社会福祉士

社会福祉士 第36回 問題11心理学理論と心理的支援

問題

社会福祉士 | 第36回(令和5年度) | 令和6年2月4日(日)実施・心理学理論と心理的支援

職場でうまく適応できない原因に関する相談者の次の発言のうち,ワイナー(Weiner, B.)による原因帰属の理論に基づき,安定し,かつ外的な原因による例として,最も適切なものを1 つ選びなさい。

【出典】公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題11

※問題文は同センター公表のものを改変せずに掲載しています。

※解説・補足は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※本問は出題当時の法令・制度に基づいています。

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答え合わせ

正解は 3
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5

自信の3択

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解説

※この解説は goukaku-navi.jp が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。

※出題当時の法令・制度に基づく問題です。現在の制度と異なる場合があります。

正解は 3 です。

ワイナーの原因帰属理論では、成功や失敗の原因を「原因が自分の内にあるか外にあるか(統制の位置)」と「いつも変わらないか変わるか(安定性)」の2つの軸で整理します。「業務内容が難しかった」は、自分の外にあり、すぐには変わらない原因なので、「外的で安定」です。

たとえるなら、原因を「自分のせいか、周りのせいか」と「いつも同じか、そのときだけか」で4つに分ける表です。

覚え方:能力=内的・安定、努力=内的・不安定、課題の困難さ=外的・安定、運=外的・不安定。

正解は 3 です。

ワイナーは、成功・失敗の原因帰属を、「統制の位置(内的・外的)」と「安定性(安定・不安定)」の2次元で分類しました(後に統制可能性の次元も加えられています)。

  • 1 誤り。「自分の能力不足」は、内的で安定した原因です。
  • 2 誤り。「最近の体調不良」は、内的(自分の状態)で不安定(変わりうる)な原因です。
  • 3 正しい。「業務内容が難しかった」は、課題の困難さで、外的・安定の原因です。
  • 4 誤り。「たまたま運が悪かった」は、外的ですが不安定な原因です。
  • 5 誤り。「自分の努力不足」は、内的で不安定な原因です。

安定かつ外的という条件に合うのは、課題の困難さだけです。

原因帰属は、失敗の後の意欲や感情を左右します。能力のような安定した内的原因に帰属すると意欲が下がりやすく、努力のような変えられる原因に帰属すると次への期待が保たれます。支援者はその視点で語りかけます。

原因帰属理論

成功や失敗の経験をどんな原因に結び付けるかによって、その後の期待や感情、意欲が変わるという理論です。ワイナーは、原因を2軸で整理しました。

  • 内的・安定:能力
  • 内的・不安定:努力、体調・気分
  • 外的・安定:課題の困難さ
  • 外的・不安定:運

統制の位置は「原因が自分の内側か外側か」、安定性は「時間が経っても変わらないか」です。後に、「自分でコントロールできるか」という統制可能性が加えられました。本問の選択肢では、体調は一般に内的・不安定の例とされています。

誤りの肢の論点

1は内的・安定の「能力」で、失敗を能力不足に帰属すると、次も失敗すると予測して意欲が低下しやすくなります。2と5は内的・不安定の例で、努力不足と考えれば「次は頑張れば変えられる」という期待が持てます。4は外的・不安定の例で、運のせいなら次は変わることがあるため、本人の対処の工夫に結び付きにくい側面があります。

支援場面との関連

失敗の原因を「能力」という安定的な原因に求める人は、次への意欲を失いがちです。支援者は、努力や方法のような「変えられる」原因(不安定で統制可能)に目を向けられるよう関わることが、動機づけの支援になります。また、うまくいったことを、自分の努力や工夫(内的・不安定)に帰属できるよう促すことで、自己効力感の向上にもつながります。

似た概念

ロッターの統制の位置(内的統制・外的統制)は、一般的な信念の傾向を表す概念で、ワイナーの理論は個別の出来事の原因をどう捉えるかを問う点で異なります。また、セリグマンの学習性無力感も、原因の捉え方(内的・安定的・全般的な説明スタイル)がうつにつながるという形で、帰属の考え方と関連します。

補足:学習性無力感との関連

何をしても結果が変わらないという経験を重ねると、無気力になることを、セリグマンは学習性無力感として示しました。原因帰属の視点では、失敗を「自分の能力」のような安定的な原因に求めるほど、無力感が強まりやすくなります。

この問題の根拠出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」問題11。解説は合格ナビが独自に作成したものです。
訂正の記録この問題の訂正はありません(サイト全体の記録)
出典と作り方

本問は公益財団法人 社会福祉振興・試験センターが公表した「第36回社会福祉士国家試験(令和5年度)」の問題11です。同センターの「過去問題利用にあたっての留意事項等」(https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html)に従い、問題文は文言を変えずに掲載しています(PDFの折り返しによる改行位置の違いのみ)。 原本は同センターの「過去の試験問題」でご確認ください。

解説・補足は合格ナビ(goukaku-navi.jp)が独自に作成したもので、公益財団法人 社会福祉振興・試験センターとは一切関係ありません。 本問は出題当時の法令・制度に基づいています。社会福祉に関する法令・制度は改正されるため、現在の制度と異なる場合があります。最新の内容は厚生労働省などの公的な情報でご確認ください。

執筆・運営:Zawa Lab(合格ナビ運営者情報)・編集方針。