活やサービスの利用について説明している。退院に不安のあるLさんにとって、Aさんは、退院後の暮らしを具体的にイメージさせ、「自分もできるかもしれない」という希望を与える存在、すなわちロールモデルである。

ほかの選択肢

  • 1:セカンドオピニオンは、治療などについて、主治医以外の専門家から意見を聞くこと。役割の名称ではない。
  • 2:アドボケーターは、本人の権利や意見を代弁・擁護する人。Aさんは代弁していない。
  • 3:メディエーターは、対立する当事者の間に入り、調整する人。事例に対立はない。
  • 4:エデュケーターは、知識や技術を教える人。Aさんは、体験を語っており、教える立場ではない。

ポイント

体験を語り、希望や見通しを与える仲間=ロールモデル。

事例の読み取り

正解は 5。事例(連続事例1)のLさんは、41歳の男性で、20代で統合失調症と診断され、入退院を繰り返してきた。入院後1年で病状が安定し、一人暮らしによる自立を希望するが、家事を母親に任せきりだったため不安がある。そこで、病棟担当の精神保健福祉士が地域移行支援を紹介し、相談支援事業所のM精神保健福祉士とピアサポーターのAさんが訪問した。

Aさんの発言は、「僕も退院が不安だったけど、いろいろな助けを借りて一人暮らしができているし、好きなことに打ち込めて楽しい」であり、自分の体験と、現在の生活、利用しているサービスを具体的に伝えている。ピアサポーターの価値は、専門職には出せない「経験者としての説得力」にある。同じように不安を感じていた人が地域で暮らしている姿は、Lさんにとって、退院後の暮らしの具体的なモデル(手本)となる。このように、Aさんの役割は、ロールモデルである。

誤りの肢の論点

  • 肢1:セカンドオピニオンは、診断や治療方針について、現在の担当医とは別の医師などの意見を求めること、または、その意見そのものを指す。人の役割を表す語ではなく、Aさんの関わりにも合わない。
  • 肢2:アドボケーターは、権利を侵害されている人、自分の意見を表明しにくい人に代わって、その権利や利益を擁護する人。Aさんは、Lさんの意見を代弁したのではなく、自分の経験を語った。
  • 肢3:メディエーターは、当事者間の対立や葛藤を調整する役割。事例には、Lさんと誰かの対立は描かれていない。
  • 肢4:エデュケーターは、知識や技術を教える役割。Aさんの話は、専門的な知識の教授ではなく、体験にもとづく語りである。

関連して出る論点

  • ソーシャルワーカーの役割:イネイブラー(本人の力を引き出す)、ブローカー(資源につなぐ)、メディエーター(調整)、アドボケーター(代弁)、エデュケーターなどの区別が出る。それぞれの語が示す行為を、事例の場面と対応させる。
  • ピアサポートの効果:当事者には、回復の見通し、孤立感の軽減、情報の入手。ピアサポーター自身には、役割や自己効力感の獲得(問46のヘルパー・セラピー原理)。
  • 地域移行支援:障害者総合支援法第5条に定められた地域相談支援の一つで、精神科病院に入院している精神障害者などが、地域生活に移行するための活動に関する相談などの便宜を供与する(問50)。

学習のコツ

役割の名前は、「その人が実際にしたこと」を動詞にしてから選ぶ。Aさんは、体験を語って見通しと希望を示した。教えたのでも、代弁したのでも、仲裁したのでもない。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題49(精神保健福祉の理論と相談援助の展開)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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