問題
事例を読んで,N市社会福祉協議会のM職員(社会福祉士)の対応として,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 N市社会福祉協議会は,N市から避難行動要支援者への支援に関して委託事業を受けている。Mは,その事業のコーディネート役を担当しており,N市が海岸線の近くにあり,高台が少ないことから,大地震の際の津波などによる被害を心配している。Mは,日頃から「備えあれば憂いなし」と周りの職員たちに言い,避難行動要支援者を中心にした,平常時からのネットワーキングがN市には必要と考えて,支援活動をしている。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題114
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
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答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
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解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1 と 5 です。
避難行動要支援者とは、災害のときに自分だけでは避難しにくい人のことです。平常時からの備えとして大切なのは、地域の人たちと顔の見える関係をつくることです。
- 1:近隣の住民といっしょに避難訓練を行う。ネットワークづくりになります。
- 5:福祉避難所を、関係機関といっしょに確認する。いざというときの備えになります。
名簿を全戸に配るのは個人情報の面で不適切、自力避難の指導だけを求めるのも不適切です。
正解は 1 と 5 です。
避難行動要支援者の支援は、平常時からの地域のネットワークづくりが基本です。名簿の情報は、市町村長が作成し、本人の同意などの条件のもとで、避難支援等関係者に提供されます。
各選択肢の検討
- 1 ○ 近隣住民に声をかけ、避難行動要支援者と一緒に避難訓練を行う。平常時のネットワーキングとして適切。
- 2 × 避難行動要支援者名簿を、地域の全戸に配布するのは、個人情報の保護の観点から不適切。名簿情報は、避難支援等の実施に必要な限度で、避難支援等関係者に提供される。
- 3 × 自力で避難できるよう個別に指導するのは、自力避難が困難な人への支援として不適切。地域で支える体制づくりが必要。
- 4 × 避難支援等関係者より、避難行動要支援者の安全を最優先するよう指示するのは不適切。支援者自身の安全確保も大切で、無理のない範囲で支援するのが原則。
- 5 ○ 避難支援等関係機関と、福祉避難所を確認する機会をもつ。平常時の備えとして適切。
平常時のネットワークづくりでは、「顔の見える関係」と「情報の適切な取り扱い」の両方が大切です。
正解は 1 と 5 です。
■ 災害対策基本法の枠組み(根拠条文)
- 避難行動要支援者(第49条の10):要配慮者のうち、災害時に自ら避難することが困難で、円滑かつ迅速な避難の確保を図るために特に支援を要する者。市町村長は、その把握に努め、避難支援等を実施するための基礎となる避難行動要支援者名簿を作成しておかなければならない。
- 名簿情報の提供(第49条の11):市町村長は、災害の発生に備え、避難支援等の実施に必要な限度で、消防機関、警察、民生委員、市町村社会福祉協議会、自主防災組織などの避難支援等関係者に、名簿情報を提供するものとする。ただし、条例に特別の定めがある場合を除き、本人の同意が得られない場合は提供しない。災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に、生命・身体を保護するために特に必要があるときは、同意を得ずに提供できる。
- 個別避難計画(第49条の14):市町村長は、名簿情報に係る避難行動要支援者ごとに、個別避難計画を作成するよう努める。本人の同意が得られない場合は、この限りでない。
※個別避難計画の作成の努力義務は、令和3年の法改正で定められた。出題当時(令和6年2月)には、すでに現行の規定がある。
■ 本事例のワーカーの対応
市町村社会福祉協議会は、避難支援等関係者に位置づけられる。平常時から、
- 住民と避難行動要支援者が一緒に避難訓練を行い、顔の見える関係をつくる(肢1)。
- 福祉避難所の場所、受入れの条件、連絡方法を、避難支援等関係機関と一緒に確認する(肢5)。
といったネットワーキングが重要である。
■ 誤りの肢の論点
- 肢2:名簿の全戸配布は、条文の趣旨(必要な限度、避難支援等関係者に限定)に反する。
- 肢3:自力避難を前提とする指導は、避難行動要支援者の定義(自ら避難することが困難)に反する。
- 肢4:避難支援者の安全も確保されるべきで、支援は可能な範囲で行う。支援者への「安全確保よりも優先」という指示は不適切。
■ 関連論点
- 要配慮者:高齢者、障害者、乳幼児など防災上の配慮を要する人。そのうち、避難に特に支援を要する人が避難行動要支援者。
- 福祉避難所:要配慮者の受入れを想定した避難所。
- 災害時要援護者という旧称が、避難行動要支援者に改められた経緯がある。
- 災害対策基本法e-Govで原文を読む
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題114です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
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