精神保健福祉士

精神保健福祉士 第26回 問題70|精神保健福祉に関する制度とサービス

問題

精神保健福祉士 | 第26回(令和5年度) | 令和6年2月3日(土)・4日(日)実施・精神保健福祉に関する制度とサービス

次の事例を読んで,問題70 から問題72 までについて答えなさい。

〔事 例〕

Kさん(50 歳,女性)は80 代の両親と同居していたが,母親の死をきっかけに統合失調症が悪化し,幻聴や妄想の出現により父親に対する暴言が顕著となった。Kさんの様子を心配した父親は,Kさんが通院している精神科病院に受診させた。Kさんは入院を拒んだが,父親が同意しKさんは入院した。担当のL精神保健福祉士は,Kさんの気持ちを受け止めながら,自らの役割などをKさんに丁寧に説明した。 Kさんの入院後,父親が介護保険の利用を開始するなど,生活環境は大きく変化し,またKさんの症状が残っていることから入院期間は1 年となってしまった。主治医はKさんの入院継続の必要性を認め,Kさんも入院の継続に同意した。(問題70)入院から1 年半後,主治医から退院に向けた今後の治療方針の説明がなされた。L精神保健福祉士は,Kさんと父親双方の今後の生活について丁寧に話を聞いた。父親はKさんの面倒を見ることに限界を感じていた。またKさん自身は,一人暮らしを希望していた。そこでL精神保健福祉士は,退院に向けて「障害者総合支援法」に規定される地域相談支援サービスの活用を提案した。Kさん,父親も同意したことから,L精神保健福祉士はそのサービスを提供するX事業所のM精神保健福祉士と連携し,アパートの体験利用を実施した。(問題71)退院後のアパートでの生活を継続するための話し合いをKさん,父親,L精神保健福祉士及びM精神保健福祉士とで行った。Kさんからは,定期的な巡回訪問や随時の相談を受けて欲しいとの希望が出された。そこで「障害者総合支援法」に基づく別のサービスの利用の検討を行った。(問題72)(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

次の記述のうち,この時点でのKさんの入院形態の説明として,正しいものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題70(精神保健福祉に関する制度とサービス)

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 3

Kさんは最初、本人は嫌がったものの父親の同意で入院しました(医療保護入院)。その後、問題70の時点では「Kさんも入院の継続に同意した」とあるので、本人の同意に基づく任意入院になっていると考えます。

任意入院の人が退院を申し出たら、病院は原則として退院させなければなりません。ただし、精神保健指定医が診察して入院を続ける必要があると認めたときは、72時間に限って退院させないことができます(肢3)。審判で決まる入院は医療観察法、家族等の同意が要るのは医療保護入院、知事の権限で入院させるのは措置入院です。

正解は 3

事例では、入院当初は父親の同意による入院(医療保護入院)でしたが、問題70の時点では「Kさんも入院の継続に同意した」ため、本人の同意による任意入院と読み取ります。

  • 肢1(誤り): 審判で入院が決定されるのは、医療観察法による入院(裁判所の決定)です。
  • 肢2(誤り): 家族等の同意を要件とするのは医療保護入院です(精神保健福祉法第33条)。
  • 肢3(正しい): 任意入院者から退院の申出があっても、指定医の診察の結果、医療及び保護のため入院を継続する必要があると認めたときは、72時間を限り退院させないことができます(第21条第3項)。
  • 肢4(誤り): 都道府県知事の権限で入院させるのは措置入院(第29条)・緊急措置入院です。
  • 肢5(誤り): 任意入院は本人の同意に基づく入院で、入院に際して指定医の診察は要件とされていません。指定医の診察が必要になるのは、退院制限をかける場面などです。

正解は 3

事例の読み取り

入院時:Kさんは入院を拒んだが父親が同意 → 本人の同意がなく家族等の同意による入院=医療保護入院(第33条第1項)。

問題70の時点:主治医が入院継続の必要性を認め、Kさんも入院の継続に同意→ 第20条(管理者は本人の同意に基づいて入院が行われるよう努めなければならない)の趣旨に沿い、任意入院(第21条)に切り替わったと読むのが自然です。

根拠条文(第21条)

  • 第1項:本人が自ら入院する場合、管理者は退院等の請求に関することなどを書面で知らせ、本人から自ら入院する旨を記載した書面を受けなければならない。
  • 第2項:任意入院者から退院の申出があった場合、管理者はその者を退院させなければならない。
  • 第3項:前項の場合において、管理者は、指定医による診察の結果、医療及び保護のため入院を継続する必要があると認めたときは、72時間を限り退院させないことができる。
  • 第4項:一定の基準を満たす病院では、緊急その他やむを得ない理由があるとき、指定医に代えて特定医師の診察により12時間を限り退院させないことができる。
  • 第7項:退院制限の措置を採る場合は、その旨・理由・退院等の請求に関することなどを書面で知らせる。

誤りの肢の掘り下げ

  • 肢1: 「審判期日」は医療観察法の審判の手続の用語です。精神保健福祉法の入院形態には、裁判所の審判による入院はありません。
  • 肢2: 医療保護入院は、指定医の診察で入院が必要とされ、かつ任意入院が行われる状態にない者について、家族等のうちいずれかの者の同意で入院させる形態です。
  • 肢4: 措置入院は、2人以上の指定医の診察が一致して自傷他害のおそれを認めたときに、都道府県知事が行う行政処分としての入院です(第29条)。
  • 肢5: 任意入院の入院時には指定医の診察は要件ではありません。

2024年4月以降の変化

令和4年法律第104号による改正(2024年4月1日施行)では、医療保護入院に期間(入院から6か月までは3か月、以後6か月)と更新の仕組みが導入されましたが、任意入院の72時間の退院制限(第21条第3項)の枠組みは変わっていません。

関連して出る論点

任意入院者も、退院等の請求・処遇改善の請求(第38条の4)ができます。開放処遇が原則で、行動制限を行う場合の扱いは厚生労働大臣の定める処遇の基準で定められています。

この問題の根拠
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第26回精神保健福祉士国家試験(令和5年度)」専門科目 問題70(精神保健福祉に関する制度とサービス)です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ。原文にふりがなが付いている語は、ふりがなも付けています)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。精神保健福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

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