精神保健福祉士

精神保健福祉士 第26回 問題59|精神保健福祉の理論と相談援助の展開

問題

精神保健福祉士 | 第26回(令和5年度) | 令和6年2月3日(土)・4日(日)実施・精神保健福祉の理論と相談援助の展開

次の事例を読んで,問題58 から問題60 までについて答えなさい。

〔事 例〕

Q市障害福祉課に勤務するH精神保健福祉士に,地域包括支援センターの主任ケアマネジャーから電話があり,「ホームヘルパーから,『訪問に行くと,同居する子が部屋から出て来ないし外出もしないと言われ,その対応の仕方が分からない』と相談されて困っている」とのことだった。H精神保健福祉士は,その話を聞きながら,新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり,Q市には同様のひきこもり課題を抱える事例が他にもあるのではないかと思った。(問題58)Q市におけるひきこもりの事例では,「退職」や「新型コロナウイルス感染症」をきっかけとするものが目立ち,ひきこもり期間は「2 年から3 年未満」が多かった。H精神保健福祉士はのちに開催された「協議会」において現状を報告し,ひきこもり問題に対応するため,専門部会の立ち上げを提案して,承諾された。その後,保健所,基幹相談支援センター,ひきこもり地域支援センター,ひきこもり支援をしているNPO法人,Q市社会福祉協議会,地域包括支援センターが集まり,第一回の専門部会を開催することとなった。専門部会ではH精神保健福祉士がQ市の現状報告後,ファシリテーターとなり,参加者に支援の悩みやひきこもっている人のメンタルヘルスに関連する課題等について自由に意見を出し合ってもらった。意見としては,「女性のひきこもっている人の増加が目立ち始め,このままだと長期化し,メンタルヘルス問題の悪化が懸念される」こと,「それまであった人間関係も疎遠になって家族以外と会話していない」こと,「親を介護しながら扶養されている」こと,「自分の先行きが不安になって不眠に陥っている」こと等が挙がった。(問題59)数回にわたる専門部会のまとめとして,「女性の増加が目立ち,彼女たちは,もう一度誰かとつながりたいという気持ちがあるがなかなか自分からは行動しにくいようだ」ということで意見が一致した。そして,専門部会は新たな取組の提案と報告を行い,それを受けたQ市は提案に基づく取組を行うこととした。(問題60)(注) 「協議会」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に基づき行われる協議会のことである。

次のうち,この時点でH精神保健福祉士がファシリテーターとなり,参加者と共に行ったこととして,正しいものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題59(精神保健福祉の理論と相談援助の展開)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 4
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  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 4

専門部会では、H精神保健福祉士が進行役のファシリテーターとなり、参加者に「支援の悩みや、ひきこもっている人のメンタルヘルスの課題などを自由に意見を出し合ってもらった」とあります。

このように、批判をせずに自由に、たくさんの意見やアイデアを出し合う方法がブレインストーミングです。実際に、女性の増加、人間関係の疎遠、介護と扶養、不眠など、いろいろな意見が出ています。

傾聴は相手の話を聴く姿勢、参与観察は調査の方法、KJ法は出た意見をカードに書いて分類・整理する方法、ディベートは賛成と反対に分かれて議論する方法で、いずれもこの場面とは合いません。

なぜ正解か

正解は 4。専門部会で、H精神保健福祉士はファシリテーターとして、参加者に支援の悩みや課題について「自由に意見を出し合ってもらった」。批判を控え、自由に多くの意見を出してもらう方法はブレインストーミングである。出された意見が、女性の増加・人間関係の疎遠・介護と扶養・不眠と多方面にわたっていることも、この方法の特徴と一致する。

ほかの選択肢

  • 1:傾聴は、相手の話を丁寧に聴く基本的な面接技法で、複数の参加者から意見を引き出す会議の方法とは性格が違う。
  • 2:参与観察は、調査者が対象の集団・場面に加わりながら観察する質的調査の方法である。
  • 3:KJ法は、出された意見や情報をカードに書き出し、似たものをまとめて整理していく方法。意見を出し合う段階の後、まとめる段階で使う。
  • 5:ディベートは、あるテーマについて賛成側・反対側に分かれて論じ合う方法で、自由な意見出しとは異なる。

正解の根拠と位置づけ

正解は 4。ブレインストーミングは、集団で多くのアイデアや意見を短時間に出すための発想法で、①他の人の意見を批判しない、②自由奔放な発言を歓迎する、③質より量を重視する、④他の人の意見に便乗・結合・発展させてよい、といったルールで行われる。事例の専門部会では、立場の異なる関係機関(保健所、基幹相談支援センター、ひきこもり地域支援センター、NPO法人、社会福祉協議会、地域包括支援センター)が集まっており、支援の悩みを遠慮なく出せる場を作ることが、地域の課題の共有につながる。ファシリテーターは結論を押し付けず、発言の機会を整え、場の安全を守る役割を担う。

誤りの肢の掘り下げ

  • 傾聴:面接技法であり、「会議で参加者から意見を出してもらう」方法ではない。ファシリテーターが傾聴の姿勢を持つのは当然だが、問われているのは用いた方法である。
  • 参与観察:フィールドワークで、研究者が当事者の生活や集団に参加しながら観察する。専門部会はその場面ではない。
  • KJ法:川喜田二郎が考案した、データをカード化してグルーピングし、図解して構造を見る方法。ブレインストーミングで出た意見を整理する「次の段階」に使う。事例でも、数回の専門部会のまとめとして意見が一致する過程があり、その段階で整理が行われたと考えられる。
  • ディベート:勝敗や説得を競う形式の議論で、多様な意見を出し合う目的とは合わない。

関連して出る論点

ファシリテーター、コーディネーター、モデレーターの役割の違い、ノミナル・グループ・テクニックやデルファイ法などの合意形成の技法、グループダイナミクスの基礎が問われる。

ファシリテーターとして気をつける点も確認しておく。①発言しやすい雰囲気を作る、②特定の人に発言が偏らないようにする、③出た意見を板書などで見える形にする、④専門職自身の意見を押し付けない、⑤時間と目的を管理する、の五点である。専門部会のように立場の違う機関が集まる会議では、職種や機関の上下関係が発言を左右しやすいため、ブレインストーミングのルール(批判しない)を最初に確認することが、本音の意見を引き出す前提になる。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題59(精神保健福祉の理論と相談援助の展開)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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