問題
ソーシャルワークの援助関係に関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題106
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1 です。
援助関係では、いくつかの大切な考え方があります。
共感的理解とは、クライエントの世界を、まるで自分も体験しているかのように感じ取って理解することです。ただし、自分の感情を巻き込んだり、同情したりするのとは違います。
ほかの選択肢は、用語の意味が入れ替わっています。パターナリズムは、専門職が本人のためと考えて、本人に代わって決めてしまう考え方です。受容は、逸脱した行動に同調することではなく、そのまま受けとめることです。
正解は 1 です。
援助関係は、ソーシャルワークの土台です。バイステックの7原則などで整理される基本的な考え方を、正確な定義で理解しておく必要があります。
各選択肢の検討
- 1 ○ 共感的理解とは、クライエントの世界を、あたかも自分も体験したかのように理解すること(「あたかも〜のように」の態度)。
- 2 × 目的志向性は、援助がクライエントの目標に向かって意図的に進められること。「意図的に導くことで自己覚知を促進する」という説明は不適切。自己覚知はワーカー自身が自分を理解すること。
- 3 × パターナリズムは、専門職が本人の利益のためと考えて、本人の意思にかかわらず決定する父権的な態度。対等な関係を重視するのではなく、むしろその逆。
- 4 × 受容は、逸脱した態度や行動も含めて、そのまま受けとめること。同調して許容することではない。
- 5 × 自己開示は、ワーカーが自分の経験や感情を適切に伝えること。矛盾を指摘するのは、直面化の説明。
用語の定義は、日常語の意味と異なる点が出題されます。「受容=何でも認める」ではない、「共感=同情ではない」と整理しておきましょう。
正解は 1 です。
■ 援助関係の基本用語
- 共感的理解:クライエントの感情や体験を、相手の立場から「あたかも自分のことのように」感じ取りながら、自分と相手の区別を保つ。ロジャーズのカウンセリング論の中心概念の一つで、「同情」(相手に巻き込まれ感情を共有してしまう)や「同一化」とは異なる。
- 受容:バイステックの原則の一つ。クライエントの長所も短所も、好ましい行動も逸脱した行動も、ありのままに受けとめる。ただし、行動を是認・同調することとは違う。受けとめたうえで、行動そのものについては必要に応じて問題として扱う。
- 目的志向性:援助関係が明確な目的(クライエントの課題解決)に向けられていること。
- 自己覚知:ワーカーが自分の価値観、感情、偏見などの傾向を知ること。クライエントではなく、ワーカー自身の作業。
- 自己開示:ワーカーが自分の考えや体験を、援助に役立つ範囲で意図的に伝える技法。多用すると援助関係が逆転するので、目的が必要。
- 直面化:クライエントの言動や感情の矛盾、避けている問題に気づいてもらう技法。信頼関係がある程度できたうえで用いる。
■ 誤りの肢の論点
- 肢2:目的志向性と自己覚知は別の概念。ワーカーがクライエントを「意図的に導く」ことは、自己決定の尊重に反するおそれもある。
- 肢3:パターナリズムは、権威的・保護的な関与。ソーシャルワークでは、自己決定の尊重と、本人の利益を守る必要が対立する場面で議論される。
- 肢4:受容と同調の混同は頻出の引っかけ。
- 肢5:直面化との取り違え。
■ 関連論点
バイステックの7原則:個別化、意図的な感情表出、統制された情緒的関与、受容、非審判的態度、クライエントの自己決定、秘密保持。共感は「統制された情緒的関与」とも関連する。
■ 出題の見分け方
援助関係の用語は、選択肢の中で、別の用語の説明が使われることが多い(目的志向性と自己覚知、受容と同調、自己開示と直面化)。各用語の「主語」(誰が、誰に対して)を確かめると、入れ替えに気づける。
■ 共感と同情の違い
共感は、相手の立場から理解しつつ、自分の立場を保つ。同情は、相手の感情に巻き込まれて、同じ感情になる。ワーカーには、専門職としての客観性を保つ「統制された情緒的関与」が求められる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題106です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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