問題
事例を読んで,乳児院のG家庭支援専門相談員(社会福祉士)が活用するアセスメントツールに関する次の記述のうち,最も適切なものを1 つ選びなさい。 〔事 例〕 一人暮らしのHさんは,慢性疾患による入退院を繰り返しながら出産したが,直後に長期の入院治療が必要となり,息子は乳児院に入所となった。Hさんは2 か月前に退院し,職場にも復帰したので,息子と一緒に暮らしたいとGに相談した。ただ,「職場の同僚ともうまくいかず,助けてくれる人もいないので,一人で不安だ」とも話した。そこでGは,引き取りに向けて支援するため,アセスメントツールを活用することにした。
【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題102
※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。
※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。
キーボード:1〜5で選択・Enterで次へ
答え合わせ
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
自信の3択
えらぶと、この端末に記録します(登録はいりません)
解説
※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。
※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。
正解は 3 です。
アセスメントでよく使う図が3つあります。
- ジェノグラム:家族の関係を世代でたどる家系図
- エコマップ:本人と家族、地域、機関などとのつながりを描く関係図
- ソシオグラム:集団の中の人間関係(好き・苦手など)を表す図
Hさんは「助けてくれる人がいない」と不安を話しています。周囲からのサポートの状況を整理するには、まわりの人や機関との関係を描くエコマップが適しています。
3つの図の目的を区別するのがコツです。
正解は 3 です。
アセスメントでは、整理したい内容に応じて道具を使い分けます。
各選択肢の検討
- 1 × ジェノグラムは、家族・親族の構成や世代間の関係を表す図。職場の同僚との関係の整理には向かない。
- 2 × エコマップは、本人・家族と周囲の環境(機関・人・地域資源)との関係を表す図。息子の発育状況(成長の記録)を整理する道具ではない。
- 3 ○ Hさんが受けているサポートや不足している支え(同僚との関係、乳児院、医療機関など)を整理するにはエコマップが適している。
- 4 × ソシオグラムは、集団内の成員間の選択・排斥などの関係を示す図。自宅周辺の生活環境の整理には用いない。
- 5 × 病状の整理は、ソシオグラムの役割ではない。医療情報は診療情報などで把握する。
図の使い分けは「何を見たいか」で決めます。世代のつながりを見たいならジェノグラム、周囲の環境との関係ならエコマップ、集団の中の人間関係ならソシオグラムです。
正解は 3 です。
■ 主なアセスメントツール
- ジェノグラム:家族の構成を3世代程度さかのぼって、性別・年齢・婚姻・死亡・同居などを記号で示す。家族の歴史、世代間で繰り返されるパターン、疾患や問題の連鎖を把握するのに向く。
- エコマップ:ハートマンが考案。中央にクライエントや家族を置き、周囲の人・機関・制度・地域資源などを円で示し、線の種類(強い・弱い・ストレスのある関係)で結びつきの質を描く。本人を取り巻く社会資源やサポートの量と質、不足を見える化できる。
- ソシオグラム:モレノのソシオメトリーに由来。集団の成員同士の好意・拒否などの選択を図示し、集団内のキーパーソンや孤立者、サブグループを把握する。グループワークの場面で使う。
- ほかに、ソーシャルサポートネットワークマップ(支援者との関係の整理)、ライフヒストリー、アセスメントシートなどがある。
■ 本事例のポイント
Hさんは「職場の同僚ともうまくいかず、助けてくれる人もいない」と話し、引き取りに向けてサポート体制を整える必要がある。ここで必要なのは、周囲との関係の網を可視化することで、まさにエコマップの役割。ジェノグラムは家族に関する情報が中心で、同僚は家族ではないため肢1は誤り。
■ 誤りの肢の論点
- 肢2:発育状況は、成長曲線や乳児院の発達記録、乳幼児健診の情報などで整理する。エコマップは発育の指標ではない。
- 肢4:生活環境(住居・周辺の資源)は、エコマップに地域資源を描く方法などで整理する。ソシオグラムは集団の人間関係に特化した図。
- 肢5:病状は医療情報の領域。
■ 関連論点
乳児院の家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)は、入所児の家庭復帰や親子関係の再構築を支援する職員で、児童福祉施設に配置される。社会資源の調整・連絡も担う。
■ エコマップの描き方
中心の円に本人・家族を置き、周りに関係のある機関や人(医療機関、職場、乳児院、友人、親族など)を配置する。線は、強い関係を太線、弱い関係を細線、ストレスのある関係を波線や×印で表し、資源の流れを矢印で示すことがある。この図を使うと、「助けてくれる人がいない」という本人の訴えが、どの関係の弱さによるかを具体的に確認でき、新たな支援者を探す方針も立てやすくなる。
■ 使い方のコツ
図は一度作って終わりではなく、状況の変化に合わせて更新する。本人と一緒に描くと、本人自身が状況を整理する助けにもなる。
出典と作り方
本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題102です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。
解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。
執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。

