社会福祉士

社会福祉士 第36回 問題101相談援助の理論と方法

問題

社会福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年2月4日(日)実施・相談援助の理論と方法

事例を読んで,就労継続支援B型事業所のE職員(社会福祉士)が,クライエントに危険が及ぶような行動を減らすために,行動変容アプローチを応用して行う対応として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 知的障害があるFさん(20 歳)は,作業中に興味があるものが目に入ると勢いよく外に飛び出してしまうことや,作業時間中でも床に寝転がること等の行動が度々あった。寝転がっているところに起き上がるよう声かけを行うと,引っ張り合いになっていた。Fさんのこれらの行動は,職員や仲間からの注目・関心を集めていた。 そこで,Eは,Fさんが席に座って作業を継続することを目標行動にして支援を開始した。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題101

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 5
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 5 です。

行動変容アプローチは、学習理論に基づき、行動を「きっかけ(先行条件)→行動→結果」の流れで捉えます。Fさんが寝転がると職員や仲間の注目が集まり、それが行動を続ける「ごほうび」になっている可能性を考え、まずはこの仕組みを分析します。

分析で、きっかけと結果がわかれば、「座って作業できたときに注目や称賛を向ける」など、望ましい行動を増やす対応が考えられます。

そのため、行動の仕組みを分析する5が最も適切です。

ABC分析という言葉を覚えておくと、同じ型の問題に対応できます。

正解は 5 です。

行動変容アプローチ(応用行動分析)では、行動を「先行条件(A)→行動(B)→結果(C)」の流れ(ABC分析)で捉え、行動が続く仕組みを明らかにしたうえで、環境の側を調整します。事例では、寝転がる・飛び出すと職員や仲間の注目・関心が得られており、それが行動を維持している結果になっています。

各選択肢の検討

  • 1 × 席を立つたびに報酬を与えると、不適切行動を強めてしまう。報酬(強化)は目標行動(席に座って作業を続ける)に対して与える。
  • 2 × ベースラインは、介入前の行動の頻度や状況を測っておく基準。支援開始の1か月後につけるのでは遅く、開始前に測る。
  • 3 × 不適切行動のモデリングとして職員が寝転がって見せると、その行動を学習させかねない。モデリングは望ましい行動を見せる。
  • 4 × ベルの音と作業を条件づけるのは、古典的条件づけの発想。本事例は、結果によって行動が変わるオペラント条件づけで考える場面である。
  • 5 ○ 先行条件と結果を含めて、行動の仕組みを分析する。

正解は 5 です。

■ 行動変容アプローチの基本

学習理論(オペラント条件づけ・古典的条件づけ・社会的学習理論)を基礎に、問題行動を「学習された行動」と見て、環境条件を整えて行動を変える。手順は、①標的行動の特定、②ベースラインの測定(介入前の頻度・持続時間・状況の記録)、③ABC分析(先行条件・行動・結果)、④介入(強化、消去、シェイピング、モデリング、トークンエコノミーなど)、⑤評価、である。

■ 本事例の読み取り

Fさんの寝転がる行動には、注目・関心という結果が伴っている。これは「注目の獲得」という機能を果たしている可能性が高く、注目が与えられるたびに行動が維持・強化される。声かけで引っ張り合いになる対応は、結果として注目を与え続けることになる。対応の方針は、まず機能を分析し、そのうえで望ましい行動(席に座って作業する)に注目や称賛を与え(正の強化)、不適切行動への反応は最小限にする(消去)といった組合せになる。

■ 誤りの肢の論点

  • 肢1:強化は標的行動の直後に与えて初めて効果がある。離席のたびの報酬は、離席を強化する。
  • 肢2:ベースラインは介入の前に測る。介入の効果は、ベースラインとの比較でしか判断できない。
  • 肢3:モデリングは、観察を通して行動を学習させる手法(バンデューラの社会的学習理論)。見せるのは望ましい行動である。
  • 肢4:ベルと作業の条件づけは、パブロフの古典的条件づけ。報酬との連合を通じて自発的な行動を増やすオペラント条件づけとは異なる。

■ 関連論点

  • 強化と罰、正と負の区別:「与える」か「取り除く」かで正・負、行動が「増える」か「減る」かで強化・罰。
  • シェイピング:目標行動に近づく行動を段階的に強化する。
  • クライエントの同意と尊厳に配慮し、罰的な対応を避けるのが倫理的な前提である。

■ 事例に即した支援の例

分析のあとの介入としては、座って作業しているときに称賛や声かけを行う(望ましい行動への注目)、寝転がっても大きな反応をしない、作業を細かい段階に区切って達成感を得やすくする、といった組合せが考えられる。いずれも本人の安全と尊厳に配慮し、周囲の職員と対応を統一して行う。

■ 用語の整理

消去は、強化されていた行動に結果を与えなくすることで行動を減らす手続。消去の初期には、行動が一時的に激しくなる(消去バースト)ことがあるため、危険が伴う行動では、安全面の対策を併せて行う。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題101。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題101です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。