問題
次の記述のうち,精神科医療機関における退院に向けたチームアプローチの説明として,適切なものを2 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題42(精神保健福祉の理論と相談援助の展開)
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 2 と 3
退院に向けたチームアプローチでは、病院の中のさまざまな職種が協力して、本人の退院を支えます。ここで大切なのは、本人の希望を尊重して利用者も参加すること(選択肢2)と、多様なニーズに応じるために、各メンバーの役割分担をはっきりさせること(選択肢3)です。
ほかの選択肢は、遠慮して意見を控えたり、リーダーが見ているだけだったり、コミュニケーションを控えたりする内容で、チームとしての働きを弱めてしまいます。
なぜ正解か
正解は 2 と 3。
- 2:利用者の意向を尊重するため、利用者参加を原則とする。退院支援の主役は本人であり、会議や話し合いに本人が参加し、希望を伝え、決定に関わることが基本となる。
- 3:多様なニーズに対応するため、構成員の役割分担を明確にする。職種ごとに役割を整理することで、重複や抜け落ちを防ぎ、支援を効率的に進められる。
ほかの選択肢
- 1:良好な関係を保つために率直な意見を控えるのは誤り。チームでは、立場や専門性が異なる者が率直に意見を出し合うことで、より良い支援方針が決まる。
- 4:対等性を重視することと、リーダーが見守りに徹することは別である。リーダーは会議の進行や情報の集約、調整などの役割を担う。
- 5:秘密保持は大切だが、守ることを理由に日常的なコミュニケーションを控えれば、チームで情報を共有できなくなる。必要な情報は、本人の同意や守秘のルールを踏まえて共有する。
ポイント
チームアプローチ=本人を中心に、役割を明確にして、率直に情報を共有する。
根拠と考え方
正解は 2 と 3。精神科医療機関での退院に向けたチームアプローチは、医師、看護師、作業療法士、公認心理師、精神保健福祉士など、多職種が連携して、退院後の生活を見据えた支援を行う方法である。チームアプローチの基本は、①本人を中心に置く、②専門性にもとづく役割分担、③目標と情報の共有、④率直で対等なコミュニケーションの4点に整理できる。
- 肢2:本人の参加は、リカバリーやストレングス、自己決定の尊重という考え方に直結する。本人が会議に同席し、自分の希望や不安を話せるようにすることで、退院後の生活を自分のこととして考えられる。
- 肢3:役割分担の明確化は、チームが機能する前提である。誰が何を担うか(たとえば住まいの調整、服薬の支援、日中活動の確保)があいまいだと、支援の重複や漏れが生じる。
誤りの肢の論点
- 肢1:「良好な関係を保つために率直な意見を控える」は、一見チームを守るようにみえるが、意見を出さないチームは、見落としや思い込みに気づけない。対等な関係とは、異なる意見を安心して出し合える関係である。
- 肢4:「対等性を重視するため、リーダーは見守りに徹する」は、対等性とリーダーシップを対立させた誤りである。対等であることと、会議の進行や調整、目標の確認といったリーダーの役割は両立する。リーダーが何もしなければ、チームの意思決定が進まない。
- 肢5:「秘密保持を厳守するため、日常的なコミュニケーションは控える」は、守秘義務の意味を取り違えている。守秘義務は、職務上知り得た情報を正当な理由なく漏らさない義務であり、チーム内で必要な情報を共有することまで禁じるものではない。精神保健福祉士の秘密保持義務は、精神保健福祉士法第40条に定められている。なお、チーム内の情報共有でも、本人の理解や同意を得る配慮が求められる。
関連して出る論点
- 多職種連携の形:マルチディシプリナリー(職種ごとに独立して支援)、インターディシプリナリー(情報を共有して協働)、トランスディシプリナリー(役割の境界を越えて協働)の整理が出ることがある。
- 退院支援の仕組み:地域移行支援(障害者総合支援法)、ピアサポーターの活用など、院内と地域の連携を合わせて理解する(問49〜51の事例とも関係する)。
- ケア会議・カンファレンス:本人の参加、目標の共有、支援計画の見直しが目的。
学習のコツ
チームの問題は、「本人中心」「役割の明確化」「率直な意見交換」の3語が入っている肢を選び、「控える」「見守りに徹する」「遠慮する」のように、働きを止める表現が入った肢を外す。
- 精神保健福祉士法第40条e-Govで原文を読む
- 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題42(精神保健福祉の理論と相談援助の展開)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:合格ナビ運営事務局(運営者情報)・編集方針。

