問題
事例を読んで,Aスクールソーシャルワーカー(社会福祉士)の解決志向アプローチに基づく問いかけとして,適切なものを2 つ選びなさい。 〔事 例〕 Bさん(高校1 年生)は,父親,弟(小学4 年生),妹(小学1 年生)の4 人家族である。父親は長距離トラックの運転手で,Bさんは長女として家事と弟妹の世話を引き受けている。ある日,Aスクールソーシャルワーカーに,「家族のためにやれることをやるのは当然だし,喜んでもらえるのもうれしい。でも毎日勉強とバイトと家事で精一杯。これ以上はもう無理かも…」とつぶやいた。AはこれまでのBさんの頑張りをねぎらいながら,以下の問いかけをした。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題115
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
※この問題は2つ選ぶ形式です。2つとも選ぶと答え合わせになり、正答の全部を選んだときだけ正解として扱います。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 1 と 2 です。
解決志向アプローチは、問題の原因を探すより、「うまくいった状態」や「解決した姿」に目を向けて、本人の力を引き出す方法です。代表的な質問があります。
- ミラクルクエスチョン:「奇跡が起きて問題が解決したら、どうなっていますか」(1)
- スケーリングクエスチョン:「0から10なら、今は何点ですか」(2)
3、4、5は、問題やその原因、最悪の事態に目を向ける質問で、解決志向とは方向が違います。
正解は 1 と 2 です。
解決志向アプローチ(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)は、問題の原因を分析するのではなく、望む未来(解決像)と、すでにできていること(例外・資源)に焦点を当てます。
各選択肢の検討
- 1 ○ 「もし奇跡が起こって何もかもうまくいくとしたら」は、ミラクルクエスチョン。解決像を具体的に描いてもらう質問。
- 2 ○ 「最悪の状況を0、解決したのを10としたら、今は何点か」は、スケーリングクエスチョン。現在の位置や、小さな進歩を確認する質問。
- 3 × 「もう無理かもと思ったのはどのようなときか」は、困難や問題の場面に焦点を当てる質問。解決志向では、うまくいっているときや例外を尋ねる。
- 4 × 最悪の事態を想像してもらう質問は、問題への焦点づけで、解決志向ではない。
- 5 × 根本の原因を尋ねるのは、原因探し(問題志向)。解決志向は、原因の追究を重視しない。
正解は 1 と 2 です。
■ 解決志向アプローチの特徴
ド・シェイザーらがブリーフセラピーの流れの中で発展させた。基本的な考え方は次のとおり。
- 問題の原因を探らなくても、解決は構築できる。
- クライエントは、自分の問題を解決するための資源(強み・経験)をすでにもっている。
- 小さな変化が大きな変化につながる。
- うまくいっていること(例外)を見つけて増やす。
短期間での支援に向く。
■ 代表的な質問技法
- ミラクルクエスチョン:「一晩のうちに奇跡が起きて、問題が解決したとしたら、朝、何から気づきますか」。解決した状態の具体的な姿を引き出す。肢1。
- スケーリングクエスチョン:状態を0〜10などの数値で評価してもらい、「なぜその点数にとどまれているか」「1点上がるには何が必要か」を尋ねる。肢2。
- 例外探しの質問:問題が起こっていないとき、うまくできたときを尋ねる。
- コーピングクエスチョン:「どうやってそこまで乗り越えてきたのですか」。つらい状況での対処力を見いだす。
- 関係性の質問:「ほかの人から見たら、変化に何と言うでしょうか」。
■ 誤りの肢の論点
- 肢3:「もう無理と思ったのはどのようなとき」は問題の状況の掘り下げ。例外探し(うまくいっているとき)と対照的。
- 肢4:最悪の事態の想像は、問題志向の質問であり、不安を強める場合がある。
- 肢5:原因の追究(なぜ)は、問題志向の典型。「なぜ」の質問は、責められている印象を与えやすい。
■ 関連論点
- ヤングケアラー:家事や家族の世話を日常的に担う子ども。スクールソーシャルワーカーは、本人の気持ちに寄り添いながら、福祉・教育などの関係機関と連携して支援する。
- 本事例の導入では、本人の頑張りへのねぎらい(ポジティブな評価)がされており、解決志向の特徴的な姿勢(ほめる、承認する)にも合致する。
- 他のアプローチとの比較:ナラティヴ・アプローチは、問題の物語を語り直す(外在化・ドミナントストーリーの書き換え)。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題115です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

